スポンサーリンク

やっぱり声楽を辞めます

 昨日はガラコンサートでした。ですから、今日、このブログを訪れた方の多くは『ガラコンサートが行われたはずだけれど、果たして、どうだったの?』と期待されているんじゃないかと思いますが、残念ながら、時系列的に、ガラコンサートよりも先に書いておかないといけない事がありますので、そちらを優先します。

 標題の通りで、私すとんは、このたび一度、声楽を辞める事にしました。フルートは続けますが、声楽に関する事柄は、一度白紙に戻し、ゼロから考え直す事にしました。
 
 
 ザックリ書けば、キング先生とお別れしました。って事です。
 
 
 で、その理由ですが…
  
   “おめでとう、恵まれた方よ、あなたのレッスン枠は埋まりました!”
 
 
 …なんですね。つまり、音楽の神様が『もうキング先生とはお別れをしなさい』って言ったって事です。ですから、訣別と言うよりも、神様が仲裁に入ったって事かなって思ってます。

 残念ですね。ま、今はケンカしている最中ですが、それでも私はキング先生の事は大好きだし、人間的な欠点はお互い色々あるし、意見の相違もあるけれど、それでも好きな先生なんだけれど、ここでお別れするのが運命なら、それはそれとして受け入れます。

 …ってか、ブログには書いてませんでしたが、私とキング先生の間には、一年ぐらい前から『レッスンをしてもらえない』以外にも多くのトラブルがあり(ブログを注意深く読んでいる方は、すでにお気づきだと思いますが)、半年ほど前から、キング先生からは『歌手ってのは、先生を代えながら成長していくものだよ』とか『もうすとんさんには教える事無いし…』とか言われていたし、私の方も色々と飲み込んでいたものの、レッスン帰りは結構な頻度で爆発してクダまいていたし…まあ、そんな状況だったので、ここでお別れするのも、いい潮時だったんだなあって思ってます。

 ただね、キング先生とお別れするのは、私の計算では来年の1~2月頃で、そこできちんと挨拶やら手続きやら引き継ぎやらをして、円満なお別れで、4月から新しい先生の元で学べるといいかなあと腹積もりはしていました。が、それが早まったのも、きっと運命でしょう。

 ちなみに、なぜ今年いっぱいまでは先生の門下に居ようと思っていたのかと言うと…それは、やっぱり歌劇団です。先生に関しては色々と貯め込んでいた私ですが、歌劇団の仲間との交流は楽しかったし、やっぱりデビュー公演には参加したかったですよ(これ本音)。それに個人の都合と団の運営は別物だしね。でも、それも運命なら、仕方ないです。

 ケンカ別れのような形になってしまいましたが、キング先生は私の人生の恩人で、彼と出会わなければ、私は今のような形で歌を楽しめるようにはなっていなかった事は事実です。彼のおかげで、私の人生の楽しみは大きく広がりました。ありがとうございました。

 …って事が、ガラコンサートのほんの3~4日前にあったわけなんです(驚)。

 これ、私のみならず、歌劇団の皆さんにも、大衝撃だった事でしょう。キング先生も何を考えているのやら…。「枠がふさがったから戻れないよ~。歌劇団も次の団長さんが決まったからね~。安心して辞めていいよ~」と伝えるにしたって、ガラコンサートが終わってからにすればいいのに、ガラコンサートの直前に私に伝え、歌劇団の人事も慌ててチェンジして…団員(門下生の大半です)さんたちは、本番前に大いに心がかき乱されたわけです。

 まあ、なんであれ、私が原因の一端となって、歌劇団の方々に迷惑をかけてしまった事に関しては、まことに申し訳なく思っています。

 と言うわけで、ガラコンサートには、主催者から、一転して、部外者として、アウェー参加することになったわけです。いやあ、一人アウェーで味方も無しで、コンサートのトリを取るって、心理的に、とってもイヤだけれど懐かしい感触です。昔は仕事じゃ、しょっちゅうアウェー気分だったので、ああ、懐かしい。ホームもいいけれど、アウェーもなかなか燃えるものです。さすがの私も、門下を離れると決めてからコンサートの日まで、このひさしぶりの感覚に、思わず興奮して、ロクに寝られずに、体調をすっかり乱してしまいました。ああ、バカだなあ…。

 でも、アウェーな敵地に乗り込むなら、こっちの気分をマックスに高めておかないとダメっしょ(笑)。

 さて、そんな、変にハイな気分で臨んだガラコンサートは、一体、どうなった事でしょうか? 乞ご期待!
 
