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ヘンデルで行きたいのです

 さて、声楽のレッスンの続きの続きです。
 例年、当地で秋に行われている“クラシック・コンサート”の話を先生としました。このクラシック・コンサートと言うのは、市民参加型の発表会形式のアマチュアのコンサートで、以前は7月に市の広報で出演者を募集していたので、それを見てから先生に相談したり、伴奏者の依頼をしていました。なにしろ、告知から募集の締め切りまで一ヶ月以上あったので、比較的ゆっくりと事が運べたのです。
 ところが昨年は、7月の広報で募集せずに、8月の広報で募集をし、わずか10日ほどで募集を締め切ってしまったのです。なので、昨年のクラシックコンサートは規模が小さく、出演者も少なめ(ほぼほぼピアノだけ)でした。なにしろ、個人参加のピアノなら、そのスケジュールで動けても、バンドやサークルは、募集期間がそんなに短ければ意思決定はできないし、声楽だって選曲して伴奏の依頼をして…とか考えれば同様に無理です。なので、募集期間が短ければ、参加者も少なくなるのは、ある意味、当然なのです。
 おまけに、市の広報って、地区の役員さんが配布するんだけれど、その時の役員さんの気分で、すぐに配布してくれたり、しばらく放置されてから配布されたり、配布し忘れたりとか、ほんと、まちまちなので、広報が届いた時にはすでにイベント申し込みが締め切られていた…なんて事もよくある話なんです。
 そんなわけで、去年のクラシックコンサートに我々は参加していません。
 昨年は「コロナ禍だし、7月に募集がなかったし、当然コンサート中止たよね」と勝手に思いこんでしまったために、8月の募集に気づかずに、参加できなかったのです。今年は昨年の事も踏まえ、気をつけているのですが、ひとまず7月の広報では募集がありませんでした。
 なので、会場となる文化会館に問い合わせをしたところ、水面下では動いているようなのだけれど、まだ正式には募集していないそうなので、これは昨年同様の動きになるだろうなあと予測しました。で、昨年のようなタイムスケジュールで、募集されてから動くのでは全然間に合わないので、今から考えて動かないといけません。事前の準備、大切です。
 それを先生に伝えたところ、ひとまず選曲だけでもしておきましょう…という話になり、私は今年はヘンデルで行きたいと先生に言いました。
 ヘンデルで行く…つまり、二重唱は発表会で歌った、オラトリオ「陽気な人、鬱ぎの人、穏やかな人」の「As steals the morn upon the night/暁が夜に忍び込み」を歌い、ソロは、オラトリオ「サムソン」の「Total eclipse/皆既日食」をメインに据え、(妻の選曲次第で時間が余れば)オラトリオ「セメレ」の「Where’er you walk/あなたがどこを歩くとも」を歌いたいと考えています。
 そのうちレッスンでは「As steals the morn upon the night/暁が夜に忍び込み」と「Where’er you walk/あなたがどこを歩くとも」を歌っているので、先生的には、これらはまあOKだけれど「Total eclipse/皆既日食」は、まだレッスンでは歌っていないので、この曲で行けるかどうかの確認をしたいので、ひとまず歌ってみましょうって事になりました。
 ってなわけで、ほぼ初見で「Total eclipse/皆既日食」を歌ってみました。
 うむ、知っている曲とは言え、初見で歌うのは厳しかったです(汗)。とは言え、事前に譜読みをして臨めば、歌えなくもない感触なので、もしクラシックコンサートに参加するとなった時には、これで行きましょうとなりました。なので、この曲もちゃんと譜読みをしておかないといけませんね(汗)。
 歌ってみて思った事だけれど、この曲もそうだし「Where’er you walk/あなたがどこを歩くとも」や「As steals the morn upon the night/暁が夜に忍び込み」も、私の声に合っていると思うんだよね。そういう意味で、ヘンデルのオラトリオのアリアって、もっとちゃんと勉強してみたいです。そうなるとやっぱり「メサイア」に手を出すべきなのかしら?
 レッスンの残りの時間で、ドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」の「Com’e gentil/なんという優しさ」を歌いました。いやあ、難しい…ってか、歌えば歌うほど、自分の手に余る難しさだなあと思うようになりました。この曲は、かなり無理しないと歌えないんです。そういう意味では教材としては良いのかもしれないけれど、本来この曲は、私よりも声の高い人が歌う曲なんだろうなあと思います。「ドン・パスクワーレは、重い曲が多いので、音程だけ見て選曲すると大変だよ」という先生の言葉を、今噛み締めています。この曲を歌うためにも、もっともっと腹筋を鍛えないとダメなんだよなあと思いました。

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