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音程は捨てない(爆)[音源付き]

 フルートのレッスンに行ってきました。

 まずはいつも通り、音出しから。フルートという楽器の持つ特性~低音はより低く、高音はより高くなりがち~と言うこともあるのですが、とにかく、いつも第三オクターブの音程が悪い私ですが、ついに今回は先生も「これは見過ごせない」と思ったのか、ストップがかかりました。…多少の違いならともかく、今日は半音近く違う…のだそうです。そりゃあ、半音も違えば、止めるよね(笑)。

 しっかり耳を開いて演奏しましょうと言われました。ごもっともです。

 しかし、耳をいくら開いても、どうにもならない事ってあります。実は私の第三オクターブは、どうにも修正できないほど、音が違っている事があります。一応、正しい音程に戻そうと努力はしますが、どうにもならない時は…音程は捨てます(爆)。だって、第三オクターブなんて、めったに使わないじゃない。「合わない時は合わないんだ!」とか言ってお終いにします。

 合奏やるならともかく、一人で自宅でフルートの練習するなら、それでもいいじゃん。一人で自宅でフルートの練習するなら…ねえ。レッスンに来て、先生に見てもらうのに、音が合っていなかったら…そりゃあ、やっぱり、マズいか。

 フルートという楽器は、音程があんまりしっかりしている楽器ではありません。ましてや、奏者に音感がなければ、かなりボロボロな音程になってしまう楽器です。ま、それを修正するためには、吹きながら自分の音を聞いて、音を曲げて対応します。しかし、いくら音を曲げると言っても、それにも限界はあります。その限界を越えるほど違う時もあるわけで…そうなった時は………あきらめます(笑)。いや、だって、どうにもならないじゃない?

 で、今回のレッスンでは、音程がかなり違うのは自覚していましたし、音を曲げて対応しようとしたけれど、実際、違いすぎて、どうにもならなかったのです。それに第三オクターブは変だけれど、低中音はバッチリだったしね。まあ、それで良しにしちゃいました…が、やっぱりそうは許していただけませんでした。

 どうしても、第三オクターブが高すぎるのなら、全体のチューニングを低めにして、低音と高音の釣り合いを考えていきましょ…って事で、頭部管を少し多めに抜いてみました。

 今の寒い季節は、実は私、頭部管をほとんど抜きません。ほぼ奥まで入れております(ここがダメの原因?)。それで、そのまま吹くと、低中音は実にいい感じになります。しかし、全体のバランスを取るために、頭部管を少し(約3mmほど)抜いてみました。ここまで抜くと、低中音も音を曲げないとダメになりますが、全体を低めに設定しているため、第三オクターブは…やはりまだ高めですが、なんとか音曲げで対応できる範囲の高さに収まりました。

 低中音を楽して高音を捨てるか、面倒でも全部の音で調整をかけていくか、この二者択一になりました。…もちろん、全部の音で調整、を選びました。

 早く暖かくならないかな? とりあえず、しばらくは、この状態でフルートを吹いてみます。

 さて、曲の練習です。今回はセッションレッスンだったので、ポップス系の曲を吹いてみましたよ。

 1曲目は「Around the world/世界一周」です。元々は映画音楽だそうですが…もう立派なスタンダードナンバーですね。

 この曲、譜面を見ると、実に簡単そうなんですが、実際に演奏してみると、意外とちゃんと演奏するのは難しいです。その理由は、メロディの音域が狭いため、そのまま演奏すると、のっぺりしたつまらない演奏になってしまう事。中央Cの下のHが出るため、C管フルートの私にとっては、曲全体を1オクターブをあげて演奏しないといけないのですが、それをやっちゃうと、キンキンな曲になってしまう事。あと、三拍子だし、アウフタクトだし…ってところですか?

 ま、こういう曲は、曲の途中でオクターブの切り換えをして演奏するのが良いです。ところが、そのオクターブの切り換えのタイミングで下手を打ったり、オクターブの切り換えがスムーズに行かなかったり…とまあ、そんなつまらないところで苦戦しました。

 ピアノと合わせたり、フルートと合わせたりしました。今回の音源は、この曲を先生とフルート二本で合わせたバージョンををアップしてみました。

 2曲目は「Aloha oe/アロハ・オエ」です。ハワイアンの定番曲ですね。実は私、この曲をポップスバンドが演奏するのは聞いたことありますが、実際のハワイ民謡としての演奏って聞いた事がないのですが、だから、ハワイっぽい演奏というのが、今一つつかめませんでした。

 この曲も譜面的にはかなり簡単なんですが、だから、普通に吹くと、まるで子どものリコーダー演奏のようになってしまいます。もちろん、そんな演奏はダメダメでして、つまり、メロディーが単純な分だけ演奏が難しいって事です。

