いつも、この時期になって、ニュースを見るたびに思うのですよ。
「なぜ、豪雪地帯なのに、そこに住み続けるの?」
だって、毎年、屋根の雪下ろし大変でしょう。道の雪かきだって大変でしょう。車のタイヤだって冬用に変えないといけないわけで面倒でしょう。雪に閉じ込められる生活って不便でしょう。気軽に外に出歩けない生活もイヤでしょう。何と言っても、寒いでしょう。
何をどう考えても、冬の豪雪地帯に住み続ける事に利点を見出す事はできません。
雪が降らない地方に住めば、雪下ろしなどの面倒な事はしなくていいし、道はいつでも通れるし、車のタイヤだって変えずに済むし、家に閉じ込められることもなく、どこにだって気軽に出かけられます。それに、冷凍庫の中で暮らすような寒さなんて我慢ずる事、無いんです。
なんであれ、寒いのは危険です。危険を回避して暮らした方が良いでしょう。
…と思うのです。なぜ彼らは、冬でも暖かい地方に引っ越さないのかな?
もちろん、土地に縛られて生活している人たち(主に第一次産業従事者)の方は、引っ越す事で生活の糧を失うわけだから、そんなに安易に土地を離れることはできないでしょう。でも、そうではない職業の人たちだって大勢いる訳で、なぜそういう人たちは、土地を離れないのでしょうか? ああ、分からない、分からない。
…と「分からない」を10回くらい繰り返したところで、私も他人の事を言えないなあ…って思いました。
日本は地震国です。私が住んでいる湘南地方は、雪はほとんど降りませんが、自然災害の危険はかなり高いです。相模トラフ地震や南海トラフ地震、またそれらの地震に起因する津波被害は、いつやってくるか分からないし、やってきたら、それでアウトです。また近くには富士山がありますが、富士山は活火山なので、いつ大噴火するか分からないし、したらアウトです。
なんだ、豪雪地帯の心配ばかりしていたけれど、地震や津波や火山活動の心配をすれば、程度や頻度の差はあれ、私もやっぱり危険で厄介な土地に住んでいるわけです。それこそ、地震も津波もないような地域(おそらく外国になるでしょうね)の人から見れば「そんな危ない土地にどうして住んでいるんだ?」と言われても不思議はないと思いました。
では、なぜそんな危ない土地に住み続けているのか? ぶっきらぼうに言ってしまえば「惰性で住んでいる」わけだし、言葉を飾って言えば「その土地が好きだから」「郷土愛があるから」と言います。つまり、これと言った大きな理由はないけれど、土地や地域に愛着があるから、頭では危険だと分かっていても、心ではその土地から離れられないのだと思いました。
あと、頭では「危険だ」と思っていても、どこかで「大丈夫」とたかをくくっている私もいます。
おそらく、豪雪地帯に住んでいる人も似たような感じなのかもしれません。「雪で大変」とは分かっているけれど「(何とかなっているから)大丈夫」と思っているんだろうし、「先祖代々…」という言葉で、その先を深く考えずに住んでいるのでしょう。それはきれいな言葉で言えば、やっぱり「郷土愛」なのかもしれません。
多少危険で面倒な土地であっても、先祖代々…は言い過ぎでも、長く生活した、住み慣れた土地に暮らし続けたいと思うんですよね。
私も年を取って、そう思うようになりました。引っ越すのは、なんかイヤだよね。
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