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2018 門下発表会 その3 アリアの本番

 門下の発表会の第二部が始まりました。第一部は歌曲と二重唱がメインですが、第二部はアリア(独唱)と二重唱がメインとなります。つまり、第一部も第二部も二重唱がいっぱいあるのが、ウチの門下の発表会の特徴です。

 二重唱は全体の約半分です。我々夫婦は歌曲の二重唱を歌いましたが、それ以外はみなオペラの二重唱です。そのオペラの二重唱も、一曲を除いて、みな、テノールとソプラノの二重唱です。テノールはゲストのA先生で、ソプラノは門下生たちです。除いた一曲はバリトンとソプラノの二重唱で、バリトンが生徒さんでソプラノはF先生です。三重唱も一曲だけあって、それはバリトンが生徒さんとF先生、テノールがゲストのA先生という、実に男臭い三重唱だったりします。

 今回、ゲストで来てくださったテノールのA先生は、ドニゼッティ歌手さんなので、高音がめちゃくちゃ大得意な人で、顔色一つ変えずに気軽にピャーとHi-Cを出しちゃう人です。すっごく羨ましいです。

 ちなみに、Hi-Cの出し方を尋ねたら、お若い時は気合一発で出していたそうです。昨今は(とは言え、まだまだお若いのですが)気合ではなく、息の流れに注意して喋るように出しているのだそうです。高音を喋るように出す? 私にはよくわかりませんが、でもそれって、きっととても大切な事なのでしょう。

 閑話休題。私の出番が近づいてきました。さっそく舞台袖に行きます。第二部は妻が先で私が後です。なので、妻が舞台に行くのを見送って、舞台袖のモニターで歌を聞きました。ううむ、歌もピアノもあっちこっちでヘマってます。やっぱり「夜の女王のアリア」は難しいんだなあ…。

 妻が“やっちまったよ”って顔をして戻ってきました。まあ、この人、舞台で恥をかくのに慣れていないからね(笑)。私なんて、いつも“やっちまったよ”なので、舞台での失敗なんて全然気にしないのだけれど(爆)。

 さて、今度は私の番です。気合を入れて舞台に飛び出しました。お辞儀をしたら、ピアニストさんが弾き始めます。この曲はイントロが長いので、ピアニストさんが自分のタイミングで弾き始める事になっているので、私はピアニストさんが作ってくれた音楽の流れの中に飛び込むだけです。

 覚悟を決めて、音楽に飛び込んだら、後は必死に泳ぐだけです。クラコン後のレッスンであれこれ修正したので、テクニック的にはクラコンの時よりもうまく処理できたと思うのですが、いかんせん、ついつい力んでしまいます。クラコンのホールよりも今回のホールの方が響きが少なめというのもあります。クラコンの時は、本当にホールの響きに助けてもらったんだなあと、今更感謝するわけです。

 クラコンの時よりも丁寧に注意深く歌ったつもりですが、特に高音に関しては、声が割れたり、怒鳴り声になってしまいました。声が割れるのはノドに力が入りすぎが原因でしょうし、怒鳴り声になってしまうのは、息の流れが乱暴で荒すぎるからだと思います。ノドは脱力、息はなめらかに流して歌わないといけません。分かっちゃいるけど、できないんだなあ…。

 F♯までは気持ちよく歌えているのに、Gになった途端に、息の流れが変わり、ノドに力が入ってしまう…というのが、Y先生の見立てです。ただし、これは私自身が「ここからGだ」と知っている時に現れる現象で、発声練習などで、今自分がどの音程を出しているか分かっていない時(絶対音感なんて持っていないので、自分がどの高さの音を出しているのか分からない私なのです)は、息の流れが変わる事はないそうです。なので、やはりこれに関してはメンタルの問題なんだろうと思います。

 ノドに力が入ってしまう事はメンタルとは関係なく、高音に行くに従って力むそうなので、これは純粋にテクニックの問題なんだろうと思います。

 ああ、オペラアリアも、もっとちゃんと歌えるようになりたいものです。

 で、自分の出番が終わったので、ようやく肩の荷を下ろすことができました。ひとまず、楽屋に行って、カジュアルな服装にチェンジです。で、着替え終わる頃に舞台が終了したので、さっそくロビーに行って、お客様方にご挨拶です。今回も褒めていただきました。自分的には、クラコンよりも発表会の方が、よく歌えたと思っていましたが、クラコンに引き続いて来てくださった方は「クラコンよりも良かったよ」とはおっしゃられなかったので、客観的にはクラコンの方が良かったのかな?って思ってます。

 こうして何度か発表会に継続して出演していると感じるのは、我田引水となりますが、年々上達している事です。今年も昨年よりは、ずいぶんと上達したなあと思いました。やはり、上手な人達がたくさんいる門下で揉まれながら学んでいくって、大切な事なんだなって思いました。

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