その翌日の5月4日になっても、妻の体調不良は回復しなかったので、この日もまたビデオ三昧となりました。
この日は、世界文化社の「DVD決定盤オペラ名作鑑賞」の「トゥーランドット」の巻に入っている2つの公演を見ました。つまり、トゥーランドット三昧になったのです。
最初に見たのが、カレーラスとマルトンによる、1983年のウィーン国立歌劇場版です。当然ですが、アルファーノ版による演奏です。オーソドックスで、普通に良かったです。やはり、マルトンのトゥーランドットにはハズレがないですね。
次に見たのが、1958年にイタリアRAIで放送された、スタジオライブ版の「トゥーランドット」で、こちらはコレッリがカラフを歌っていました。昔のテレビ放送なので、白黒で荒い画面で、音声も悪いし、いかにも低予算な演出ですが、これはこれで実に興味深かかったです。
なんで、こんなに「トゥーランドット」な日々を過ごしていたのかと言うと…。
その翌日の5月5日は、町田イタリア歌劇団の「トゥーランドット」公演を観に行ったからです。つまり、そのための予習をしていたわけなのです。
さて、5月5日の私ですが、ここは全席自由なので、早めに行かないと良い席に座れないので、開場時間よりもたいぶ早めに町田に向かいました。
藤沢経由で小田急線に乗って町田に向かいました。早めの昼食(生姜焼き定食)を食べて、会場入りです。会場の町田市民フォーラムは…冷暖房が壊れていました。暑い暑い。ここは公共施設なのですが、東京都(または町田市)って、公共施設の冷暖房が壊れたまま放置して営業しちゃうほど、経済がヤバいのかしら?と思いました。普通、ありえないよな。一体税金を何に使っているのかしら?
ここはオペラの生公演を安価なチケット代で魅せてくれる、ありがたい歌劇団です。なにしろ3000円ですからね。映画であるメトのライブビューイングよりも安い(メトは通常3700円です)ので、どれくらい安価か分かるものです。
低予算上演ですから、あれこれ行き届かない部分とか物足りない面も多々あるわけだけれど、それに文句を言っても仕方ないです。それよりも素晴らしかった事を書きましょう。
まず、カラフを歌った松岡幸汰さんが、めっちゃスゴかった。良いテノールです。とにかく、声が素晴らしいのです。昭和音大が海老名でグループレッスンをしているそうなのですが、この方はそこの講師をやられているそうです。レッスンの時間は…当然、私は仕事をしている時間なので、習いに行けませんが、もしも仕事と被っていなければ、習いに行っちゃったかもしれないほど、惚れました。
主役のトゥーランドットを歌った宮川典子さんもビックリするくらいにスゴかったです。なので、フィーナーレのトゥーランドットとカラフの二重唱なんて、鳥肌ものの名演でした。これが3000円で聞けるなんて、良いGWでした。
上手い…とは違いますが、皇帝を歌った木原俊夫さんが素晴らしかったです。まるでダライ・ラマ?って感じで、見事に役にハマっていました。ちなみにこの方はアマチュアさんですが、キャスティングの妙だと思いました。
とにかく町田イタリア歌劇団は、頑張っている歌劇団です。次の公演にも行こう、チケットを買って帰ろうと思っていたのですか、まだ次の公演は発表になっていませんでした。残念。前回のドン・カルロ公演の時に、知り合いさんが出演したので、それを見に行った時に今回の情報を入手できて、つながったのですが、地元の歌劇団ってわけでもないし、知り合いの歌手さんが出演するわけでもなければ、情報もなかなか入手できませんから、次を見に行くのは難しいですよね。
町田イタリア歌劇団さん、さようなら。
実際、知り合いが出演して「ここの歌劇団は素晴らしいなあ」と思っても、次の公演の情報が入手出来ずに、そのまま縁が切れてしまったところって、たくさんあるからね。情報の切れ目が縁の切れ目なのです。
結局、日本のオペラ公演って、宣伝下手の宣伝不足だよね。そういう知り合い経由でもなけれは、なかなか公演情報すら手に入らないわけで、そこがオペラ普及を妨げる要因のひとつでもあると思うんだよね。
今いるファンだって、みんなお年寄りなんだから、10年後、20年後は、この人たちはいないんだよ。だから、いつもいつだって、新しいファンを育てていかないとダメなんだし、そのために常に情報を発信し続けないといけないのだけれど、オペラ業界の人たちは、この事が分かっているのかな? 劇団四季を見習わないとヤバいよ。
↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村
コメント