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ワクワクして出かけた声楽系の講演会と、フラッと見てきた怪獣系の展示会の話

 時はうんと戻ります。ほぼ8月の頭まで戻ります。

 妻が以前お世話になった耳鼻科の先生の講演会があったので、行ってみました。耳鼻科と言っても、声が専門の先生です(って書けば、高名な先生なので、誰のことか分かってしまいますね)。

 ちなみに、講演会の前に、同じ会場で声楽発表会が行われていました。講演会の先生の奥様(オペラ歌手さんです)の声楽教室の発表会のようです。

 「おお、見知らぬ人たちの声楽発表会だ!」と開場前に会場に到着した私は、当然のように声楽発表会を聞こうと思って、受付の方々に「発表会を拝見させていただきたいのですが…」と申し出たら「関係者以外はダメなんです」との返事! いやあ、ビックリしたなあ。発表会の見学を断られるなんて…生まれて初めての経験をしました。

 それにしても、ホテルの宴会場で発表会なんて、なんて豪勢な発表会なんでしょ? ちなみに、生徒さんたちは『発表会 -> 講演会 -> 打ち上げ』という順番で参加されるそうだし、また発表会の打ち上げも同ホテルの宴会場で行われるようです。おお、ほんと豪勢だなあ。ついつい下衆な勘ぐりをしたくなっちゃういます(ごめんなさい)。

 それはさておき、声楽系、特に発声に関する講演会…のはずでした。実はこの講演会、数年前にも一度出席していて、その時はとっても感激し、大いに勉強になったので、また開催されるようなら、ぜひぜひ参加したいと願っていましたので、今回の講演会には多大なる期待をして参加させてもらったわけですが、今回は…ちょっと残念だったなあ。

 まあ、私が思い描いていた内容と違っていたってだけの話なんですけれどね。

 今回の講演会は、日本語のための美しい発声方法の検証…がテーマだったのです(少なくともチラシにはそう書かれていました)が、実際はよく分からない箏曲を数曲聞かされて、筝曲の鑑賞がプログラムの中心となっていました。確かに筝曲の演奏がある事はチラシにも書かれていたけれど、日本語の発声方法に関する話は…ううううううう~む。

 歌の勉強に行って、箏曲ばかりを聞かされたのでは…正直ガッカリです。だって声楽系の講演会ですからね。箏曲の演奏がある事は知っていたけれど、チラシの予告には、その他にも“地歌”とか“美しい日本語のための発声”なども触れることになっていたはずですが、実際にはこれらの内容に触れていなかった…ような気がするんですね。

 日本語の歌唱に関しては、たくさんの疑問を抱えている私です。それらに対する解答を一つでも二つでも掴んで帰ろうと思っていただけに、手ぶらで帰るのは「なんだかな~」って気分です。

 あ、でも、講演会で全く発声の事に触れなかったわけではないんですよ。“声帯を下げる事”と“軟口蓋を上げる事”が発声にとって、とても大切な事だと強調していました(まだ、どんな本にも書かれていないともおっしゃってました)が、Y先生のレッスンで毎回、同様のことを注意されている私は「耳タコ…」って思ってしまいました。

 なわけで、大いにガッカリした私ですが、それは勝手に期待をふくらませて参加した私の責任です。講演会はナマモノですから、予告通りの内容にならない事があっても、まあ、不思議ではありません。

 今回の件から私が学ぶべき事は…大きすぎる期待は失望を生みだす、という事です。

 期待せずに無心の気持ちでで講演会に参加すれば「筝曲、面白いよね」という感想になったはずですから。それを「日本語の歌い方を知りたかったのに~」と歯ぎしりするのは、私が、勝手に期待して、勝手に失望して、勝手に悔しがっていただけの話なんです。チラシの予告なんて、あくまでも予定の予定なんですね(涙)。

 でも、以前参加させてもらった講演会では、本当に感動したんですよ、その時は、実に多くのことを学んで帰ったのです。ただ、前回良かったからと言って、今回も私の希望通りになるわけではないって事を学んだわけです。

 で、講演会が終わって、ちょっと割り切れない気持ちのまま、フラフラしていたら、近所のデパートで『円谷英二 特撮の軌道展』をやっていました。

 思わず入場したところ、こっちはガッツリ大満足の展示会でした。いやあ、ほんと良かったよ。だって私は、ゴジラとかウルトラマンとかセブンとかの世代だもん。子どもの頃に目を輝かせて見ていたものを、大人になって、どうやって作ったのか、どれだけの知恵と苦労があったのか、それを知ることができたわけです。いやあ、感涙ものでした。コンピューターが無い時代ゆえの高度な技術と、それらが今失われつつある現場を、胸アツで見させていただきました。

 あと、テレビにご出演なされた怪獣さんたち(撮影で使われた当時の着ぐるみ…の事です)との対面も感動的だったなあ。

 全く予期していなかったところに、これだけの水準の展示でしょ、そりゃあ感動するわなよ。

 今回の件から私が学ぶべき事は…期待せずに得られた感動は、期待して得た感動の何倍もの喜びを生みだす、という事です。

 それにしても、ゴジラもウルトラマンも、2014年現在でも、新作が作られているわけで、もはやこれらは立派に日本文化の一翼を担っているって言えるでしょうね。

 期待をして聞きに行った講演会と、行き当たりばったりで見た展示会の話でした。

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