 
〈おまけ〉 キング門下を離れる事になった私たち夫婦ですが、これが悲しみに打ちひしがれているのかと言うと、さにあらんや、実はワクテカだったりしてます。別に強がっているわけではなく、次の出会いが、とっても楽しみなんですよ。別れの寂しさよりも、出会いの楽しみの方が強いんです。

 なにしろ、手札はたくさん持っています。どのカードを切るか、もうワクワクなんです。ですから、この記事の標題は「やっぱり声楽を辞めます」としました。歌は好きだし、声楽は大好きだし、オペラは大好物な私なんですが、実はこのまま歌の道を前進していって良いのか、大いに悩んでいます。

 『人生、好きな事ばかりを選んでやるべきなんじゃないのか?』

 と思う一方、

 『後悔しないように、やれる事はやっておくべきなんじゃないのか?』

 とも思っているわけです。

 なにしろ、人生後半戦で、そろそろ“人生のロスタイムに入るちょっと前”って状況の私ですから、これからの人生の使い方を色々と考えるわけです。だから、声楽は大好きだし、キング先生の元で5年間まじめに学んできましたが、ここらで一区切りつけてもいいかなって、正直、思ってます。

 一度、自分と歌の関係を見直してもいいかなって思ってます。

 さらに本格的に、声楽の道に進むべきか、それともいっそ、ジャズヴォーカルの方に足を踏み入れてみるか(ジャズの勉強は全然中途半端なので、もっとジャズに親しみたいんですよ)、さもなければ、ヴァイオリンやピアノなどの王道系楽器(別にフルートが邪道って言ってるわけじゃないですよ:念のため)に本格的に手を染めてみるか。あるいは、音楽演奏ではない分野、具体的に言えば、DTMの世界に復帰してみるとか、絵画を描いてみるとか、小説を書いてみるとか、詩集を出版してみるとか、そういう事も考えています。

 実際、今までの生活の中で、声楽に費やしていたエネルギーって、実に膨大なものがありましたからね、そのエネルギーをこのまま埋もれさせてしまうのはモッタイないです。だから、何かやりたいです。で、その何かは何なのか? その何かは、歌が好きだからと言って、声楽でいいのか? そこが問題なんです。

 ちなみに、声楽の前は何にエネルギーを費やしていたのかと言うと……筋トレ(笑)。今では面影がありませんが、その頃の私って、筋肉ムキムキだったんですよ。だって、毎日毎日、数時間に渡って、カラダを鍛えていたんだもん。元々柔道マンなので、筋トレ大好きなんですよ。当時は太マッチョだった私ですが、今では単なるデブになっちゃいました。

 かつては夢中になった筋トレから声楽に移動したのが、それまでの私でした。今度は声楽から何に移動するか…後悔しないように、色々と考えたいと思ってます。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村 クラシックブログ 声楽へ
にほんブログ村

コメント

  1. ネオワン より:

    昨日は、お疲れ様でした。大変感動しました。
    コンサート内容は書かれていないので、コメントしませんが、そうですか?ラスト公演だったのですね。集大成の形に立ち会えることができて、感無量です。
    さて、これから、すとんさんが何を選ばれるのか(もう考えられているかもしれませんが)、楽しみにしています。

  2. すとん より:

    ネオワンさん

    >ラスト公演だったのですね。集大成の形に立ち会えることができて、感無量です。

     ラスト…と言うか、一区切りのライブでした。もう声楽はやらないと決めたわけではないので“ラスト公演”とはまだ言いたくないです。とは言え、結果的にはそうなるかもしれないだろうなあ…とは覚悟をしながらのライブでした。

     で、次に何をやるかは…今、考えている最中です。妻は、ひとまず、ポピュラーヴォーカルの体験レッスンを近日中に受ける予定ですが…私は、なんかそういう気分じゃないんですよ。

  3. Cecilia より:

    結局こういう結論になってしまったのですね。
    残念ですが仕方がありませんね。
    でもすでにされているフルートを極めるという方向ではなく、新たなことを増やすというのがすとんさんらしいですね。

    ガラコンサートがどうだったのかがとても気になっています。

  4. すとん より:

    Ceciliaさん

     まあ、遅かれ早かれ、こうなっていたんだと思います。大切な事は、後悔に暮れるのではなく、前を向いて歩いていく事だと思ってます。それにキング先生から離れて、妻の表情が明るくなった事は、一つの成果だと思ってます。

