スポンサーリンク

サー・ジェームズ・ゴールウェイのマスタークラスを聴講してきたよ その2

 前半のプログラムが終了し、休憩となりました。(前半部分の記事はこちら

 私はまたもホワイエに行きましたところ、みなさん、お茶やお食事に忙しく(12:00開場で17:00撤収の長丁場ですからね)、試奏コーナーは案外人が少なかったので、たまたまアゲハ(My Flute’s name)を持って移動していた事もあり、今度は頭部管の試奏をしてみました。

 吹き比べたのは、リップライザ14Kのシルバー管とリップライザ16Kのシルバー管(現実路線でしょ)と、アゲハのオリジナル頭部管(Ag958)です。フルートをまるまる買い換えるのは、経済的負担が大きいですが、それと比較すれば、頭部管だけ交換するというのもアリですからね。

 たかが、リップライザの材質が変わっただけですが、音色は劇的に変わりますね。私の場合、金の含有量が増えるほど、音色が太くなり、いわゆる“フルートの音色”って奴に近づいていきますね。今回16Kまで試しましたが、18Kがあれば、試してみたかったです。

 以前、フルートを買い換えるなら、次は9Kだと言われた私ですが、あれはフルートを丸々買い換える時の話ですね。頭部管だけを買い換えるなら、リップライザを18Kぐらいの高純度のものにした方が良いかもしれないと思いました。いや、管体全体9Kにするよりも、管体はシルバーのままでリップライザをコールドにした方が、たぶん私の好みの音色に近いような気がします。それにしても、オリジナルのアルタス頭部管の音色って、実にすがすがしい音色ですね。

 売店で自分へのお土産として、シンフォニア社刊、ジェームズ・ゴールウェイ著(吉田雅夫訳)「フルートを語る」を買ってみました。今、普通に入手できるのは2009年の再版本らしいのですが、私が入手したのは1985年の初版本だそうです。貴重本らしいけれど、私は本マニアではないので、特に感慨はありません。でも、この本自体、なかなか書店では見かけないので、このチャンスに買っちゃいました。おもしろそうな本ですよ。問題は、私は老眼なので、なかなかページを開くほどのモチベーションが湧かないって事です。誰か、私のために朗読してくれる人、いないかな(爆)。

 後半は本日のメインプログラムで、若手のフルート奏者を受講生に迎えてのマスタークラス(公開講座)でした。実に充実した講座で、受講生たちとゴールウェイの間に、かなり具体的なやりとりがあったのですが、それをここにそのまま書いても、あまり意味がないので、ゴールウェイのひと言の中から、私の気にかかったモノだけをピックアップして書いてみたいと思います。
 
 
 最初の受講生は、私も大好きな新村理々愛氏です。(いつものように、外人さんは呼び捨てですが、日本人には敬称をつけてます。本来、音楽家は公人なので呼び捨てで良いのでしょうが、どうに日本人演奏家を呼び捨てにする勇気や度胸がない私です:汗)まだ高校二年生なんですね。若さをアピールしているのか、ちょっぴりパンキッシュな衣裳でした。曲は、シューベルト作曲の「アルペジョーネ・ソナタ」でした。新村氏の演奏は、私が聞いていると、ファンの欲目もありますが、感動的で完璧な演奏に感じるのですが、ゴールウェイが聞くと、たくさん改善点があるようで…クラシック音楽って、ほんと難しい音楽なんですね。

 フルート奏者のようにフルートは吹いてはいけない。歌手が歌うようにフルートを吹きなさい。

 高い音ほど優しく吹きましょう。

 いつでも次の音を予想しながら吹きましょう。

 八分音符の間でブレスを取る時は、口を開かずに瞬時にブレスをしましょう。その時は、たくさん息を吸う必要はありません(これに限らず、新村氏はブレスの指導をたくさん受けていました)。