 フルートで吹くなら、メロディに色々と装飾音符をつけたり、リズムを揺らしたりが必要となります。それが難しいのです。例えば、メロディラインも半音下から入ってしゃくりあげるように吹き始めるとかっこいいけれど、それが難しい。と言うのも、私がやると『意図的に半音下から入ってメロディをしゃくり上げた』ようには聞こえず『半音下をミスブローして、あわてて半音上げて、正しい音にした』ように聞こえます。つまり、装飾音符をつけたつもりが、なんか失敗した演奏に聞こえるわけで、実に残念な演奏になってしまいます。…先生が吹くとカッコいいのに、私が吹くとカッコ悪いなあ~。ああ、残念。

 やはり、こういう簡単なメロディーだからこそ、テクニックの差がはっきり出てしまうようです。簡単な曲ほど難しいのです。この曲も、ピアノで合わせて、フルートで合わせてみました。

 3曲目は「Tie a yellow ribbon ‘round the ole oak tree/幸せの黄色いリボン」です。70年代のアメリカン・ポップスですね。実は私、この曲もオリジナルを知らず(笑)、なんと、若い日のアグスネ・チャンのカバーで知ってました。珍しいでしょ。

 こういう、ちゃんとしたポップス曲は、下手に手を加えずに、素直に楽譜通りに演奏するのが吉です。ただし、メロディは半音がバンバン出て来て、指がちょっと難しいですし、リズムがちょっぴり面倒くさいです。さらに、この曲もオリジナルは歌なので、メロディの音域が狭いので、フルートで吹くときは、やはり適当にオクターブの移動が必要です。曲想を考えると、かなり軽やかに吹かないとダメ。…とまあ、楽譜通りに演奏と言っても、色々と気を配らないといけないところは満載です。この曲は、先にフルートで合わせて、それからピアノで合わせたけれど、やはりポップスはピアノと合わせた方がいい感じですね。今回のレッスンはこんな感じでした。

 そうそう、先生のフルートが修理から戻ってきました。戻ってきてどうですか?と尋ねたところ、修理をしていた二カ月の間、だいぶ楽をしてしまいました…とおっしゃっていました。

 どういう事か言うと、先生のフルートは、H足部管付きフルートでして、修理に出している間、吹いていたフルートは、ことごとくC足部管付きフルートだったのですが、フルートって、C足部管付きフルートよりも、H足部管付きフルートの方が、吹くのにパワーがいるそうです。その理由を尋ねたところ、単純な話で、H足部管付きフルートの方がC足部管付きフルートよりも管体が約5cmほど長いため、その長い管体を振動させるためにパワーが必要なんだそうです。たった5cmだけれど、この5cmがなかなかの曲者だそうで、C足部管付きフルートの方が、圧倒的に吹いていて楽なんだそうです。へえー、知らなかったです。

 さてさて、音源演奏の解説をします。曲目は「Around the world/世界一周」です。フルート二本で演奏しています。当然ですが、メロディをボケーと吹いているのが私で、伴奏で細かい事をしているのが先生です。今回はメロディと伴奏の入れ代わりはしていません。

 今回、つくづく思ったのは、やはり二重奏を生かすも殺すも、伴奏パートを演奏する奏者次第なんだな…って事です。

 音源の中で、メロディを吹いているのは私です。特に変わった事をしているわけではありません。たまにオクターブ移動をしているくらいで、割と素直にメロディを吹いています。しかし、先生が吹く伴奏パートがオシャレなので、全体としていい感じに仕上がっています。実は、別のバージョンで、ほんの一部だけれど、私が伴奏を吹いている演奏もありますが…それはどうにも悲しい出来ですね。先生がメロディを吹いているので、ちょっと聞いた感じは華やかなんですが、やはり伴奏がショボいので、全体の印象としては、とても残念な感じになっちゃうんです。つまり、メロディではなく、伴奏の動きで、その演奏がステキなのか、ショボいのかが、判断されちゃうってわけで…。

 フルートの二重奏で、目立つのはもちろんメロディ担当者なのですが、演奏の善し悪しをキメてくれるのは、伴奏担当者ってわけです。

 たしかに、フルートの二重奏って、メロディよりも、往々にして伴奏の方が難しかったりするしね。フルート二重奏、奥が深いです。なかなか初心者の手に負えるものではありません。

 しかし…私はフルートの音を押しているなあ…。もっと、軽やかに吹けないものかしらね。それに演奏音もあまり美しくない。あ、演奏はこちらです。

 今回の録音は、ちょっとノイズが多めで申し訳ないです。録音レベルでミスって、かなり小さめに録音してしまったので、後処理で音量を上げてみたので、どうしてもノイズの音量も上がってしまいました。聞きづらい演奏が余計聞きづらくなっているみたいで…申し訳ありません。

コメント

  1. そら より:

    おはようございます。
    フルートの音源、ありがとうございます♪
    素敵な演奏ですね!

    フルートと声楽発声の「息遣い」って同じみたいな感じですね。
    輪郭がでる音質にするには息を絞り込む・・みたいな感じ。

    今日は、早速そのイメージで練習してみます。
    ありがとうございました!

  2. そら より:

    追伸です。
    そういう息遣いにすると自ずから軟口蓋がストレッチされますね!!

