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筋肉の付け方について考える

 レッスンの時にY先生と雑談をしながら教えられた事です。
 私の欠点は色々あるわけだけれど、目下の課題は“腹筋”です。腹筋の動きが悪いのです。うまく動かせていない…もあるし、何より動作が遅いのです。
 筋肉の動作が遅い…確かにそうなのです。頑張って素早く動かそうと思っていますが、私の感覚での素早さでは、全然足りないみたいで苦労しています。
 私は柔道有段者で、体型的にも格闘技に最適化しています。とにかく、殴るとか蹴るとか壊すとか締めるとか投げるとかは得意です。無意識で人体の急所に一撃を入れる事ができます。面倒くさい事は殴って解決したくなる人です。
 私は腹筋が弱くて歌では苦労していますが、じゃあ腹筋運動ができないのかと言うと、全くそうではありません。若い時は毎日500回の腹筋運動をノルマにしてました。さすがにアラカンな今となっては、一度に500回は無理です。先日、何気に腹筋マラソンをやってみたら、30回前後で限界が見え、50回程で腹筋がつりました(涙)。いやあ、腹筋がつると、手足がつるのとは別次元の苦しみが待ってます(大涙)。でも、日課にしたら、500回は無理でも、毎日100回くらいは楽にできるようになるのかな?…なんて思いました。
 そんな事もふまえて先生と話したのだけれど、先生がおっしゃるには、そういう腹筋運動はむしろやっちゃダメなんだそうです。
 いわゆる体育会系の腹筋運動ってのは、アウターマッスルを鍛えるわけです。実際、格闘技で使うような、殴る蹴る系の筋肉の大半はアウターマッスルなわけです。
 でも、歌で使う腹筋…支える系の筋肉の大半は、実はインナーマッスルの腹筋なわけで、筋肉の種類も場所も全然違うわけです。
 だから、アウターマッスルをいくら鍛えても、歌で使う腹筋には直接関係ないし、それどころかアウターマッスルを鍛えると、アウターマッスルが大きく重くなってしまいます。アウターマッスルが大きく重くなると、インナーマッスルの動きの邪魔…と言うと、余計な負荷になってしまうわけで、むしろ逆効果なわけです。
 更に言うなら、筋肉ってのは、速筋と遅筋の組み合わせで作られているわけだけれど、鍛え方によって速筋が優位な筋肉や遅筋が優位な筋肉とかに育つわけなのだけれど、どうも私は若い時に頑張ってパワーをつけたので、遅筋が優位な筋肉を持つカラダになっているんだろうなあって思います。アウター&遅筋が優勢って…いわゆる、ゴリラ系だね。
 どうも、声楽家が目指す体型は、そんなムキムキなゴリラではなく、いわゆる細マッチョ? タイプで言えば、ダンサーのような体型が理想であって、力士やレスラーのような体型ではないわけです。デブであっても、筋肉たっぷりの固太りのデブではなく、脂肪たっぷりのブヨブヨなデブの方が声楽家向きなんだろうと思います。
 ううむ、私、スーツとかは、レスラーの皆さんが出入りする店で作っているんだけど…。じゃないと、私のカラダに合うスーツが作れないんだよね(涙)。
 妻は(すでにブログに書いているけれど)元プロダンサーなので、そのあたりの素早い動きとかは得意みたいなのです。だからコロラトゥーラのコロコロしたフレーズもヒャラヒャラ歌えるんだよなあ…。うらやましいです。
 一方、私はアマチュア格闘家上がりのアマチュア歌手なので、パワーはあっても、スピードは無いんだよね…。
 ふう…溜め息出ちゃうよ。
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コメント

  1. 如月青 より:

    私も奥さまがつくづく羨ましいです。運動神経にも筋力にも見放された人間なので。
    アウターマッスルは×という話はよく聞くのですが、ヴァグナー系の歌手はどうなのでしょう?映像でしか見たことがないのですが、男女ともボディビルダー?と見紛う筋肉もりもりの方々が多いような・・・。あれは鍛えたのか生まれつきなのか、知りたいところです。

  2. すとん より:

    如月青さん
     私とは見ている歌手が違うのだろうと思いますが、私はヴァグナー歌手が筋肉もりもりには見えません。
     ただ、彼等ヴァグナー歌手は、ヨーロッパ人の中にあっても、上背があり、胴回りは前後にも左右にも太い人が多いなあとは思ってます。
     ちなみに左右に太いのは、彼等が(やっぱり)肥満体だからです。でも、前後に太いのは人種的な特徴です。日本人は人種的に、左右の幅はあっても、前後の幅がありません。それゆえに、ボディ周りの筋肉は少ないですし、肺の容量も少ないです。あっちの人は、ボディ周りは筋太ですし、肺の容量もたっぷりです。
     顔つきを見ても、彼等は前後に厚いため、鼻も高く、口腔内の容積もたっぷりですから、深い声が出るんですよね。普通の人でもそうですが、オペラ歌手、とりわけ、ヴァグナー歌手は、特に巨大な人が多いというのが、私の印象です。
     ヴァグナー歌手に巨大な人が多いのは、単純に体力の問題だと思います。何しろ、ヴァグナーの楽劇は、長いですし、歌手は歌いっぱなしですから、めっちゃくちゃ体力が必要なので、そんな体格の人でないと、レパートリーにできないのだと思います。あの巨体は、ある種の才能であって、生まれつきなのはもちろん、その持って生まれたものを、さらに鍛えて磨き上げた賜物だと思いますよ。

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