 アーティキュレーションは、なるべく優しく柔らかく。

 元々の楽器であるアルペジョーネは弦楽器ですから、ブレスの事を考えずに作曲されているわけですが、フルートはブレスを避けて通るわけにはいかない楽器ですから、ゴールウェイはブレスにこだわった指導をしたんじゃないかな……なんて、素人の邪推ですね(ポリポリ)。

 「フルート奏者のように~」の部分は、ゴールウェイ自身が解説するには、「一般的なフルート奏者は、全般的に音を短めに、また曲を速い速度で演奏する傾向がある」そうなんだそうです。なので、それはヤメにして、たっぷりフルートを鳴らしましょうって言いたかったんじゃないかな~って、これまた素人の邪推を言っちゃいます(笑)。
 
 
 二番目の受講生は泉真由氏でした。この方の音は深々としたもので、ゴールウェイや新村氏とは全然違っていました。おもしろかったのは、この人のフルートが途中で調子が悪くなってしまい、その修理を舞台上でゴールウェイがしたのですが、その間、ゴールウェイのフルートを泉氏が借りて、レッスンを続行したのです。泉氏がゴールウェイの笛で吹くと、さっきまで自分のフルートから出ていた深い音色が、ゴールウェイの笛からは、もっともっと深い音色になって出てきたんですよ。同じ奏者でも楽器が違うと、かなり音が変わるわけです。で、その笛を持ち主に返してゴールウェイ自身が吹くと、あまり深みを感ぜずに、むしろ深さの中にも明るさが感じられる音で鳴ります。奏者が違うと、同じ楽器から、こんな違う音が出てくるだという事が分かりました。おもしろいでしょ。フルートの音って、楽器と奏者の組み合わせで、こんなにも変わるものなんですね。

 この方が演奏した曲は、クーラウ作曲の「6つのディヴェルティスマンより第6番」です。緩急に富んだ、とてもおもしろい曲です。

 ピアノとの音合わせは単音ではなく、ピアノの和音で合わせなさい。

 この曲はインテンポで吹くのは簡単。でも、そう吹いてはいけない。まるで人がおしゃべりをしているような感じで吹きましょう。

 曲のテンポが速くなっても、急いではいけない。しっかり吹きましょう。

 キーは叩かない事。

 アンブシュアの変化を感じながら吹く事。高音は優しい音色で吹く事。

 スタッカートは「分離する」という意味であって「短く吹く」という意味ではないので、あまり短く演奏してはいけない。

 この「ピアノとの音合わせは和音で~」と言うのは、この方だけでなく、次の竹山氏も言われていましたが、ピアノの和音でフルートを合わせる? 目の前で見ましたが、今ひとつ私にはその詳細が分かりませんでした。
 
 
 最後の受講生は、竹山愛氏で、曲は、プロコフィエフ作曲「フルートソナタ第1&4楽章」でした。この方が準備したのは速い楽章を二つだったのだけれど、ゴールウェイが「ゆっくりした楽章も聞きたい」と言い出して、第4楽章に入る前に、初見で第3楽章も吹かされていました。それでも、きちんと吹くんだから、プロってすごいなあって思いました。ちなみに、当然、ピアニストだって、第3楽章は合わせていないわけなので、ゴールウェイからピアニストに対して「ヤマハピアノのような音で弾いてくれ」と注文を出ていました。「ヤマハピアノの音」と言うのは、「リヒテルのような感じ」で弾いてくれという意味なんだそうです。リヒテルは有名なヤマハ弾きのピアニストですからね。