    >でもすでにされているフルートを極めるという方向ではなく、新たなことを増やすというのがすとんさんらしいですね。

     …ですね。私は、どうも“一つの事を極める”というのが苦手なタイプの人間なんですよ。つまり、スペシャリストとか専門家って奴には慣れないタイプです。格好良く言うと、ゼネラレストとか総合家ってタイプなんでしょうが、正確に言うと、単純に“気の多い人間”なんです。

     『声楽を続けたい』というのが、今のところの偽らざる心境です。でも、声楽を一回辞めたという、またとないチャンスですから、しっかり自分を見つめてみたいと思ってます。

     ま、焦ることもないので、今は自分にできる事を粛々とやりながら、次の神様の導きを待っていたいと思ってます。

  5. フミエ より:

    コンサートが終われば何か流れが変わるんじゃないかと思っていましたが
    もうすでに決着がついてたとは・・・
    そんな中、よくステージに立たれたと思います

    早くどうだったのか知りたい~~
    やっぱり一日一記事ですか、すとんさん!(笑)

    新しいことを始めるのも楽しいし、今取り組んでいることをもっと真摯につきつめるのもよしですね
    私はあまりいろいろは出来ないので、フルートとピアノ頑張ろう!!と
    すとんさんの記事を読んでさらに気合いが入りましたよ

  6. カスミ草 より:

    お疲れ様でした。
    (すとんさんのアドバイスに従い、過去に行ってましたが、戻って来ました。)
    良くも悪くも結果が出て、新しい目標に向かって進むことは、良いことと思いますが。特に奥様が明るくなられたとのこと。嬉しいです。(ポピュラー音楽 楽しいですよ)
    しっかり者の奥様へ
    重いすとんさんを支えるのは、メチャクチャ大変ですね。(奥様を支えるのは、だれ?)
    たまには、すとんさんをアッチに置いといて、御自身だけのために、楽しんで見えますか?奥様が、羨ましいです。呑気な内容で、ごめんなさい。
    アッ 【大衆食堂】のメニューから、フルート風味の中華飯は、何が有っても絶対残りますよね?

  7. すとん より:

    フミエさん

    >コンサートが終われば何か流れが変わるんじゃないかと思っていましたが

     …でしょ? 普通はコンサートが終わってからでしょ? 少なくとも、私は『コンサートが終わって、すぐ!』ではなく、タイミングを見計らって…と言うのが普通なんでしょうが、そこで空気を読まず、いきなり来るのがキング流なんですよ。今まで何人もの人がそういう憂き目にあってきたのを、じっと見てきましたので、私自身は驚きもなく『なるほど、先生らしいや…』と思いましたけど。

    >そんな中、よくステージに立たれたと思います

     エラいでしょ? ほんと、自分を誉めてあげたいですわ。

     ま、どんな局面でも、別れは寂しいものですが、次の出会いを期待して、今は雌伏の時でございます。私的には“キング学校を卒業した…”くらいの気分なんです。

  8. すとん より:

    カスミ草さん

    >特に奥様が明るくなられたとのこと。嬉しいです。(ポピュラー音楽 楽しいですよ)

     今回の件は、ブログに書いてある事だけがすべてではなく、まあ、色々と複雑な、取るに足らない事もいっぱいあるんです。ブログには、その中の最大公約数的な事しか書いてないわけですが、私と先生だけでなく、妻と先生の間にもトラブルはあるわけで、ある意味、私との間よりも根深くて解決が難しい問題があって、それこそ私の方が時間が立てば解決するかもしれませんが、妻と先生の方は、もうそんなレベルではないくらい問題はこじれてまして、妻は私以上に、飲み込んでいますので、妻のためにも、キング先生とはお別れできて良かったと思ってます。

     ポピュラー音楽は…楽しいですが、難しいですよ。笛先生経由で、ポピュラー歌手の方々とも親交がありますが「どうせ、カラオケだろ?」なんて、馬鹿にしてはいけません。ポピュラーだって、きちんと歌うためには、それなりの訓練が必要です。クラシック歌手の方々が歌うポピュラーソングの多くが、茶番になってしまうのは、彼らがポピュラー音楽を軽蔑し、自分たちの音楽よりも下のモノと見下していて、ポピュラー音楽を歌うのに必要なスキルを軽視したまま歌うからです。ポピュラー音楽を歌うためには、クラシックとは、全く別種のテクニックとスピリットが必要で、それらを学ぶのは、また難しい事です。

    >アッ 【大衆食堂】のメニューから、フルート風味の中華飯は、何が有っても絶対残りますよね?

