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区民オペラで、仮面舞踏会を見てきた

 先日、新宿文化センターで行われた、新宿区民オペラでヴェルディ作曲の「仮面舞踏会」を見てきました。2日に渡って行われたのですが、私は初日の方を見てきました。

 キャスト・スタッフは以下の通りです。

指揮:米津俊広
演出:園江治

リッカルド提督:小野弘晴(テノール)
アメーリア:福田祥子(ソプラノ)
レナート:野村光洋(バリトン)
オスカル:森朋子(ソプラノ)
ウルリカ:飯島由利江(メゾソプラノ)

 新宿文化センターに行くのは、今回で2度目です。最初に行った時は、湘南新宿ラインで新宿駅まで行き、そこから徒歩で向かいました。だいぶ遠い上に道が分かりづらかったです。今回は、渋谷の再開発後だったので、上野東京ラインで横浜まで行って、横浜で東横線に乗り換えて東新宿で降りました。東新宿から文化センターは徒歩5分くらいで楽勝でした。東横線が延長して、かなり便利になったわけです。

 オペラそのものは、歌唱面が実に充実していました。特にリッカルドを歌った小野さんは、ホント、すごかったです。憧れてしまいます。その他のソリストさんたちも実に良かったですよ。日本のオペラ歌手の水準の高さを感じました。

 でもまあ…そうは言っても区民オペラでした。チケット代が格安なのはうれしいのですが、そのしわ寄せはあっちこっちに出ています。大道具はありません。それでも大抵のシーンでは問題は無いのですが、タイトルにもなっている“仮面舞踏会”のシーンも大道具が無いために、舞台の上は真っ暗で、全然華やかではありませんでした。すごく残念…というよりも、本来「仮面舞踏会」って、予算に限りが有るような公演ではやるべきではない演目なのかもしれません。

 オーケストラはアマチュアでした。とても頑張っていました。時折「おや?」と思う演奏も無いわけではありませんが、それはご愛嬌です。

 合唱もアマチュアでした。歌唱に関しては、とても頑張っていました。でもね…舞台の上で、マスクしていたんだよね。

 今、舞台の上ではマスクはしなくてもいい事になっています。だから、プロ歌手はマスクをしません。合唱だって、男声の半分、女性の1/5はマスクをしていません。つまり、マスクをしている人は、その歌っている人の、個人の希望でマスクを着用しているわけです。決して、演出上の必要から付けているわけではないのです。

 舞台に上がっている合唱団員は、ほぼ皆さん、高齢者ですから、コロナが怖いのは理解します。だったら舞台に乗らなきゃいいじゃん…と客の立場では思いますが、おそらく関係者的には、そう言えなかったのでしょうね。もし「マスク外さなきゃ舞台に出さないぞ」なんて言えば、合唱をする人が激減し、舞台が成り立たなくなり、公演も実現できなくなります。だって区民オペラですからね、区民である合唱団員が公演の主役なんですよ。彼らが経済的に公演を支えているわけで、そんな彼らを邪険扱うわけにはいかなかった…というのは理解できますが…やっぱりマスク着用オペラは変だよね。せめて、舞台本番だけでも外して欲しかったな。

 変…と言えば、帽子着用の合唱の人もいて、これがすごくすごく違和感なんだな。おそらく“ハゲ隠し”で帽子をかぶっているのだろうけれど、全然舞台と合っていないんだよね。これは衣装ではなく、おそらく私物の帽子なんだろうけれど、演出家なりステージマネージャーなりが止めるべきだと思いました。別にハゲもいいじゃん…ってか、実際に別の人で数名のハゲた人がいましたが、全然オペラに違和感なかったもの。それに、そんなにハゲが恥ずかしいなら、かつらをかぶればいいのに…とも思いました。舞台でかつらなんて基本でしょ? 芝居用の金髪のかつらとかかぶれば、貴族っぽくて良かったのに…って思いました。ま、ハゲ隠しがバンダナで無いだけマシだったとも言えます(ハゲ隠しにバンダナを頭に巻くジイサンって結構いるんだよね…)。

 微笑ましく思ったのは、舞踏会のシーンで、舞台中央で真面目にワルツを踊っていた合唱のカップルがいました。おそらく、合唱と一緒に社交ダンスも習っているご夫婦なんだろうけれど、あまりのマジなダンスに、思わず笑っちゃいました。音楽的に踊るべきなのは、そのワルツではなく、クルクル回るウィンナーワルツなんだけれど…なんて思わなくも無かったけれど…いやいや、これでいいのです、アマチュアだもの。ぜひ、見習いたいものです。

 それにしても、新宿区民オペラは今回で2度目でした。ここは興味深い演目を定期的にやっているようですが、チケット入手が困難なのが難点です。前回は出演者の中にY先生がいたので、先生経由でチケットを購入し、今回は「仮面舞踏会」なので是非見たいと思い、チラシに案内のあった文化センターに電話をしたら「仮面舞踏会? そんなの扱ってませんよ」と、ケンもホロロな扱いでした。おそらくは、公演チケットは、オーケストラとか合唱団員からコネを使って買うのが本来の正しい購入ルート(昭和かよ!)なのでしょうが、そんな知り合いなんていないもの。仕方ないので、あんまり面識があるわけではないのだけれど、ちょっとだけ知っている人が、たまたま出演者の中にいらっしゃったので、その方に連絡をしてチケットを入手しました。もっと簡単にチケットが購入できたら良いのになあと思いました。次は暮れにマスネの「サンドリヨン」をやるそうですが…見に行きたいけれど、誰か知り合いの歌手さんは出演するのかな?

 なんて、文句も書きましたが、ほんと楽しかったオペラ公演でした。チケットさえ入手できたら、また行きたいです。

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コメント

  1. 如月青 より:

    またただの茶々で失礼いたしますが・・・

    私がまだ20代の頃で、今もあるかは分かりませんが、入団資格が40歳以上の男声合唱団で、

    H-G Mennel Chor

    というのが市の合唱祭の名物でした。

  2. すとん より:

    如月青さん

     男声合唱団って、平均年齢が高い団体が多いです。そもそも、男声合唱が流行ったのが、昔々(戦前~高度成長期)ですからね。そこからの生き残り…と考えてしまうと、どうしても高年齢化するわけですが、かつては日本男性も大いに歌っていた事が知れて、個人的にはうれしかったりします。

     今の日本男性は…まず歌わないからね。かつてあった男声合唱団とかグリークラブの多くはつぶれてしまいました。今じゃあ、混声合唱ですら、男声の確保に困って、ほぼほぼ女声合唱化している所すらあるくらいです。

     当地にもいくつか男声合唱団はありますが、どこも人生の先輩方が頑張っていらっしゃいます。もしも私が入ったら(ま、入れてもらえるとは思ってませんが:笑)確実に最年少団員になる事でしょうね。

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