 常に次の音を想像しながら吹く事。音程をフルートに任せる事なく、歌の音程で、歌手のようにフルートを吹く事。

 ランパルの演奏をよく聞いていると思うけれど、彼の演奏は参考にしてはいけない。ランパルという人は、あまり曲の練習をしないまま録音をする人だから。

 キーは叩かない。指はあげすぎない。

 高音は、無理やりの力付くのような音では吹かないように、必ずアンブシュアを変えて優しく吹いてください。

 途中、ランパルを腐す様な発言をしてますが、これは単純にランパルとゴールウェイでは曲の解釈が違うって事だし、だから(ランパルのコピーでなく)あなたもあなたの解釈でこの曲を吹きなさいって言いたかったのではないかなって思います。ただ、ゴールウェイの経歴を見ると、彼はランパルとは幾分かの接点があったようで、たぶん本当にランパルって人が(練習もせずに)なんでもヒャラヒャラ演奏しちゃうタイプの方だったのではないかって推測できますね。
 
 
 そうそう、マスタークラスでは、スライドで楽譜を大写しにし、聴講生たち(つまり私たち)は、その楽譜を見ながら、レッスンを聞いていたのだけれど、その時私は気がつきました。それはいつのまにか、私、楽譜が読めると言うか、今、楽譜のどの部分を吹いているかが、即座に分かるようになっているって事です。いやあ、長い間、私は自分が楽譜を読めない人間だと思っていたし、今だって、厳密に言えば、楽譜の読めない人間なんだと思うけれど、少なくとも、演奏を聞いて、今、楽譜のどの部分を演奏しているかが分かるようになっていました。そんな自分にビックリです。いやあ、進歩発展上達ですわ。

 しかし、ゴールウェイを含めて、四人のフルーティストの音を聞きましたが、みんなそれぞれ音が違う。そして、ゴールウェイの笛の音は、生で聞くと、ごくごく平凡なフルートの音だった事にビックリ。でも、その平凡で奇をてらった感じのない音が、なんかとても美しいのですよ。これもまた不思議な事です。おもしろかったですよ。

 “万人が思い描くフルートの美しい音色”って、もしかすると、ゴールウェイのフルートの音なのかもしれない…そう思いました。
 
 
 最後は質疑応答のコーナーで、二つの質問が出ました。

 Q1)オーケストラでの演奏と、ソロでの演奏では、どういった点が違いますか?

 A1)どこも違わない

 バッサリでした(笑)。ただ、ソロで演奏する時には、音をより飛ばさないといけないと言ってしました(そのためには、ソノリテをたくさん練習する事とも言ってました)。ただし、ベルリンフィルで吹いていた時は、オーケストラの中にいても、ソロで演奏する時のような感じだったそうです。

 Q2)フルートの組み立て方について。頭部管はどのような向きで組み立てますか?

 A2)気にした事はない。ほぼ中央に揃えて組み立てていると思う。なるべく外向きにならないように気をつけている。

 合わせて、フルートには、上から息をしっかりと吹き込むと言ってました。あまり外向きにすると、上から息を吹き込むのが難しくなるでしょうね。

 質問の挙手はまだあったけれど、三問目に入る前に、ゴールウェイ自らが立ち上がって質問を制し、おもむろに、ドビュッシー作曲の「シランクス」を吹き始めました。今回はマスタークラスだったので、ゴールウェイは部分部分でフルートを吹いてましたが、全曲を通してフルートを吹いてはいなかったわけで、最後の「シランクス」はお客さまサービスの演奏ってところでしょうね。

 最後の最後で、ゴールウェイの短いスピーチがありました。社交辞令かもしれないけれど、また日本にやってきたいと言ってました。そして、次はもっと長い日程でマスタークラスをしたいと言ってました。次に来る時は、エチュードの大切さについて、もっと語りたいとも言ってました。

 ゴールウェイって、その演奏が素晴らしいので、ついつい大きく見えてしまいますが、よく見てみると、彼の身長って、日本女性とほとんど変わりませんでした。つまり、白人男性としては、破格にチビなんでしょうね。でも、そんなオチビさんが、ステージでは大きく見えるわけで…それだけ彼は“フルートの巨人”ってわけなんだと思います。

