先日、おぷーさんから教えていただいた、ドイツの作曲家であるヒューゴ・ヴォルフの歌曲に興味を持ち、少しずつ聞き始めているところです。もちろん、私が「興味を持ち、少しずつ聞き始めている」というのは、いつの日か自分でも“歌いたい”、という前提があるからです。
なので、音源を仕入れながら、楽譜の手配をしようとしました。
楽譜は…ドイツ系の作曲家ですから、ショット社(ここがオリジナルを発売した会社ですね)か、大手のペータース社やベーレンライター社あたりの楽譜を入手すれば良いのでしょうが、私、ドイツ語苦手だし、入手の容易さから考えても、日本の楽譜出版社のモノを利用するのが良いかなと思って(だって歌詞の現代語訳や解説が付いてるでしょ?)、ググってみたところ、日本では全音がヴォルフの楽譜を販売しているようです。
全音のヴォルフの楽譜が、いわゆるアンソロジー形式(名曲集って奴だね)で、高声用と中声用が、それぞれ全2巻で発売されています。
やったね。早速、高声用を購入しよう…と思ったところで「???」となりました。というのも、よく見てみると、全音のヴォルフ歌曲集は、高声用と中声用で、ちょっと中身が違うらしいのです。
まず、高声用が原調版のようで、要するに“高声用がオリジナル”なんです。まあ、これ自体は、よくある事で、あちらの作曲家の歌曲集って、日本に持ってきた時、音域の関係なのでしょうか? たいていオリジナル(つまり原調版は)高声版として発売され、オリジナルを数度低く転調したものを(日本人向けに)中声用とか低声用として発売するんですね。
これは、日本の歌手は、ヨーロッパの歌手よりも高い音が苦手…と言うか、高い音が回避されている楽譜の方が売れる…とか、まあ、そんなオトナの事情があるんだろうなあって思います。
それは商売上の事だから、いいんです。
でも、私個人は、自分の声にあった楽譜で歌いたいし、できれば作曲家が作曲した原調で歌いたいと思ってます、とりわけ、ヴォルフのように近代の作曲家の場合は、なおさらね。
だから、私は迷わず『高声用』の楽譜をポチしようとしたんですが、その手が止まったんです。と言うのも、その全音の楽譜には“ヴォルフ歌曲選集 1(高声用=原調版/女声用選曲)”なんて書いてあったからです。
女声用選曲? 慌てて中声用を見たら“ヴォルフ歌曲選集 1(中声用/男声用選曲)”って書かれいるじゃありませんか? つまり、全音のヴォルフ歌曲集の場合、高声用と中声用では、掲載されている曲が違うんです。実際、曲目リストを見たら、共通する曲もあったけれど、やっぱりかなり違ってました。
一応、歌曲と言うのは、男視点であれ、女視点であれ、男言葉で書かれていても、女言葉で書かれていても、どの曲も、男女問わず歌ってよい…というのが普通ですが、ヴォルフの場合は、近代歌曲という事もあって、男性が歌う曲と、女性が歌う曲の区別があるみたいです。ならば、私は男性だから、男声用に選曲された楽譜を購入するべきだろうけれど、男声用は中声なんだよね。わざわざ低く移調してあるんだよね。中声版の楽譜は、歌うのが楽なのはいいけれど、なんか華がなくていけないし、何より勉強にならないわな。できれば、高声用で歌いたいものですが…日本だと、高声用は女声用の選曲なんだよね。
つまり、私のような人間(男声だけれど高声用の楽譜で歌いたい人)は、輸入楽譜でも買ってくださいって事なんだろうな。
しかし、輸入楽譜は、やっぱり高いし、日本語訳もなければ、曲の解説もないからなあ。その手の情報をネットで探すと言っても…ヴォルフってマイナーな作曲家だから、ロクな情報がネットに転がっていないんだよね。ああ、なじみのない作曲家だからこそ、日本の楽譜で購入したいんだよなあ。
なんかなあ、割り切れないなあ。
↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村
コメント
写りの悪いのもあるけど、結構楽譜がタダでダウンロードできるサイトを載せますね。
メリケの詩の曲集のです。
ヴォルフで検索掛けると結構出てきます。
http://imslp.org/wiki/M%C3%B6rike-Lieder_(Wolf,_Hugo)
おぷーさん
サンクスです。このサイト、便利ですよね。
私もここで、よく楽譜を検索して眺めて「これはいい!」と思ったものは、改めて購入するようにしています。購入したものも、あまり印刷の状態が良くなかったりしますが、楽譜の権利を持っている人にお支払いをするというのは、大切な事だと思っていますので、あまりその点に文句を言うつもりはありません。