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2024 劇団四季の「ジーザス・クライスト・スーパースター」見てきた

 地元のホールでの上演でした。老犬ブログを検索すると、10年前にも、同じ場所で同じ演目を見ている私です。その時は、すごく感激して、饒舌な記事を書いていました。

 10年経って、年齢を重ねて、再び同じ演目を見てきたわけですが、今回はあの時ほど感激しているわけではありません。今回は、その話をしたいと思います。

 まず、なぜそんなに感激していないのかと言うと、ぶっちゃけ、今回の私の座席が良くなかったからです。10年前は、本来ならばオケピがあるような、舞台の真上面のごくごく近いところからの観劇で、役者さんの演技もはっきり見えていたのですが、今回の座席は、ホールの後ろから3列目で右端から2番目という、後ろの隅っこの席だったのです。でもこれでも一応前回同様のS席なんだよ。

 同じS席でも、こんなに違っていたのです。

 今回の座席は、舞台全体がよく見えました。でも役者はよく見えませんでした。あまりに遠くて、人が米粒のようです。もちろん顔なんて見えません。もっと言うと、出演者の誰が誰なのかの区別もつきません。メイクの違いは全く見えませんし、衣装も違うのでしょうが、これも遠すぎて、ほんと、よく分かりません。男女の違いすら分かりません。

 まあ、ユダヤ人たちとカヤパたちとヘロデたちの違いは、衣装が極端に違うので分かったけれど、分かるのはこの3種類の違いで、ジーザスとユダ(このミュージカルの主役たち)の違いなんて、全然分からないのよ。それくらい、よく見えません。

 声は聞こえました。だってミュージカルだもの、音声はマイクで拡声されているからね。でも誰が歌っているのか分かりません。舞台に1人しかいなければ「彼が歌っているのだな」と分かりますが、二人以上いたら、どっちが歌っているのか全然分かりません。

 ミュージカルって、歌と踊りと演技の3つが渾然一体となって感動を生み出すものです。そのうちの、踊りと演技がロクに見えないんだもの、歌しか聞こえないんだもの。魅力半減どころか2/3減だよね。つまり、どう転んでも面白いわけないのよ。

 これだけ何も分からなければ、目をつぶっていても同じことです。サントラ盤を聞いているようなものです。観劇の意味は、どれだけあるのでしょうか? それくらい、どこに座るのかって大切だなって思いました。

 実は、こんなに悪い席に座るなんて、ほぼ初めてです。なぜそうなったのかと言うと…今回の公演、地元に向けての宣伝が皆無だったので、私、すぐに気づかなかったんですよ。で、私が気づいた時には、チケットはだいぶ売れてしまって、もうそんな席しか残っていなかったわけです。まあ、地元で劇団四季の公演があれば、宣伝しなくても、売れてしまうからね。宣伝するだけ無駄だからね、うん、主催者の気持ち、よく分かるよ、宣伝費って馬鹿にならないからね。分かるんだけれど…なんか悔しい。

 そんなわけで、普段なら絶対には座らないような座席での観劇になってしまったわけだけれど、いやあ、席がこんなに悪いだけで、こんなに劣悪な観劇環境になってしまうとは、私、思いもしませんでした。いやあ、座席、大切です。

 正直、チケット代金に見合いません。いかなきゃ良かった。

 今回、座席もアレだったけれど、演者さんのレベルが…ねえ、10年前とは、かなり違いました。最近でも、劇団四季の東京での公演は見ていて、特に危惧していなかったのですが、さすがに地方巡業になると、どうなんですか? 演技は見えなかったので、何も言えませんが、歌はよく聞こえましたよ。数名、残念な方がいらっしゃいました。具体的に書いてしまうと、個人へのヘイトになってしまうので、はっきり書きませんし、このミュージカルの歌唱パートの難しさは理解していますが、それでも残念は残念です。

 この「ジーザス・クライスト・スーパースター」というミュージカルは、普通のミュージカル発声の歌手であったり、クラシカルな発声の歌手には、手に負えない特殊なジャンルのミュージカル(ハードロック的なシャウトができる歌手が求められています)であって、それゆえに、そういう発声ができる歌手を役者として採用しないとダメだし、10年前はそれが出来る人が歌っていたのだけれど、今回はジャンルの違う歌手さんが歌っていて、実に残念でした。

 ミスキャストなのかな? それとも人材不足? まさか「地方巡業だから、これでいいや」とか思ったのかな? だとしたら、地方舐めすぎだよね。

 もっとも、ミュージカル俳優さんの歌だけを取り出したら、そりゃあ色々言いたくもなるものです。彼らだって、歌だけを取り上げて、ああだこうだと言われたくないでしょうね。歌も芝居も踊りもやってことそのミュージカル俳優だもの。歌だけなら、オペラ歌手にはかないません。でもお客さんって残酷だから、ついつい超一流の歌手たちと比較しちゃうんだよね。そうなれば…残念にしか聞こえませんよ。私の場合は、無意識に、2012年のイギリス・アリーナ・ツアー版と比較しちゃうんだよねえ…。

 今回は、私自身があまり盛り上がらなかったので、冷静でいられたため、周囲の人達の声がよく聞こえました。曰く「ストーリーが全く分からない(まあ、このミュージカルは、そもそもキリスト教の信者の方以外には理解でぎないストーリーなんだよね)」、曰く「何をやっているのか分からない(演技に関して言えば、私も同意見です。ここからじゃあ何も見えないよね)」、曰く「つまらない(いやいや、もっと前で見られれば決してそんな事はないよ)」「なんか長くて退屈だ(全部で2時間もしないわけで、映画並みの長さだよ)」

 まあ、後ろの隅っこの席だったので、そもそも見に来ているお客さんたちの熱量が低いのもあるでしょうね。熱心な方は、こんな席に座らないからね。

 座る座席が違うと、こんなに感想が変わるという話です。やっぱり座席は大切だよね。それと、あまり大きなホールでミュージカルなんて上演するもんじゃないね。あと、良くない席しか残っていなかったら、いっそ見に行かないという勇気を持つことも大切だと思いました。本当はすごく楽しいミュージカル体験ができるはずだっただけに、残念残念、ほんと、残念。

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