 それと人柄はとてもフレンドリーのようで、終始、アメリカン・ジョークをチョロッチョロッと挟み込んで話してました。こういうファンキーなジジイって、私は大好きです。ただし、通訳さんは、そのジョークのすべてを拾ってくれたわけではなかったのが残念ですが、それって通訳としては、ごくごく常識的な判断で、あるべき姿なのかもしれません。だって、ジョークを全部いちいち訳してしまうと、客であるこちらは、それを真に受けてしまいますからね。ジョークは取捨選択して訳されていたのは、通訳として正しい判断だと思います。

 どうやら、私は、ゴールウェイのファンになってしまったようです。

 マスタークラスは16:45まで行ってましたが、会場アナウンスでは17:00までに会場から撤収してくれと言っていたので、急いで会場から出ました。あれだけの人数が一度に会場を後にして駅に向かったのですから、当然、帰りの電車の中は、笛吹きだらけでした。

 その中、ムラマツ特製のワンコのフルートバッグを持った女の子がいました。いやあ、ワンコのフルートバッグ、実際に使われているを見るのは始めてですが、カワユシですなあ~、茶色のダックスちゃん、サイコー。思わず、フルートバッグに釣られて、後追いをしそうになっちゃいました(それじゃあ、ただの変態オヤジじゃん)が、そこをグッとガマンして帰りました。

 ああ、楽しかった。

コメント

  1. プリロゼ より:

    サーはイギリス人なのに、アメリカンなんですねぇ。
    奥様の影響でしょうか?
    前にサーがおっしゃっておられたそうですが、日本人は概して技術はあるが歌がないと。
    だから、ゆっくり丁寧に吹けって言われるんでしょうねぇ。
    ワタクシ、サーは大好きです[E:heart01] あ、パユパユも好きだけどね[E:lovely]
    サーは、かわいいおじいちゃんってカンジなのかしら~?
    日本にもよく来てくれるし、長く活躍していただきたい方ですわ[E:note]

    ムラマツのワンコ、結構重いんだよねぇ・・・。
    そして、意外とモノが入らないの。

  2. すとん より:

    プリロゼさん

     そう言われれば、ゴールウェイはイギリスの方ですね(パッと見、あまりに陽気でそうは見えない:笑)。アメリカ人の奥方も影響もあるでしょうし、なんと言ってもショービズはアメリカ中心ですから、いつのまにかアメリカナイズされているのかもしれませんね。

    >日本人は概して技術はあるが歌がないと。

     他の楽器も含めて、大概の国際音楽コンクールで、日本人奏者が言われる事ですねえ。まあ「あまりに真面目な日本人」って事なのかもしれません。もっとも、最近では、若手の演奏技術でも、中国人や韓国人の後塵をあおぐ事が増えてきているようです(ちょっと残念)。ちなみに「ゆっくり丁寧に吹け」とは、私、毎回のようにH先生に言われております(汗)。

     ところで、ムラマツのワンコ、重いんだ~? って事は、プリロゼさん、ワンコのケース、持っているの? まあ、見るからに、アタマの部分とかが重そう。でも、モノが入らないのは…それは勘弁してあげましょうよ(笑)。

  3. プリロゼ より:

    すとんさま

    持ってたけれど、使わないから人にあげちゃったのぉ。

    中国や韓国の奏者が台頭してきておりますわね・・・
    負けちゃいかんぜよっ!!

