後輩と言うのは、職場の後輩と言うか、私の後任の方です。
私が昨年、某学校で吹奏楽部の顧問をやっていた話は散々書きましたが、今年になって研究部門から管理部門へと配置転換があり、それに伴って私の仕事内容が変わり、吹奏楽部の顧問を辞する事になった話は、以前書いたと思います。
で、私の後釜として、私から見れば息子娘世代にあたる若い方(以下“後輩君”と呼びます)が、新しく吹奏楽部の顧問になりました。
まあ、私の後任者なので、私の前任者とともに、後輩君を囲んで、楽しい楽しい会を開いたと想像してください。そして、そこで二人がかりで、後輩君に優しく優しくアドヴァイスをした…とまあ想像してください。決して、飲み会で新人にからんだわけじゃナイっすよ(笑)。
とにかく、吹奏楽部の顧問になったからには、管楽器の一つや二つは出来なきゃダメ。ダメだ、ダメだ、絶対にダメだー。今すぐ、何か楽器を習いなさいーと、二人して、懇切丁寧にアドヴァイスをしたわけなんです。
そんな事があってから数日して、後輩君がフルートバッグを持って、私の目の前を通りすぎたわけです。
当然、呼び止めますわな(笑)。
聞けば、数日前からフルートを始めたとの事。そして、部活の時間に、生徒と一緒になってフルートの練習を始めたとの事です。「普通のオトナと違って、毎日毎日、部活の時間に練習できるので、そこが恵まれていると思ってます。今は、放課後の練習以外に、朝練にも参加して、フルートの練習をしているんですよ」との事。うむうむ、よきかな、よきかな。
新品のフルートを買ったと言うので、見せてもらったら、ヤマハの211でした。楽器のチョイスとしては悪くないですね。何でも初月給で購入したとか。初月給でフルートを購入なんて、なかなかカッコいいじゃないの。ちなみに私が初月給で買ったのはハンドメイドの万年筆だったけどね。
「独学かい?」と尋ねたところ、部活の高二の生徒に習っているとの事。顔が浮かびました…はは~、あの生徒に習っているわけだね。まあ、今年はフルートに(生徒の)新人さんは加わっていないので、後輩君が新入部員代わりに鍛えられているって寸法だね。
部に溶け込むために、新米顧問が部員から楽器を習うというのは、悪い手法ではありません。
しかし、フルート初めて、やっと二年目の人間から楽器を習うと言うのは、部活としては常態だけれど、冷静に考えると、ちょっとヒヤヒヤですよね。
『運指は必ず教則本で確認する事』
『なるべく早い段階で、しっかりしたプロの指導者の個人レッスンを受ける事』
これらを言いつけました。なにせ、彼はこれから吹奏楽部の指導をしていく人間になっていくわけですからね。部活の事は部活をしながら学べばいいけれど、楽器の事は、ちゃんとした指導者からしっかり学んでおく必要があると思うのです。変な癖がついてからでは遅い…と思うわけなんです。
とにかく、若い人間がやる気をもって、前向きに動き出したのは、見ていて、気持ちいいですね。応援したくなります。私のような、オッサンがおっとり顧問をやるよりも、一緒に苦労してくれる若い人が顧問をやってくれた方が、何倍の生徒たちのためになるというものです。
よかった、よかった。
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コメント
昔々、大昔、田舎の方には、まだ小型の恐竜がいた頃(嘘)、
私がフルートを始めた頃は、NHKでフルートお教室番組があって、
吉田雅夫大先生ほか、峰岸さん、小出さん、宮本さん、三村さん、
などなどが、ほぼ半年交代で講師を務めていて、
私、食い入るように見ていました。
後輩さん、初月給でフルート購入ですか、素晴らしい心意気ですねっ。
っていうか、いろいろな意味で「大きな先輩たち」に両方から挟まれて、ぐいぐいジワジワ押せ押せモードで煽られたら、もう買わずにはいられなかったのでしょうかねえ・・。
転機とチャンスはどこに転がってるか、ほんとにわかりませんね・・。後輩さんは「あのときにすとん先輩と〇先輩に押されてぼくの今がある」、と何年かあとでピカピカのちょっと重いフルートを手にして、しみじみとすとんさんたちに感謝してくださるでしょう。
そのときはすとんさんと華麗な二重奏ができるくらいに上達されているといいですね・・・。
新しい笛吹き仲間にパチパチ(拍手)
その生徒にも貴重な体験になるでしょうね。
人に教えるときは自分の技量を再点検することになり、悪いところに気付くきっかけにもなります。
あとプロに習うにしろ、すとんさんのように良い指導者に巡り合えるといいですね。
プロ=良い指導者ではありませんから。
operazanokaijinnokaijinさん
「フルートとともに」でしたっけ? 同じ帯で「ピアノのおけいこ」や「バイオリンのおけいこ」もやっていたと思います。なぜ覚えているかと言うと、私「ギターをひこう」を見ていたからです。いや、見ていただけでなく、ソノシートも買ってました。当時はビデオとかなかったし、カセットテープもまだ一般的ではなかった時代でしたね。ああ、懐かしい。
昔は、この手の楽器入門番組があったわけです。まあ、今は、YouTUBEもあるし、DVDもありますから、こういう番組は役割を終えたんでしょうね。後輩君には、せめて、YouTUBEでもチェックしなさいと言っておこうかな。
だりあさん
>何年かあとでピカピカのちょっと重いフルートを手にして、しみじみとすとんさんたちに感謝してくださるでしょう。
…だといいですね。そうなる事を願っています。
