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テノールとは、ファルセットで逃げない人である

 テノールとは男性高音歌手の事です。なので声種柄、高音を歌う事が多いです。

 高音発声って、つらいし、シンドいし、テクニカルな発声でもあります。正直な話、テノールの声を持っていても、G4やA4と言った、いわゆる“高いソ”や“高いラ”を出せないアマチュア・テノールなんて、ざらにいます。なぜテノールの声を持っているのに出せないのか…それらの高音を発声するのは、それだけシンドくて難しいからです。

 なので、そのシンドさを回避するために、高音をファルセットで歌うテノールたちがいます。特に合唱テノールに多いと思われます。高音をファルセットで歌うことが、その合唱団の方針であるなら、私は別に何も思わないし言うべきではないと考えています。

 しかし、声楽的には、テノールが高い音程をファルセットで歌うのは、一部の特殊な状況を除けば“禁忌”とも言うべき事であるのも、事実です。

 つまり、テノールに求められるのは、たとえどんなに高い音程であっても、ファルセットで逃げずに、実声で優しく柔らかく歌うことであり、それがゆえに、テノールの歌声は魅力的であり、人々の賞賛を得られるものなのだと考えます。そして、それは音程が高くなればなるほど、人々の心を打つわけで、いわゆるHi-Cを発声する事が一流のテノールの証であるのは、そのためなのです。

 だから、真正のテノールは貴重だし、もてはやされるわけです。

 ちなみに私は、Hi-Cなんて、無理無理、です。私が普通に出せる高音は、今のところ、せいぜい、G4あたりまでであって、A4なんて、かなり無理めで、色々と条件を揃えていかないとうまくいきません(でも出せないわけじゃないです)。ましてやHi-Cなんて、夢に見ることすらないです。

 無論、ファルセットに逃げていいなら、Hi-Cはもちろん、E5くらいまで行けちゃうけれど、そんなのは全く自慢にもならない話です。

 所詮、いくら高音をファルセットで歌えても、それはテノールには求められない事だからね。

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