声楽のレッスンに行ってきました。前回のレッスンがグダグダだったので、今回はレッスンに行くのに、ほんのちょっとだけ備えてみました。何を備えたのかって? それは、声を備えてみました(笑)。具体的に言うと…前日と当日は一切歌わずにレッスンに備えてみました。
今までは…一応、自宅練習は毎日やってますが…レッスン前日は気合を入れて、念入りに練習していましたし、当日も発声練習をしてからレッスンに臨むようにしていましたが、今回は声の消耗を考えて、前日から歌声をセーブしてみたんです。
つまり、私にとって、モーツァルトのアリア「Dalla sua pace la mia dipende/彼女こそ私の宝」って、それくらいの準備が必要なくらい、一気に声を消耗してしまう曲ので、下手に前日、歌ってしまうと、レッスンの分の声が残っていない…ってわけなんですよ。
さて、レッスンです。まず軽く発声練習をしました。今回は高いAに声を当てていくという練習をしました。前回はGのロングトーンで、今回はAを当てていく練習で、なんでそんな練習をしているのかと言うと…ファントムにはAsのロングトーンがあるからです。そのために、半音上のAを当てたり、半音下のGを伸ばしてみたりと、色々とやっているわけです。
次はコンコーネです。1~5番を通して、自分のテンポとタイミングで歌うという練習をしました。
歌い終わって、先生からのアドヴァイスは…3番まではまあまあ、4番で疲れが見え始めて、5番でアウト。なぜ、一気に歌ってしまうかな? 一曲歌い終えるたびに、しっかり気分を変えていこう。テンポや表情を曲ごとにしっかりと変えていこう。そして、曲間ではしっかりと休もう。今のは立て続けに、ダダダダ~と歌い飛ばしたけれど、そういう歌い方では、長い歌は歌えないので、自分のバテ具合も計算に入れましょう…って事です。
あせらずに、自分のペースで、一つ一つの曲を丁寧に歌っていきましょうって事です。
で、モーツァルト「Dalla sua pace la mia dipende/彼女こそ私の宝」です。こちらは歌う前に「声は当てるだけでいいよ。ロングトーンの時に何かしようとか、そういう余計な事は一切考えなくていいから、とにかく声を軽く軽く当てていくように歌ってください」とアドヴァイスをもらってから、歌い始めてみました。
途中、何度か小さなトラブルはあったものの、最後まで歌が通りました。
モーツァルトは歌っていて、かなりキツいです。バテてしまいます。この“バテる”の正体は“息があがってしまう”事であり、なぜ息があがってしまうのかと言うと“ポジション”が下がってしまうからです。
ポジションが下がっているのに、無理に高い声を出そうとすると、息が上がってしまうわけで、息が上がっているのに、無理に歌おうとするから、バテてしまうわけです…とまあ、そんなわけです。
だから、バテないためには、息が上がらないようにする事が大切で、そのためにはポジションを下げない事が大切だし、もし下がってしまった場合は、常にチャンスを捕まえて、ポジションを上げていかないといけません。ポジションを上げると言っても、歌っている最中にポジションを上げる事は無理なので、休符のたびにポジションの確認をして、必要を感じたらポジションをしっかり上げて、ついでにカラダのあっちこっちに無駄に入った力を抜いて…なんて事が上手にできれば、何とか最後まで通せるわけです。
つまり、合唱ではよく“カンブレ”というのをやりますが、声楽の時は同じような感じで“カンポジ”をやればいいだけの話です。あ、“カンポジ”と言うのは私すとんの造語ですので、世間には一切通用いたしません(笑)ので、よろしく。
合唱でよく使う“カンブレ”というのは、カンニングブレスの事で、ブレスを絶対にしちゃいけない箇所を歌っている時に、息が足りなくなってどうにもならなくなったら使うテクニックです…って言っても大したテクではなく“他の人が絶対にブレスしないところで、目立たないように自分だけブレスする”という手口です。みんながバラバラのところでブレスをして歌い継いでいくと、パート的にロングブレスで歌っているのと同じ効果が得られるわけです。もちろん、こんなやり方は声楽では使えません(だって、一人きりで歌っているので、どこでブレスをしたかは丸分かりですからね)。
私の造語である“カンポジ”とは『カンニングポジション直し』の事で、これは目立たないように、ポジションを直しちゃうことです。具体的には、休符の箇所で、目立たないように軽く、首を廻してみるとか肩をまわしてみるとの脱力をしてみたり、上にあがってしまった喉仏(外見的には見えませんが、触れば分かる程度のものは私にもあります:笑)を手やアゴで強制的に下げてみたり、肩があがっている事もあるので、それも下げてみたり、横隔膜もグンと下に張り直してみたり…とかします。あと、長い休符の時は、体内に残っている息を一度全部吐ききってしまうのも良いかもしれません。とにかく、そうやって、瞬時に(?)目立たぬようにポジションを直す事を言います。これって…大切でしょ。
今回のモーツァルトでは、姑息なくらい、あっちこっちでカンポジをやってみました。その結果、小さな傷はあるものの、最後まで歌が通ったわけです。
私は基本的に「最初から最後までクライマックス!」な人ですが、そのやり方ではモーツァルトはダメだいう事がよく分かりました。カンポジですよ、カンポジ。とにかく、力任せはダメ。ちょっと間でもポジションを積極的に直していく。ああ、これが“守り”の歌い方なんだなあ…。よい勉強になりました。
先生から、最後まで歌が通ったんだから、次回は仕上げられるように…と言われたけれど、それはかなり無理があるような気がします。でも、せめて、暗譜ができるうように、自宅では譜面を外して練習してみようってと。
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