実は私の前々任者という人がいまして、この人が後輩君と同じような感じで、フルートを買って、楽器を始めて、部員に習っていたのですが、その人は三カ月ほどでフルートを押し入れにしまってしまったんですよね。なので、私は後輩君が毎日フルートを楽しく吹いて、上達してくれる事を願っています。
総銀に買替えるほど、上達してくれると、本当にうれしいなあ。そんな日が来たら、二人でフルートデュオでも組んで、職場の宴会のたびに披露してやる(笑)。
ええはなしや~ と思いました。
末長く続けてくださいますように。
しかし、なぜフルートを選んだのかは気になりますね(笑)
自分だったら、クラリネットをやりたいかなあ、なんて思ったり。
河童さん
>プロ=良い指導者ではありませんから。
そうそう、それはそう思います。
プロとは、本来は演奏する人であって、教える人ではないですからね。演奏する人が演奏する人に演奏する事を教えるのは、ある意味、当たり前です。でも、演奏する人が演奏できない人に教えるのって、演奏する能力とは違う能力を必要とするわけで、その違う能力を持っていても持っていなくても演奏家としては問題ないわけだから『プロ=良い指導者ではない』も成り立つわけです。
理屈はともかく、先生選びって、難しいし、私はその点に関しては、恵まれてきたと思ってます。音楽の神様にヒイキされていると、自覚してます(マジで)。
H先生は初心者は教えない人だから、後輩君を紹介するわけにはいかないし、本当は笛先生がいらっしゃったら、初心者には良い先生だと思うのだけれど、今はこちらにいないし…。
>その生徒にも貴重な体験になるでしょうね。
そうなんですよね。教えるって、常に自分を点検することですから、教える側にも教わる側にも利点があって、ウィンウィンだなあって思います。
まずは、後輩君がフルートを諦めずに、一年間は続けてほしい思います。一年続けば、あとは一生モンとなるはずだからね。そうしたら、私はフルートデュオを組んでもらえるように、プロポーズしてみるかな?
椎茸さん
>しかし、なぜフルートを選んだのかは気になりますね(笑)
それは簡単。管楽器って、原則的に移調楽器だけれど、フルートとオーボエはピアノと一緒で、楽譜通りの音で演奏するんだよと、私が言ったからです。後輩君は、学生時代は合唱をしていた人なので、移調楽器には不安感が生じたようです。まあ、その気持ちは私も分からないではないです。やっぱり、楽譜に書かれた音が鳴らないと、ちょっと怖いよね。
まあ「慣れれば気にならない」と、私の前任顧問(この人は、トランペットの人です)が言ってました。それも本当だろうけれど、歌う人間にとって、やっぱり、移調楽器で、なんか怖いんですよね。
お洒落ですね…!
私が最初に買ったフルートは初ボーナスでした。
移調楽器は難しいですね…
三ヶ月前からフルートとクラリネットを並行してるんですが、クラリネットのほうは音が楽譜と違う(元々ピアノやってた人間なので基準がC)ので、間違えたときに気づくのが遅れてしまいます…
最近フルートでないにせよ、笛吹き(というか音楽)初心者に教えることがあったりとかでどうすればいいか悩んだりしてることもあります…。
Luciferさん
でしょ、私も初月給でフルート購入って、オシャレだと思いますよ。
さて、移調楽器って、難しいと言うか、心理的な抵抗が強いと思います。全くの音楽初心者さんはいざ知らず、すでに何らかの楽器なり歌なりをやっていると、音と音符と楽器の関係がある程度できていると思いますが、そこに移調楽器が加わることで、混乱が生じるような気がするんだろうと推測します。で、そこを恐れるわけです。
実際に移調楽器を演奏している人に言わせれば、決してそんな事はないのだそうですが、でもなんか、心理的な抵抗を(私の場合は)感じます。
私の場合は、音程は(歌うので)身体的な感覚とつながっているのですが、それがズレるのは、なんか変な感じがするんですね。ピアノをやっている人は、移調楽器の音と、鍵盤がズレるのがいやだ(Luciferさんはこのタイプ?)だと言う方をチラホラ見聞きします。
>最近フルートでないにせよ、笛吹き(というか音楽)初心者に教えることがあったりとかでどうすればいいか悩んだりしてることもあります…。
相対音感的な話をすれば、いいんだと思います。移調楽器は絶対音感的な発想でいくと混乱しますが、相対音感的な発想で行けば、別に何の問題もないんですよ。
嫌と思ったことはないんですが、僕の耳がC調固定のせいで、ちょっと気を抜くと楽譜と認識してる音に差異が生まれてしまって出す音間違えるので難しいなぁ、と思っちゃうのです^^;(相対音感は壊滅してるので…)
まず基音が違うことそのものを理解してもらうのが大変だなぁ、と思ってます。
ちょっとずつ音の違いを認識していただくところからかな?といった思いです。
(音階って何?って説明しにくいですからねぇ…
Luciferさん
Luciferさんは、表記と実音のズレを“嫌だ”と思うのではなく“難しい”と感じるタイプなのですね。これって、絶対音感を持っている人には、もしかすると、共通する事なのかな?
>音階って何?って説明しにくいですからねぇ…
いやあ、絶対音感を持っていない人なら、音階って、割と感覚的に捉えやすいと思いますよ。だって、耳がそうとしか聞こえないから(笑)。説明無しでも「音階って、ドレミファの事です」で通用したりします。調性の違いを感じると言うのは、音楽を始めて、だいぶ先の話だと思うんですね。最初の頃は、何調を聞いても、脳内でハ長調に変換されるそうです(私は違うのですが、そういう話をたくさん聞きますので、たぶんそうです)。
Don’t think, feel!
フォースと共にあらんことを!