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2024 声楽発表会 その2 無いものねだりと後悔

 リハーサルの私は散々でした。

 先生のアドヴァイスは「ずっと楽譜を見ていて、俯いた姿勢で歌っているのが、良くない」「もっと胸を開いて歌った方が良い」 うむ、まさにその通りです。実際、楽譜をガン見で、楽譜以外、何も見ていませんでした。確かにそれでは、ノドは閉まるし、胸も閉まるので、良くないですね。歌う姿勢は、空を仰いで腕を広げる…パヴァロッティの姿勢が良いのです。

 いくら結果が悪くても、所詮、リハーサルはリハーサルです。リハーサルはダメなところを見つけるために行うモノです。だから、リハーサルでは失敗をして、本番に向けて、その失敗を修正して舞台に臨めば良いのです。

 …後はリハーサルで痛めたノドの回復…ですよ。

 ひとまず自分のリハーサルは終わったので、客席に戻って、残りの人たちのリハーサルを見学してから、昼食です。

 今回の会場の近くには、良い食事処がありません。なので、私は駅まで行って、駅の立ち食いそば屋で“月見うどん”をさっさと食べてきました。今は、食事にこだわるよりも、歌に集中したいのです。

 立ち食いそば屋のうどんの味は、好きな方もいらっしゃるだろうけれど、私の好みではありません。おそらく普段なら食べに行かないはずですが、今回は味を優先せず、ただただ歌うためのエネルギーを確保するための食事だと割り切りました。そう考えれば…味なんか気になりません。温かくて消化の良いものなら何でもいいのです。

 他の人たちも色々で、事前に良い食事処が近所には無いという情報をみんなで共有していたので、弁当持参の人もいれば、ホールの下がスーパーマーケット(!)だったので、そこで軽食を買ってきて楽屋で食べている人もいれば、駅チカの喫茶店で、いわゆる喫茶店メニューの軽食で済ませてきた人もいました。人それぞれです。

 さっさと昼食を済ませた私は、食後、少しだけ休みました。食べるよりも消化する事を優先したのです。さらに響声破笛丸を一包飲んで、後はひたすら、のど飴舐めて、水を飲んで、ノドの回復をはかりました。

 本番1時間前になったら、着替えを始めます。タキシードに着替えるのですが、私は着替えるのが遅いので、なんだかんだ言って、着替えに小一時間使ってしまうのですよ、情けない。

 タキシードのネクタイとかカマーバンドとかは、昨年と同じエンジ色です。最近はこの色ばかりなので、来年は新しいネクタイを買わないとダメだろうなあ…(さっそく発表会後に、青いペイズリー柄のネクタイとバンドのセットを買いました:笑)。

 出演順は…自分の2人前の方が歌っている時に楽屋から舞台袖に向かいます。持ち物を確認し、服装や髪型を確認します。これで良しと思ったら、舞台袖に入ります。その頃には、自分の番の直前の人が歌っているので、舞台袖に用意されている譜面台の、最終的な高さや傾きを自分好みに調整して決めます。「あまり高くすると、客席から“首チョンパ”に見えるから、あまり高くしない方がいい」と言われていますが、肝心の楽譜が見えなきゃ困るので、私はある程度高くします。その代わり、譜面を置く面をかなり倒して、首チョンパを回避しますが…うまく行ったかな(これは自分ではわかりません)。

 前の人が歌い終わり、ステマネをやってくださっている先生が譜面台を交換して、一息ついてから、舞台に出てお辞儀をします。多くの人はそのまま歌うようですが、私は一度、後ろを向いてピアノの中を覗きながら深呼吸をして覚悟を決めます。覚悟が決ったら、ピアニストさんに目で合図をしてピアノを弾き出してもらいます。イントロが鳴る中、正面を向いて歌い始めます。

 最初の曲はブッツィ=ペッチャ作曲の「Lorita/ロリータ」です。心地よいメロディの曲でテノールの声に合った曲なのですが、お聞きの通り、出だしは恐る恐る歌い始め、そのために声を消耗してしまって、後半は声をしぼり出すために叫んでいますし、歌唱自体がグダグダになってしまいました。ほんと、ここのホールはウワバミのようなホールです。いくらでも声を飲み込んでしまいます。それに釣られて、声を消耗しているようではダメなんですが…でもまあ、これが今の私の実力なのだから仕方ないです。せっかくの名曲を私の歌がダメにしているのが、とても残念です。

 もっと美しい声で歌いたかったなあ(無い物ねだり)。

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