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歌の前に演技…かな?

 声楽のレッスンに行ってきました。体調は、一時期のどん底状態から、回復してきました。風邪の諸症状はほぼ治ったけれど、体力の方までは戻っていないので、レッスンに行った時は、すでに仕事でヘロヘロでした。もう眠くて眠くて…。歌ったまま寝ちゃいそうなくらい眠かったです。

 そう言えば、以前、フルートのレッスン中にフルート吹きながら寝たこと、あったなあ…。

 私が病み上がり&ネムネム状態だったから…かどうかは分からないけれど、今回のレッスンは、一切、ピアノも歌も無しで、ひたすら歌詞読みをしました。いや“歌詞を読む”と言うよりも、語る、しゃべる、演ずる、その手の練習をしました。

 まずは、アリアの歌詞をイタリア語として読んでみてくださいと言われました。…実はこれ、苦手なんだよねえ。もちろん、アリアの歌詞は暗譜できてますし、歌うことはできます。歌から音程を取っ払って、リズム読みするのだってOK。でも、リズム読みから、リズムを取っ払って、普通の言葉として読めと言われると、途端に言葉に詰まるようになります。

 つまり、私の場合、曲のリズムがまず合って、そのリズムの上に歌詞の音が乗っている状態なわけです。つまり「タン、タン、タン、ターンタタン…」というリズムを「タン」じゃなくて「ウ・ナ・フル・ティーバ…」という音を乗せて言っているだけの話で、正直、歌詞はほぼ呪文状態なんです。もちろん歌詞の意味は調べてあるし、翻訳もきちんと自分でしてあるから、先生から「そこの歌詞の意味はどういう意味?」と聞かれれば、即答できますが…、歌詞が普通の言葉としては、自分の中に入っていないから、普通に歌詞をしゃべろと言われると、とても難しいのです。

 ましてや、その歌詞を朗読するのではなく、感情をこめて芝居の言葉としてしゃべってみてくださいと言われたら…もうお手上げです。

 なので、今回はその練習をレッスンでしました。

 まず第一段階として、歌詞の日本語訳を、感情をこめてしゃべってみる。この段階で、早くもつまづきました。と言うのも、私が日本語訳をしゃべってみると、どうしてもセリフ調ではなく、朗読調になっちゃいます。感情が入らずに、極めてクールになっちゃうんですよね。

 私、朗読はもちろん得意ですが、戯曲の本合わせも、結構イケるクチなので、こういうのは本来、スラスラできるはずなのですが、なんかうまくいかない。キング先生も「すとんさんにしちゃあ、ウマくいかないですねえ」とおっしゃるほど…。

 何回か試行錯誤してみた結果、どうやら、私の翻訳が直訳に近い上に冷静に翻訳されているところに問題があるらしいという事になりました。なので、このアリアの歌詞を、元の歌詞から多少離れてもいいから、一人称のセリフとして訳し直し、それを芝居のセリフとして言えるようにして来ましょうという宿題が出ました。

 で、それはそれとしてやる事にして、第二段階の練習に入りました。

 この段階では、アリアの歌詞を棒読みにできる事を目指します。つまり、歌のリズムを取っ払って、イタリア語として自然なリズムとイントネーションでスラスラと言えるように練習するのです。まるで英会話の授業で、外人先生が模範朗読をするような感じでスラスラと…ね。

 これが実は難しい。先生に何度も直されながら、やりましたよ。口が回らないところは、そこだけ取り出して練習したりしました。おかげさまで、1番の歌詞が普通のセリフとして暗記できました(セリフは暗記が基本です)。

 レッスン時間的には、これで終了です。次の第三段階の練習は宿題になりました。

 第三段階の練習は、アリアの歌詞を芝居のセリフとして感情を込めて言える事。これは、第一段階で会得した芝居心に、第二段階でまわるようになったイタリア語のセリフを乗せて、一度、自分のカラダに入れてたセリフを出してみるという練習。もちろん、アリアの1番だけでなく、当然、2番もできるようにしてくる事。さらに言うと、アリアのみならず、二重唱も同様にやってくる事。

 …結構大変です。分量あります。へこたれるかもしれません。

 そういう顔をしたら、先生から、次のレッスンまで、一切歌わなくていいから、ひたすらこのセリフの練習だけをやってくるように言われました。へへへ“歌わなくていいから”って、歌わない練習って、とってもつまらないんですけれど(涙)。

 まあ、ちょっと、アクートで行き詰まっているので、しばらく声を出さないのも、変な癖を消すという意味では、良い練習かもしれません。しばらく歌わずに、歌詞読みに専念するかな。

 ええと、以下は、そんなわけで、元の歌詞から多少離れた、セリフ版の「人知れぬ涙」の訳を掲載しておきます。

 まず考えたのは、ネモリーノの一人称をどうするか? ネモリーノって若いんですよね。おそらく、現在なら中学~高校生くらいの年令かも。おまけに、多少頭が弱いので、幼稚で精神的に幼いでしょうね。ならば…やっぱり「ボク」かな? きっと語彙も貧困だろうけれど、そこまでリアルを追求すると、訳せないので、語彙は多少オッサンくさくしないとダメだろうなあ…というわけで、セリフ版の翻訳(歌詞から多少離れてます)を掲載しておきますね。ちゃんとした翻訳は、いずれアップするかもしれませんが(笑)。

Una furtiva lagrima/人知れぬ涙(すとん訳)
 
 
Una furtiva lagrima
ボクは見たんだ。

negl’occhi suoi spunto:
君が物陰で泣いていたんだよ。

Quelle festose giovani
女の子たちに囲まれてモテモテだったボクを見て

invidiar sembro.
君はあそこで泣いていたんだ。
 
 
Che piu cercando io vo?
やったよ、そうさ、ボクはやったんだ。

Che piu cercando io vo?
これなら、愛の妙薬を手に入れた甲斐があったって事さ。
 
 
M’ama! Si, m’ama,
やったね、ネモリーノ、万歳、ネモリーノ

lo vedo. Lo vedo.
これで君はボクのモノだ。
 
 
 
Un solo instante i palpiti
君の涙を見た途端、

del suo bel cor sentir!
ボクの胸が、キュンって鳴ったんだ。

I miei sospir, confondere
ボクの“好き”っていう気持ちと、

per poco a’ suoi sospir!
君の“好き”っていう気持ちが、今一つになったんだ

I palpiti, i palpiti sentir,
ドキドキする。胸が熱くなってくる。

confondere i miei coi suoi sospir…
ボクの“好き”と君の“好き”が一つになったんだ…。
 
 
Cielo! Si puo morir!
ああ! どうなってもかまわないさ。

Di piu non chiedo, non chiedo.
君がボクのモノになったんだ、もう、何も怖くないさ。
 
 
Ah, cielo! Si puo! Si, puo morir!
ああ、たとえ今、世界が終わったとして、かまわないさ。

Di piu non chiedo, non chiedo.
だって、君がボクのモノになったんだもの

Si puo morire! Si puo morir d’amor.
君がボクを愛している…だから、もう、なにがどうなったって、かまわないんだ。

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