  3. すとん より:

    >そらさん

     演奏をお褒めいただき、感謝です。

     フルートと声楽の息遣いの件ですが、かなり似ている部分があると思いますし、私の場合は、無意識で共通したテクニックを流用(笑)しています。

     軟口蓋を上げて歌うのが声楽発声の基本ですが、フルートの場合でも、私は軟口蓋を上げたままで吹くようにしています。軟口蓋を上げていると、口の中の容量が増え、フルートの音も深みが出るような気がするからです。とは言え、軟口蓋を上げっぱなしにするのは、シンドイですし、どれだけの管楽器奏者の方々が、軟口蓋にまで注意して演奏しているかは不明です。

     元々の口の形もそれぞれで違うので、色々な事にトライして、自分の音色というのを作っていけばいいのではないかと思ってます。それにしても、軟口蓋のストレッチですか、確かに、ストレッチは大切です。私もがんばろっと。

  4. 水香 瑶妃 より:

    フルートの頭部管は3~5ミリ程度は予め抜いておかないとフルートとしての音にならないそうです。反対に抜く時は最大でも1センチが限界なんです。これを超えた範囲では音程がおかしいのは当たり前で、更に音色も変になる(要は倍音が変になる)ので、頭の片隅に置いておくと良いと思います(^_^)
    あと、オクターブで音程が変わってしまう(第2が正しいのに第が高いとか低いとか)のは、オクターブ上・下が同じ音という認識で吹いていないからだそうです。実際私も若干そうなるんですけど、違う音という認識だと、その音を吹くために口が変わってしまい、お腹の支えが甘くなる、という悪循環に陥ります。できてない私がいうのもあれなんですけど、少し意識してみると良いと思います
    冬場って音程で苦労しますが、お互いがんばりましょう

    音源、素敵でした
    伴奏が良し悪しを決めるかもしれませんが、良い伴奏についていけるだけの力量がなければ良いものにはなりませんし、すとんさんが着々と上手くなっていて、私もがんばらなくてはと思います

  5. すとん より:

    >水香瑶妃さん

     そうなんですよね…フルートの頭部管って、本来は3~5mm程度抜くんですよね。でも、冬場は寒いから(汗)、面倒くさくなって(ここがいけない!)全部入れちゃうんですよ。

     フルートって、本来は寒い寒いヨーロッパの楽器のはずなのに、全然冬仕様じゃないんだも~ん。ああ、早く、暖かくならないかな?

     夏でも冬でも、頭部管を3~5mm抜く癖をつけましょう。…面倒だけど(笑)。

    >オクターブ上・下が同じ音という認識で吹いていないからだそうです。

     これはとてもタイムリーなアドヴァイスです、感謝。たしかにそうかもしれない。特に第三オクターブの音は“特別な音”という意識があり、ついつい身構えてしまうのがいけないのかもしれません。気持ちとか感情とか認識って大切ですね。「オクターブが変わっても、同じ音は同じ音」、肝に命じていきたいと思います。

  6. そら より:

    >軟口蓋を上げっぱなしにするのは、シンドイです

    よね!!声帯を通過してきた下半身からの息が軟口蓋を突き上げるイメージだと身体とつながる感じがします。
    オクターブは、歌う時も高低音のポジションは変わらないといいますよね。私は、低音の方が息の支えが大変で、フカフカになりそうになります。すとんさんを見習って私もがんばります!!

    ほんとは、すとんさん達の歌劇団にも凄く興味があるのですが、福岡在住の為残念です(泣)

  7. すとん より:

    >そらさん

     さすがに福岡から湘南までは、通えないでしょう(笑)。

     そうそう、軟口蓋はくせ者です。こいつのおかげで私は疲労困憊になるんですから。でも、こいつの収まり方一つで、声が激変しますから、馬鹿にしちゃいけません。

     小さなことをきちんとやれないと、大きな事を確実に行うことは難しいです。だから、軟口蓋一つでも気を配ってやんないとダメですね。

  8. そら より:

    今日練習していて感じたのですが、「声帯を通過してきた下半身からの息が軟口蓋を突き上げるイメージ」は、私の場合2点♯ドあたりから少し後ろ上側に引くような(でも吐く力もきっと必要なのでしょう)発声しないと薄っぺらい声になるみたいです。

    人の歌い癖はそれぞれなので一概には言えないと思いますが・・・。

  9. すとん より:

    >そらさん

     発声の感覚は人それぞれでおもしろいなあと思います。私は今、なるべく息を使わないように歌っていますので「突き上げる~」はありませんが、ある所(私の場合はFisとかGとか)からは、あきらかに感覚が違ってきますね。おそらく、そのあたりが、チェンジとかパッサージョとか、まあ、そういう箇所なんだろうと思います。そこをうまく越えるのが難しいのです。それこそ、失敗すると、声が出なかったり、出ても苦しげだったり、薄っぺらになったりするわけで…。

     そんなになっても、楽器のせいにできないのがつらいですね。フルートだったら、即、調整ですよ(笑)。

  10. たかさん より:

    フルート、
    モグモグふうふう、
    何に吹いてるかよく分からないですね。
    はっきり言って、迷惑です。

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