     今のところ、当店の一番人気メニューなんでございますよ(笑)。

  9. 老いた犬 より:

    初めまして
    昨日初めてここにやって来ました。
    タイトルに惹かれたものですから・・・
    私もアラフィフで声楽を始めました。はや数年、音域広がらないし、うまくならないし
    (これでは先生に失礼ですね)
    向上しているとしても牛歩の歩みです。
    還暦まで、後何年かありますが
    無理無駄はやめて、他のことを探そうか  と思い迷う毎日です
    そんなとき、見つけたこのブログ。
    まさに私のことかと飛びつきましたが、
    その日に「声楽やめました」の記事。
    なんと言う巡り合わせでしょうか?  ウームやっぱり私も考えようかしら(と弱気な私)
    まだ、全てを読んだ訳ではないので、想像も加えますが、
    きっと歌とのご縁は切れないのでしょうね
    楽しみにまた拝見しに参ります。

  10. すとん より:

    老いた犬さん、こんにちは。そのハンドル、まるで他人のような気がしませんね(笑)。

    >私もアラフィフで声楽を始めました。はや数年、音域広がらないし、うまくならないし

     ああ~、気持ち分かります。私もアラフィフから始めたわけで、なかなか上達しませんでしたよ。でも、私の場合、習い始めの頃から、練習風景を録音してあるんですよ。昔の録音を聞くと、今とはまるで別人のようですから、たとえ牛歩の歩みであっても、前進しているんですよ。もちろん、若い人とは全くペースが違いますがね。

     五年前の私は、使える音域だって、ロクロク無くて、せいぜいレ~レの1オクターブぐらいだったし、音階練習をしていれば、まこと不思議な音程で歌っていました。当然、まともに歌える歌もなくて、こんな人を生徒にして指導していたキング先生の根気よさに脱帽ですよ。五年たって、音域もラb~ラbの2オクターブにまで広がったし、とりあえず普通に音程を取れるようになりました。歌に強弱がつけられるようになったのも、今年になって、ようやく出来る様になりました。改めて過去から振り返ってみると、それなりに上達したものです。

     音域も割とすぐに高いミまでは出るようになりましたが、そこから音域を半音広げるのに1年ずつかかってますよ。で、五年かけてやっとラbです。来年の今頃は、ラが使えるようになっていたら、うれしいですよ。ラまで出せれば、大半のテノールの曲が歌えますからね(喜)。

     だから、老いた犬さんも、進歩が遅い事だけが悩みなら、全く悩む必要はありません。アラフィフの進歩は牛歩なんです。それに歌は、歌い続けていれば、かなりお年を召されても楽しめるものですよ。キング門下に行くと、私は若輩者ですからね。私よりも人生の先輩方はたくさんいるし、皆さん、熱心だし、年々上達向上していますよ。

    >きっと歌とのご縁は切れないのでしょうね

     縁を切ると言うか…しばらくお休みをしようと思っていましたが、なんかそんなわけにも行かない様な雲行きを感じてます。リアルな生活の方では、実はまたまた動きがありました。これがカタチになるなら、来週あたり、記事に書けるかもしれません。ってわけで、声楽ファンの皆さん、乞ご期待(なんてね)。

  11. 椎茸 より:

     一度声楽を学ぶと、同じ歌でも他の道に…っていうのはけっこう大変かもしれませんねー。私、ロックが好きで、よくCD聴いたりyoutubeで動画を観ているのですが(正直、ああいう歌も歌いたいけど、もう無理だなーって思ってしまいます。だから、聴くだけです。
     やりたいことがたくさんあって、すごいですね。次はなにをやるのかな~
     

  12. すとん より:

    椎茸さん

    >やりたいことがたくさんあって、すごいですね。次はなにをやるのかな~

     今はやっぱり『声楽』。だけど『このまま声楽でいいのかな?』って気持ちもあります。それと『声楽をできるのかな?』って気持ちもあります。

     大きな買い物をする時、カタログを集めて、ニタニタしながら、アレもいい、コレもいいって、品定めをするじゃないですか。今はまさにその状態なので、ゆっくり、色々、検討してみたいんです。

     それに、キング門下にいたために出来なかった事とか、歌劇団にいたから諦めていた事もあるので、まずはそういう奴をやっつける事から始めようかと思ってます。

     そうそう、私もロックは好きだけれど…ロックはやっぱり、痩せた若者がやる音楽だよね。肥えたオッサンがやる音楽ではないと思います(笑)。なので、私もパスしておきます。

タイトルとURLをコピーしました