    がんばれニッポン[E:note]

  4. グレッチェン より:

    演奏の仕方とか 声楽とフルートって よく似ていますね。ブレスを使って演奏するのだから当たり前ですか… でも 八分休符のような 短いところでブレスを取るのは難しいです。どうしても思い切り、ふんがーって取って ゴジラみたい(爆)と言われます(汗) カデンツァも頭の中で和音で鳴らしてそこからはみ出さないように、と言われますが 超の付くオンチの私には 頭の中の和音が果たして合っているやら何なのやら。でも同じ楽器でも奏者によって音色が違ったり 同じ奏者でも部品?によって変わるって当たり前ですが面白いですね。声楽では すとん様の声帯をお借りして私が歌うなんてワケにはいきませんもの。この楽器、持運びはラクチンで便利なのですけどねー

  5. すとん より:

    プリロゼさん

     あら、ワンコちゃんは養子に行っちゃってましたか? 残念、でも使わないものを持っていても仕方ないか(笑)。

     そうそう、最近の国際音楽コンクールでは、中国系や韓国系の若者が頑張ってますね。以前は、白人たちの中に、ちょこんと黄色い日本人が混ざっていたのに、今ではコンクールの上位に来る東洋人の数では、日本人は劣勢かもしれません。…でも、その数少ない日本の若者が頑張っているんだよね~。

     やっぱり、日本人が世界の舞台で活躍するのを見るのは、誇らしいです。がんばれ~ニッポン!

  6. すとん より:

    グレッチェンさん

     そうそう、声楽とフルートって、違うようで似ている部分がたくさんあります(もちろん、違う部分もたくさんあるけどね:笑)。

     フルートで音大に入るのはかなり難しいので、高校時代にフルートから声楽に転向して音大受験をすると言うのが、ここ数年の傾向なんだそうです。なので、若いソプラノさんと話すと「あら、私、学生時代はフルートやってたの~」なんておっしゃる方が結構います。ちなみに、これは「フルートよりも声楽が簡単」と言う意味ではなく、単純に合格定員の違いね。どこの音大も、ピアノと声楽はたくさん取るけれど、フルートなんてごくごく少数しか取らないでしょ。そういう事みたいです。

     ブレスは難しいですね。永遠の課題です。特に急いでブレスをする時に、思わず「ヒュ~~~~」とか「ンガ~~~~」とか音をたてちゃったりするとギクッとしますね。

    >声楽では すとん様の声帯をお借りして私が歌うなんてワケにはいきませんもの。

     そうそう、もし借りれるものなら、私はソプラノさんの声帯を借りたいですよ。ソプラノさんじゃないと歌えない曲って、いっぱいあるからねえ~。ってか、ソプラノとテノールの二つの声を持っていたら、たいていの曲が歌えるけれど(笑)。

    >この楽器、持運びはラクチンで便利なのですけどねー

     そうそう、持ち運びはラクチンで便利なんだけれど、すぐに調子が悪くなるし、壊れやすいのも事実だし、壊れても修理も買い換えもきかないし、結構、残念なところがあるんですよね。……だからこそ、声は大切にしないとね。

  7. しっぽパン より:

    すとん様。ご指南ありがとうございます。
    リンクを張らせていただくときは、ご連絡いたしますね[E:happy01]

    「ムラマツ特製のワンコのフルートバッグ」に
    ちょっと惹かれます。
    見かけたら、私ならフラフラついていったかもしれません[E:scissors]

  8. すとん より:

    しっぽパンさん

     ムラマツ特製のワンコのフルートバックは、本当にカワユシなんですよ。

     しっぽパンなら付いて行っても変態扱いされないから、いいなあ。私のようなジイサンが若いオナゴの後をフラフラ付いて行ったら……「そのフルートバッグがカワユかったからですぅ~!」と泣いて訴えても、たぶん誰にも信じてもらえません。だからと言って、自分用に購入する勇気もなかったんです。ああ、情けない…。

  9. めいぷる より:

    お疲れ様でした…長かったでしょ?(笑)
    府中の回では、裏方さんはアマチュアフルートアンサンブルの皆様が実行委員だったのですよ(多くがマイミクさんです)。裏から表から感想を読むと、自分も行った気になって楽しいですね。[E:lovely]

    ゴールウェイはすんごい練習好きなんですよね。数年前行ったマスタークラスでも日課練習エチュードを楽曲の様に豊かに吹いてくれていました。…思わず、そのエチュード買っちゃって、、、[E:coldsweats01] 当時は難し過ぎて閉口しましたが、今は少しずつ活用しています。

