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ネモリーノ、入って来て~

 …と言われて、レッスン室に入りました。はい、声楽のレッスンに行ってきたんです。部屋に入るなり「話し声のポジションが低いですねえ…」とご指摘を受けました。自分では大丈夫と思ってましたが、まだノドのダメージが回復していないみたいです。話し声に関しても、なるべく普段から高いポジションの声で話せるように、心掛けていきたいと思います。

 さて、今回のレッスンから、6月の発表会に向けての準備になりました。私が歌うのは二重唱の「Una Palora O Adina/一言だけでも、おおアディーナよ」と、アリアの「Una furtiva lagrima/人知れぬ涙」の二曲です。ドニゼッティ作曲の「愛の妙薬」の主人公、ネモリーノが歌う曲です。

 一応、宿題の「コンコーネ」も三曲予習してきた(譜読み、大変でした…)のですが、そっちに触れることは全く無く、さっそくのネモリーノです。

 発声練習も何もせず、まずは二重唱のテキストを読む事から。

 頭から読んで、かなりの数の発音を直されて…。テンポを示されて(かなり早いです)、今回の二重唱の練習は終わり。次回までにしっかりとテキストを読み込んでおく事。ペラペラになるまで読んでくるように言われました(汗)。うひゃー、大変。

 この二重唱、前半にたっぷりとレチタティーヴォがあります。レチタティーヴォって、五線に書かれたセリフで、主にオペラの芝居部分を進行させるための歌でして、歌う半分、語る半分って感じの歌です。歌の声でセリフを言う…って感じかな? だから、歌いながら語り、語りながら歌う、みたいな感じなので、日常生活で使っている話し言葉を少しずつ、歌声にシフトしていくといい感じになりそうです。ま、本番までに、どれくらいシフトできるかは分からないけれど、歌声で話せるようになると、これらのレチタティーヴォもだいぶ楽に歌えると思うんです。

 歌手の人たちの話し声が美しいのだって、彼らは結構、話し声の中に歌声の要素を交えて話しているから美しいんだよね。いよいよ、私も、あの線を狙っていかないといけないのでしょうね。ファイト。

 残った時間でアリアの練習です。アリアは「まずは、歌ってみようか~」というわけで、いきなり歌いました(テノールなら知ってて当然という名曲なので、歌詞の読み合わせとか、音取りとかは、不要なんですね)。もちろん、撃沈ですが…まあ、あと半年あれば、どうにかなるか、ならないか…微妙な線です。

 カデンツァの部分をひとまず、口移しで教わりました。ちなみに、私が歌うカデンツァはCDなどでよく聞くアレと同じです。ちなみにこのカデンツァの最高音はAだそうです…。私の音域の外じゃん(汗)。Asだって無理だけど、Aは絶対無理よ。…つまり、あと半年で音域を半音広げないといけないわけだ…。

 とにかく、カデンツァの部分は、リコルディ社から出ている「リッチのカデンツァ集」を参考にすると良いそうなので、今度機会があったら、銀座に行って、リッチのカデンツァ集を見てみます(たぶん、買っちゃうかな?)。

 とにかく、この手のアリアは、往年の名歌手の歌をマネしましょうと言われました。先生のお勧めはウンダーリヒです。で、さっそくググってみましたが、彼はドイツ人なので、ドイツ語歌唱のヴァージョンしか見つかりません。ううむ、イタリア語で歌っていないと、わたしゃ、ドイツ語の歌詞で憶えっちゃうじゃん。…残念ながら、ウンダーリヒは却下です。

 じゃあ代わりは…と言っても、私の大好きな、デル・モナコとか、ドミンゴとか、カルーソとか、ジーリとかじゃ、声が重いので、参考にならないのよねえ…。と言うか、彼らのマネをして歌うと、絶対にノド壊すし(涙)。

 …となると、パヴァロッティとか、タリアヴィーニあたりをお手本にするべきかな? それと、前回のレッスン記事に貼り付けたフローレンスは、若手だけど、今っぽい歌い方だし、なかなかいい線いっていると思います。この三人あたりを参考にして、いいトコ取りでマネをしてみよう。もちろん、一番いいお手本はキング先生ご自身の歌唱だけど…ね。

