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どんな声で歌うべきか?

 フルートでは、日々の練習で音色を磨く練習をします。具体的にはロングトーン練習なんだけれど、耳をすませて、理想の音色になるように毎日毎日心を込めてフルートを吹きます。で、こんな練習だけれど、確かに毎日継続する事で、フルートの音色が磨かれて、より美しい音になります(経験済み)。
 では、声楽ではどうするべきなのか?
 毎日の発声練習で、耳をすませて、理想の歌声になるように毎日毎日心を込めて歌っていれば良いのか?
 たぶん、大筋では正しいやり方なのかもしれないけれど、何点か問題があります。
 まず「耳をすませて」の部分です。
 楽器と違って、歌手は正しい意味で自分の声を聞くことができません。歌っている時に自分に聞こえる声は骨伝導音なので、これを元に音色を磨く事は危険です。しかし、この問題は録音機等を利用することで解決する事はできます。録音を積極的に活用しましょう。
 次は「理想の歌声」の部分です。
 例えば、私にとって、理想のテノールの歌声は、マリオ・デル・モナコの歌声ですが、モナコの声になるように歌っていればモナコのような美声に慣れるのでしょうか?
 まず無理ですね。だって私はモナコじゃないもの。声ってのは、一人ひとり違うのが当然だもの。とは言え“ものまねレベル”で良ければ、練習次第では可能かもしれませんが、そんなモノマネの歌声で歌い続けられる程、クラシック声楽は甘くも簡単でもありません。
 ある意味、理想の声で歌うのは、諦めないといけません。
 ではどうすべきか? 私が思うに「自分の声を素直に鍛えていく」しかないかな?って考えます。自分が持っている武器を最大限に有効化していく…というシンプルな発想です。まあ、いくら鍛えて磨き上げても、自分の声がそもそも美しくなければ、いくら頑張っても美声にはならないのだけれど…ね。
 歌手は自分のカラダが楽器であると言います。歌声は、自分の骨格や筋肉に強い影響を受けます。私がいくらモナコに憧れていても、どれだけ鍛え上げてモナコのような筋肉を手に入れたとしても、モナコとは骨格が違うので、モノマネで似たような声は出せるかもしれませんが、それはあくまでも“似たような声”でしかなく、モナコの声ではありませんし、それを入手するのは最初っから無理なんです。
 だから自分の声で歌うしかありません。仕方ないじゃない。たとえ美声でなくても、自分の声で歌うしかないじゃない? せめて出来る事としては、そんな自分の声を精一杯鍛えて磨き上げる事しかできないじゃない?

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