    …わんこ。 お譲りしましょうか? [E:smile]

  10. すとん より:

    めいぷるさん

     はい、長かったです(汗)。でも、充実していたので、長さは感じませんでしたよ。

    >ゴールウェイはすんごい練習好きなんですよね。

     それは感じました。彼は、フルートが本当に好きで、練習も好きなんでしょうね。おそらく、努力を努力と思わずに楽しんでやっちゃう人なんだろうと思います。それこそ、フルートを吹くために生まれてきた人なんでしょうね。

    >…わんこ。 お譲りしましょうか?

     ワ、ワンコ。今、私の心は千々に乱れております。そりゃあ、欲しい。しかし、絶対に似合わない。でも、欲しい。やっぱり、使えない。部屋にしまってニヤニヤしていたら、そりゃあ変人だ。

     ………これは思案のしどころだ。

  11. cocolo より:

    詳しくお話を聞けて、嬉しかったです!ありがとうございます。

    数年前、私はゴールウェイさんのリサイタルに病気療養中のため行けず、
    「今回は病気で行けないけれど、病気が治ったら私のフルートケースに
    あなたのサインをもらうのが夢です」というようなことを手紙に書いて送ったら、
    なんと・・・・ゴールウェイさん自らがケースをご購入の上、サインして私の元へ
    送ってくださったということがありました♪
    本当に心の温かい、人間として素晴らしい方だな~と思いました。

    あれ以来、ますますファンの私です(*゚ー゚*)

  12. すとん より:

    cocoloさん、いらっしゃいませ。

     心温まる逸話ですね。おそらく彼にとっては、そんな事は大した事ではないのでしょうが、それをサラっとやってしまうところが、彼の大きさなんでしょうね。私は今回、彼のマスタークラスを聴講して思ったのは、ゴールウェイという人は、単にフルートが巧みなだけでなく、フルートが好きで、フルートを演奏する人が好きで、そういう人たちを愛さずにはいられない人なんだろうなあって事です。おそらく、人生の中で色々な事を経験し、何度も修羅場をくぐってきた、最後の帰着点がこれなのかなあって思いました。

     ゴールウェイという人のウツワはかなり大きいです。そして、それが演奏にも現れている…ような気がします。

  13. 小実昌 より:

