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白痴美を加えてみた

 声楽のレッスンの続きです。
 まずは、シューベルト作曲「美しき水車小屋の娘」の 6番「Der Neugierige/知りたがる男」です。ちなみに、この曲は今回で合格で、次回からは 7番「苛立ち/Ungeduld」になります。
 今回の注意点は、歌い方というか、曲の様式美についてです。
 この曲はシューベルトの楽曲なので、シューベルトの楽曲としてふさわしい歌い方があるので、そのように歌って欲しいという事なのです。ちなみに、今の私の歌い方だと、シューベルトっぽくなく、あえて言えばシューマンっぽいのだそうです。
 まあ、シューベルトは古典派の作曲家で、シューマンはロマン派だもんね。そりゃあ歌い方が違っていても仕方ないし、私はロマン派の音楽が大好きな人だから、無意識で歌えば、どうしてもロマン派っぽい歌い方になってしまうのも仕方ないです。
 なので、古典派を意識しながら歌ってみたところ、先生から合格をいただきました。
 では、具体的に私は何をしたのか? 私にとって古典派の音楽とは(一般的にはべートーヴェンなのだそうですが)モーツァルトなのです。ですから、シューベルトを歌う際に、モーツァルトが持っている“白痴美”を加えて歌ってみました。白痴美がダメなら“天真爛漫さ”を加えてみました…と言い換えても良いです。とにかく、何の悩みもなく、青空に向かって歌っている気分で歌ったわけです。
 それで、OKです。ううむ、それでOKでも、個人的にはあまり好きな歌い方じゃあないなあ。
 白痴美を加えて歌ってみると、なんか(個人的には)初音ミクっぽい歌い方に近づいているような気がするのと、デジタル・アナログで言えば、なんかデジタルっぽい歌い方に近づいているような気がします。
 初音ミクじゃダメでしょ? デジタルっぽいのもダメでしょ? なんか、ちょっぴり複雑な感じです。
 様式美についてまで考えて歌うのって、ある意味、作曲家に寄り添って歌っていくわけで、歌って、作曲家に寄り添って歌うスタイルもあれば、歌手側に寄せて歌うスタイルもあって、個人的には歌手側に寄せて歌いたいのが私なのですが…勉強のためには、作曲家に寄り添って歌えるようにしておくのも必要なのだろうと割りきって学習していきたいと思います。
 で、次の 7番「苛立ち/Ungeduld」は、そんな白痴美をプラスした歌い方で最初っから歌えたらいいなあと思ってます。
 さて、という訳で7番の楽譜を見てみたら…有節歌曲じゃん、ありゃこりゃ参ったね。ただでさえドイツリートは苦手なのに、さらに苦手な有節歌曲と来たもんだ。これは苦戦しそうだ(汗)。
 最後は、ヴェルディの「La donna e mobile/女心の歌」です。「リゴレット」のアリアです。この曲は、最高音以外はまあまあ仕上がりました。問題は最高音Aです。
 この最高音Aと言うのは、♯がかかっているので、実際のところはA♯なわけで、A♯と言えばB♭なわけで、そんな高い音は今の私には出せるわけがない…とか思っております。でもまあ、そんな高い音程であるAを頑張って出してみましょうってわけで、ちょっと集中的にやってみました。
 “F♯ → Fx → A♯”という音程の繋がりなので…
1)徐々にクチを開いていく。
2)A♯は高い音だが、瞬間的に出れば良いので、瞬発力に任せる(ほぼ博打)。
 というわけで、無論レッスンではうまく出来なかったので、自宅練習で「クチを徐々に開く」事と「FxからA♯を腹圧で瞬間的に出す」事の2つを集中的に練習してくる事になりました。
 頑張るぞい。

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コメント

  1. 如月青 より:

    私見ですが、6番は水車小屋の中ではすごくロマンチックというかシューマン的というか、ひたすら甘くうっとりと盛り上げたい曲です。
    モーツァルト的に無邪気なのは7と11で、中高生がノートに好きな子の似顔書いてにやついてる感じかな。7は高く11は低いですが。
    A♯、出せるのはうらやましい❗私はレッスンに行くとこのところいつもf2とかg2の発声で引っ掛かり、曲に行く前に時間切れです。マスクの使い方がなってない、と。
    家ではh2くらいまで出しているんだけど、先生の前だからか、家のピアノの音が狂ってるのか?
    調子が悪いときの方が教わることが多くて勉強にはなるのだけど、ちょっと悔しいです。

  2. すとん より:

    如月青さん
     A♯に関しては、出ていると言うよりも出しているって感じです。もっとも、ちゃんと出ているかどうかは微妙なところです。もう若くないので、あまり博打が打てず、出ない限界もなんか分かりつつある私です。今よりもう少し若かった時は、体調によって、高い音もスラっと出ていた時もあったのですが、もう体調うんぬんは関係なく、出ないもんは出ない感じになりつつあります。
     筋力が衰えてきているんだろうなあ…。
     私も家で歌った時と、先生の前では、やはり違います。ただ、歌なんて人前で歌ってナンボなので、先生の前でもちゃんと歌えないと、それは歌えるとは言えない…と割り切って練習に励んでいる今日このごろです。
     それにしても、急に寒くなりましたね。

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