 それにしても、今回の発表会のために、銀座に行って、イタリアのリコルディ社の「愛の妙薬」のヴォーカル譜(全曲)を購入した私です。だけど、こんな楽譜、初心者が買うわけないよね。本当の声楽初心者なら、たとえ発表会と言えども、普通に町の楽器屋で売っている日本の出版社の楽譜で十分だもの。

 それを銀座まで出かけ、オペラの全曲譜じゃないと載っていない二重唱を歌うなんて、やはり、もはや、私は声楽の初心者じゃないんだろうなあ。少なくとも、本当の初心者から見れば、リコルディ社の譜面を持っている段階で「この人、初心者じゃない」って言われそう…。だって、ドミンゴやパヴァロッティやカレーラス、いやいや、世界中の歌劇場で活躍している一流テノールと全く同じ楽譜を使って、私も歌うんだよね。譜面だけなら“プロ並”(笑)だから…。うん、やっぱ、すごいよ、初心者じゃないかも。

 それに「愛の妙薬」のテノールパートの楽譜を見ると、すごく細かい譜だし、音も結構高いし…。去年の今頃なら「これ、絶対に無理!」って断言しちゃってましたよ。それが、今は「大変だし、博打モノだけど、頑張ってなんとかしたい」って、思えるもんだものなあ…。いやあ、進歩したんだなあ、私。

 ゆっくりだけど、着実に前に進んでいるなあ。いやあ、我ながら、良く頑張った。この勢いで「愛の妙薬」も自分のものにしていきたいです。

 今回、二重唱もアリアも、なかなかハードルが高い曲ですが、きっと、この二曲は、とても良い勉強になると思います。歌劇団で「木綿のハンカチーフ」を歌って、次のステージに駒を進めた私です。きっと、この二曲を歌うことで、また次のステージに駒を進めることができるのだろうなあ。なんか、ワクワクしちゃいます。

 さあ、これから半年、ドニゼッティ漬けの、愛の妙薬漬けです。大変だけど、楽しそうです。頑張っていこうっと。

コメント

  1. Sonore より:

    愛の妙薬漬けの日々、いいですねぇ。

    カルーソー、ジーリが重いという表現、なるほどそうなのかぁと勉強になりました。
    もう少しリリコな感じ?
    スキーパも程度の差なのかなぁ。

    http://www.youtube.com/watch?v=4LgQw_AYddg

    僕はなんと言ってもGeorges Thill(ジョルジュ・ティル)が大好きなのでYoutubeを探したのですが見つからない、録音されなかったのかな?
    まあ、あったとしてフランス語ですが。(笑)

    代わりにティルの先生である、ルチアのが見つかりました。

    http://www.youtube.com/watch?v=_z7_uok7hNg

  2. すとん より:

    >Sonoreさん

     「人知れぬ涙」そのものは、すべてのテノールの必須レパートリーですから、どんな声の人でも歌いますが、作曲者であるドニゼッティは、いわゆる“ベルカント・オペラ”の人ですから、いわゆる『軽くてキレイな声』を想定して作曲したのだと思われます。また、私自身の声が、かなり軽いので(キレイかどうかは、はなはだ疑問)、そんなわけで、お手本としては、やはり、軽めの声の人を求めるわけです。

     スキーパは軽いですねえ…たまたまでしょうが、リンクされた画像での歌い方だと、ちょっと発声的な問題を抱えているようで、マネをしたら、こっちも壊れてしまいそうですが、もう少し、響きと深みのある声で歌ってくれたら、いいお手本になったと思います。

     ルチアというテノール歌手は知りませんでした。いい、勉強になりました。感謝です。しかし、自由な歌まわしをする歌手さんですね。実に参考になります。私もちょっとマネしてみようかな? しかし、この方の声も、かなり重いですね。しかし、テノールはやはり重い声の方が人気が出るみたいですから、一流歌手の歌唱はたいてい重いのです。これは仕方がないです。

     私は声が軽いので、重い声の人の歌う方をマネすると、ノドが壊れてしまうので、マネをするにしても、マネをする相手を選ばないと、大変な事になります。

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