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ダ・カーポアリアなので、アドリブを加える事にしました

 声楽のレッスンの続きです。曲の練習です、ヘンデルです。まずは「Where’er you walk/あなたがどこを歩くとも」です。

 注意すべきは、声の響きです。音程が高くなる時は、もちろん響きも上げていきますが、音程が下がってきても、響きは下げてはいけません、気分的にはむしろ「音程が下がる時は、響きは逆に高くしていく」つもりが良いそうで、結果的には響きを高いままキープしていったまま歌っていくのです。

 要は「響きは常に高く」って事です。

 さて、この曲は、ダ・カーポアリアです。ダ・カーポアリアと言うのは、曲の構成が“A-B-A”になっているアリアの事で、バロックオペラでは典型的な形式なのですが、歌う時の注意は、後ろの“A”を歌う時は、初めの“A”と同じように歌ってはいけないという縛りがある事でしょうか。表現的に言えば「中間部のBを歌う事で、繰り返されるAは、もはや最初に歌ったAとは異なった心情で歌われるのだから、同じAであっても違って歌われる」わけで、具体的に言えば「後ろの“A”はアドリブを加えて歌え!」となります。

 バロック音楽って、案外ジャズに近くて、楽譜って絶対的なものではないんですよね。一番わかり易いのは“通奏低音”ってやつです。あれ、今風に言えば「コード」だもの。通奏低音奏者は、楽譜を見ながら、適宜、あの低音を和音に変換し、さらにそこに適当なフレーズを加えながら演奏するわけで、まさに「コードで演奏する」感じです。

 だから歌も同じで、繰り返しの部分は単純な繰り返しではなく、フェイクを混ぜながら歌うジャズ・ヴォーカルと同じようなスタイルってわけなのです。

 当初は、この曲はダ・カーポアリアだけれど、イタリア古典歌曲を歌う初学者のように、繰り返しであっても変奏など加えずに、バカ真面目に歌おうと考えていましたが、練習を重ねていくうちに、単なる繰り返しでは、自分自身が退屈してしまって、少しずつアドリブを加えて歌うようにしてみたら、やっぱりそっちの方が楽しいので、じゃあこのままアドリブを加えて歌う事にしましょうって事に、心を決めたわけです。

 アドリブって、ほんのちょっとだけだと、聞いている人が「あれ? 歌い間違えた?」とか思うものですから、明らかに“間違えたのではなく変奏しているのだ”と分かる程度に違ったフレーズを歌わないといけません。

 というわけで、この時点でのアドリブをレッスンで披露しました。このアドリブ部分は、今後の練習を通じて、まだまだ変更していくつもりです。頑張るぞっと。

 それにしても、YouTube等を利用して、色々な人がこの曲を歌っているのを聞いて、どんなアドリブをしているのかと調べてみましたが、私の調べ方が不十分なのか、なんか皆さん、おとなしいですよね。私の感覚がジャズ寄りのせいか「そんなんじゃアドリブとは言えないでしょ」なんて思っちゃいました。それとも、バロック時代のアドリブって、こんなにおとなしいものなのかな? ううむ、ううむ、ううむ?

 まあ、今回歌うのは私なんだから、あまりバロックスタイルにこだわらなくてもいいか…と考える事にしました。私は私なりに、21世紀の日本で歌うアマチュア歌手としてのアドリブフレーズで歌ってみようと思いました、でないと、歌えないし(笑)。

 さて、どうなることでしょうか? 我ながら楽しみだったりします。

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