    いやー行かなくてもロハ(只)で要点がわかりました。下記はご参考です。
    1)「フルート奏者のようにフルートは吹いてはいけない。歌手が歌うようにフルートを吹きなさい。」
    私はフルート、クラリネット、トランペット、サックスを手がけました。(ものにはなりませんでしたが)。これはトランペットのアーバンの教則本でも書いてます。30年間くらい、歌手のように吹くのね、旋律は。と思っていましたが、全くの間違いであることをあるとき(大)発見しました。日本の歌手は知りませんが、あちらの歌手は声門を自由自在に開け閉めする能力を子供の頃から身に着けています。日本人はよほどの訓練をしないと無理です。喉が固くなってしまう地声になってます。よく、喉を開いてといいますが、あれは全く分かっていない教え方なんだそうで。でも、いまさら発声法を勉強することもできないしですねぇー。(声門は喉についているひらひらの筋肉です。)
    2)ランパルは天才です。ゴールウェイもベルリンにいたときに、自立するならランパルみたいになりたいが、無理だしなぁーと悩んだそうです。(練習なんか不要な人、僕やあなたとは違うのと言いたかったんでは。)お買いになった本に書いてあります。実は彼の一番好きなのは、ナガハラではなく、クーパーさんが彼のために作ってくれたフルートだそうで、クーパースケールについてもお買いになった本に書いてあります。
    今はドイツやウィーンではA=445Hz、日本はA=442Hz、アメリカはA=440Hz。違うので違う国で違うフルートを持っていかないといけない。
    (これ何とかなりませんかねえ。世界音楽協会でも作って統一してもらいたい。)
    3)和音でというのはどういうことでしょうか。ド・ミ・ソ、ラ・シ・ド、シ・ラ・レのように、分散和音を一音、一音吹いてそれぞれを合わすということではないでしょうか。吹く曲の中心となる音を基準にしてということでは。ピアノは平均律ですので、周波数が2の12乗根を1回ずつかけていけばオクターブである2倍になります。弦楽器のように純正律ではありませんので、あまり美しくはない。うまいフルート奏者はかなり純正律に近い音程で吹けるようです。それを念頭にということでは。
    4)リズムはメトロノームみたいに吹くのは厳禁です。子供のころからメトロノームを使いすぎると自由な演奏ができなくなってしまうので、禁止する先生もいるようです。速度を変えて吹くことをアゴーギグというんだそうですが。後と先があっていればいいのだそうで。でも、伴奏者もメトロノーム育ちではねぇ。ブラスバンドなんかは厳禁です。若いころから下手になることを約束したみたいなものです。とあるプロの人に言われました。(下手と合わせると下手が移る?)
    5)マルセル・モィーズのフルートは洋銀だったそうです。明るい音がします。今はキャットもベイビーも金をお好みなんですが、キャットに小判なので私はやめときます。重いし。
    いやー、勉強になりましたし、楽しいお話を読ませていただきました。
    6)追伸:サーという話も他の方から出ていました。ビートルズもサーです。サーにもいろいろあるのです。ゴールウェイはアイルランドの人で、ギャルウェイという地名がアイルランドにあります。

  14. すとん より:

    小実昌さん、いらっしゃいませ。

     まあ、この記事からでは、要点しか分からないのですけれどね。一番大きな学びは、彼の音を生で直接聞き、彼の演奏している姿を直に見た事です。そこで学んだ事は、さすがに言葉に出来ません。もちろん、録音録画にも残せません。直接、見聞きする事は、それなりに価値があると思います。

     もっとも、私の席からでは、ゴールウェイまで距離があった事がやや難でした。本当はレッスン室でマンツーマンで教えを請う事が出来れば、最高なんですがね。

     和音で…と言うのは、あの場にいれば、理屈抜きで分かります。分散和音に合わせるのではなく、マスとしての和音の上に乗せるんですよ。これは私の推察ですが、基底となる音程だけでなく、倍音までチューニングしなさいって事なんじゃないかと思います(間違った解釈かもしれませんけれど)。

     次はゴールウェイのマスタークラスではなく、本気のリサイタルを聞きたいかなって思っている私でした。たぶん、まだまだ多くのことが学べそうな気がするんですよ。

  15. わぉ より:

     初めまして。私は兵庫県在住でフルートの大好きな者です。ゴールウェイの公開レッスンを受けられたなんてうらやましい限りです。すとんさまがレッスン内容をアップしてくださったおかげで私も受講した気分になることができました。なかなかゴールウェイのレポートは手に入れるのが難しいので恩人様です。
    「フルート奏者のようにフルートは吹いてはいけない。歌手が歌うようにフルートを吹きなさい。」当たり前であってもなかなかできない事、忘れがちなことです。どうかフルートを学ぶお仲間になってやってください。情報もくださいませ、よろしくお願いします。

  16. すとん より:

    わぉさん、いらっしゃいませ。

     素人のオジサンが書き飛ばした記事が役になったのなら、うれしいです。

     実は私、このレッスンを見に行くまで(あまりに上手すぎて)ゴールウェイの事をあまり好んでいなかった(笑)のですが、このレッスン以降は、大ファンになりました。どうにも、人柄が良さそうな好々爺然としたお姿に参ってしまったみたいです。

     そう言えば私、最近、まともにフルート吹いてないや。やばいやばい(爆)。

タイトルとURLをコピーしました