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指が見えない問題と声楽

 私にも覚えがありますが、楽器の初心者って、自分の指を見ながら演奏するものです。おそらく、自分の指が自分の思い通りに動いているのか、あるいは自分の思い通りに動いている事を確認しているのか…自分でも定かではありませんが、とにかく楽器初心者は自分の指を見ながら演奏するものです。

 だから自分の指が見えないことに不安を感じるのです。

 ある程度、楽器に習熟してしまえば、自分の指なんて見なくなるものですが(笑)。

 これはおそらく、自分の指のコントロールに自信がないのでしょう。だから、いちいち自分の指の動きとか位置とかを目視で確認しないとダメだし、確認せずに演奏すると、十中八九失敗してしまうのです。

 でも練習を重ねていくうちに、指の神経と自分の感覚がつながってきて、やがて無意識に指の動きや位置を認識できるようになり、思い通りに指を動かして演奏できるようになります。

 もっとも、そうでないと、まともに楽器なんて演奏できるわけないんです。

 初心者の時に、自分の指を見て、ひとつひとつ確認して、正しい運指やフォームをカラダに刻み込んでいく…この過程が楽器の習得には必要なんだと思うわけです。

 で、それができないのが歌なんだと思います。

 歌で使っている楽器って、声帯(ノド)じゃないですか? でも声帯は目で見えません。どう動かすのが正解なのかは、目では確認できません。だから自分の感覚だけで、五里霧中状態で歌の練習をするわけです。

 だから歌の上達には、まずセンス(才能)が必要なんだと思います。センスある人なら、五里霧中の中でも正しい感覚を選び取って歌の上達が可能です。センスがない人は…いつまでも五里霧中のまま、ずっと迷ったまま、堂々巡りの中で練習を重ねて、ちっとも上達なんてしないわけです。

 そうなってくると、指導者が必要となります。だって自分じゃあ何をやっているのか全然分からないのですから。正しい道を示してくれる指導者が必要になります。楽器なら、正しい運指を目で確認することができますが、歌は正しい運指(?)を自分で確認できないのですから、他人(指導者)によって正しい事(あるいは間違っている事)を確認してもらい、正しい方向を示してもらわないと、全く進めないわけです。

 そこが歌の上達の難しいところだと思います。

 要は歌の上達にはセンスが必要であって、センスのない人間には歌の上達なんて、そもそも無理な話なわけです。しかし、センスが無くても、指導者次第では、センスの足りない分を努力で補えるかもしれないわけで…そういう意味では、歌は楽器ほど、独学での習得は難しいのではないでしょうか?

 歌なんて誰でも歌える…と安易に考えがちですが、きちんと歌うのは、かなり難しいのは、歌を学び始めると分かります。ですから、歌の方が楽器よりもずっと簡単そうに思えますが、案外そうではない…と私は思うのです。

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