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バリトンって中声?

 男性歌手の場合、テノールは高声であり、バスは低声であります。どれだけ高い声が出せるかがテノールの売りであり、どれだけ低い声を響かせられるかはバスの真骨頂なわけです。
 ならば、バリトンは中声であって、どれだけ普通の真ん中ぐらいの声が出せるかが勝負…なわけないわな。普通の真ん中ぐらいの声は、誰でも出せます。テノールでもバスでも、中声が歌えなきゃ話にはなりません。ましてやバリトンをや。
 じゃあバリトンって何なの?って話になりますが、私が思うにバリトンって“美声”担当のパートだと思うのですよ。高い声、低い声で勝負をするのがテノールやバスなら、美しい声で勝負するのがバリトンなのです。実際、プロのバリトン歌手の皆さんって、皆さん、うっとりするような美声だしね…。
 じゃあ、女性の歌手の場合は、ソプラノが高音で、アルトが低音で、メゾが美声担当? …なわけないよね。そもそも、女性歌手に低音は求められていないし(必要なら男が歌えばいいわけだから)、女性の場合、どのパートであっても美声は求められているし…。
 あえて言えば、メソはセクシー担当で、アルトは母性担当かな? メゾにはキャバい声が求められる事が多いし、アルトには肝っ玉母さん的な「ドンと来い!」的な声が要求されるでしょ? そうなると、もはや声の高低なんて関係ないしね。
 ソプラノは多種多様だよね。様々な声のキャラクターが要求されるわけだから、そういう意味では、女性歌手って男性歌手よりも声に多くの要素を求められるわけで、求められる水準が男よりもよっぽとキツイなあと、他人事ながら同情してしまいます。
 ちなみに、合唱の世界は(怒られるかもしれないけれど)もう少し単純だよね。ソプラノはメロディ担当だし、メゾやアルトは器用にハモレル声が求められます。テノールにせよバスにせよ、男声は女性の邪魔さえしなけりゃOKでしょ?…って、やっぱ、怒られそうだな。

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コメント

  1. 如月青 より:

    合唱で一番面白いパートはテナー(と勝手に)思っています。
    混声4部の場合、(モーツァルト以降なら)ソプラノ-メロディかスキャット、アルト-ハーモニー、バス-リズムという役回りはほぼ変わらない。テナーは基本的にはアルトと組むハーモニーパートですが、高音部つながりでメロディ、男声つながりでリズム、ということも多々あり、一番色々なことが出来るのではないかと。その反面変わり身の早い器用さも求められますが・・・。

  2. すとん より:

    如月青さん
    >合唱で一番面白いパートはテナー(と勝手に)思っています。
     ええ? 実際に歌ってみると、そうでもないよ。合唱やるならメロディを歌えるソプラノか、合いの手を入れるアルトでしょ。男声ならバス一択。合唱のテノールって、実際問題、いなくても合唱が成立しちゃうパートだからねえ…。良い言い方をするなら、隠し味とかスパイスとか、まあ、そんな感じです。そこに面白みを感じるか、脱力感を感じるかは、その人次第です。
     私は合唱なら、テノールよりもソプラノの方が、絶対に面白いし、楽しいと思いますよ。

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