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大変だけれど、楽しいボエーム

 声楽のレッスンの続きです。とにかく、先生的にはボエームが心配なので、発声練習もそこそこに、ボエーム(第1幕)の練習に取り掛かりました。

 10ページの“L’indea vampi in fiamma ”の部分は、メロディが二つ書いてあって、通常は高く歌うオプションの方のメロディを歌うわけだけれど、本番当日の体調がどうなるか分からないのだから、練習では本来のメロディ(実はかなり低いです)でも歌えるように練習しておかないといけないと言われました。…ってか、なかなか高いBで歌うのは大変なのですから、本番は本来のメロディで歌う可能性が高いしね(汗)。

 28ページの“Unidea!”を、私は“U-ni-de-a!”と4音節で歌ってしまうのだけれど、楽譜上は“U-ni-dea!”と3音節(3つの音符)なので、3音節で歌うように言われました。これがソロの曲ならば、言葉を優先して4音節で歌ってもいいのですが、アンサンブルですから、ここを3つで歌うか、4つで歌うかは、合わせている相手的には大事であって、私が今のまま音符4つで歌ってしまうと、おそらく次の人たちがびっくりして、うまく入れなくなるだろうって事です。

 同じく28ページの“Ottima carta~”の部分が、どうにもうまく入れません。ここはリズムも中途だし、きっかけも無いので、歌に入るのが、ほんと、難しいです(涙)。

 他にも細々としたところを指導されましたが、あまりに細か過ぎるので割愛します。

 で、私のレッスンが一通り終わったところで、妻のレッスンになりました。いつもの私なら、この時間で、先生から学んだ事を頭の中で整理して、メモ帳にまとめます(そのメモがブログのネタになります)。ところが今回のレッスンでは、妻の発声練習が終わり次第、ボエーム(第4幕)の練習になりました。第4幕は彼女がミミを歌うので、当然彼女がレッスンの主役なのですが、第4幕には、彼女との大きな二重唱があるので、必然的に私もレッスンに参加する事になり、おちおち休んでいられません。

 とは言え、第4幕はあくまでもミミのステージなので、私の役割は、二重唱とは言え、終始“合いの手を入れる”わけですから、主役の歌を邪魔しないように気をつけながら歌っていきます。ですから、275ページの“Io spero ancora”などは、ささやくように歌うわけです(本当にささやくと聞こえないのでNGです)。

 その流れで、ミミが死んだ後のシーンも練習をしました。オペラのフィナーレは、ロドルフォが歌ではなく、セリフをガンガン言っていくのですが、そのセリフが難しい。いやあ、同じ語句でも歌うのなら何とかなるのですが、しゃべるとなると、ほんと、難しい。なぜオペラにレチタティーヴォが発達したのか、分かったような気がしました。とにかく、セリフの部分は、歌と違って誤魔化しが効かないので、かっこよく演劇的に、いかにもイタリア語っぽくしゃべらないといけません、ああ大変だ。

 で、ひとまずボエームの譜読み確認は終わりました。とりあえず、カタチになっている事が分かったので、次回からはテクニカルなレッスンにしましょうと言われました。楽譜通りには(それなりに)歌えているので、よりシビアにより厳密に、あれこれ声楽的なテクニックを駆使しながら歌うことを学んでいく予定です。

 もちろん、それと合わせて、暗譜をそれぞれの責任でやっていかないといけません。正直、分量がアマチュアの発表会レベルではないので、かなり真剣に暗譜していかないと追いつきません。頑張ろう。

 今回のボエームでは、ミミが4人、ロドルフォとムゼッタが2人ずつ、マルチェッロ、コルリーネ、ショナールは1人ずつで歌います。のべ9人の歌手が登場しますが、アマチュアが6人、プロ歌手が3人の割り振り(?)になっています。どのシーンにもプロ歌手が加わっていて、実際の歌唱をリードしてくれる手はずになっています。プロ歌手が参加せずアマチュア同士の組み合わせで歌うのは、第1幕のロドルフォとマルチェッロの二重唱と、第4幕のロドルフォとミミの二重唱ぐらいで…って、両方とも私の箇所じゃん(笑)。私が歌う箇所では、プロの助けはないから、頑張んないとね。

 さて、今回のボエームですが、ハイライト上演となっていますが、オペラの聞かせどころは、きっちり網羅されております。使用する譜面だって、海外の歌劇場で歌っているプロ歌手たちが使っている譜面と全く同じもの(イタリアのリコルディ社のヴォーカル譜)を使用しているわけだし、使用言語もオリジナルのイタリア語を使って歌うわけだし、伴奏がオーケストラではなくピアノだという事ぐらいで、音楽面ではかなり本格的な上演になっています。

 そんなマジなオペラ上演に、たかがアマチュアのオジサンオバサン集団が、チャレンジするわけで、ある意味、無謀と言えば無謀、無茶と言えば無茶なのは、分かってます。おそらく仕上がりだって、プロの方々の上演レベルには、到底及ばないでしょう。でも、情熱は負けてません。

 市民オペラ団などに入団すれば、例えアマチュアであっても、オペラ合唱をやらせてもらえるかもしれません。それはそれで素晴らしい体験だろうけれど、アマチュアの我々がやれるのは“名もないその他大勢のモブたち”です。名前の付いている役は、プロの方々に独占されるのが常です。まあ、実力的にも、当然な話でしょう。

 でも今回のボエームは違います。我々アマチュアが、名前の付いた役を歌うのです。私なんて、主役だよ(笑)。もう、驚いちゃうよね。おそらく、オペラの原語上演に主要キャストで参加できるなんて“一生に一度”の事です。たぶん、もうないよ。それほど、貴重な得難い体験をしようとしているわけだから、準備が大変であっても、臆せず前に進むだけです。頑張れ、自分。

 大変だけど、楽しい。それが今の、偽らざる感想です。

 ここから、ほとんど毎週のように、本番まで、ボエーム関係の練習やらお稽古が入ってきます。そんな生活なんてしたことないし、ちょっぴり不安だけれど、ここは楽しんで乗り切るしかないと思ってます。

 頑張れ、自分。マジで頑張れ。

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コメント

  1. wasabin より:

    チャレンジング!
    こうした企画をされる先生も立派です。
    大変でしょうが、やりがいあり、終わったら相当進歩されてる事と思います。
    頑張って下さい~

    バレエにうつつを抜かしている私です。

  2. すとん より:

    wasabinさん

     そう、チャレンジなんです。

     確かに大変だし、難しいし、面倒くさいです。でも、それらを超越した楽しさと達成感が待っていると、私は信じています。そういうハードルを用意してくださった先生方に感謝してますし、それらを無事に飛び越えるべく頑張っています。

    >終わったら相当進歩されてる事と思います。

     そう思います。昨年の発表会も今思えば、私の力量でモーツァルトを歌うなんて、無茶にも程が有りますが、それに正面からぶつかった事で、今の私の上達があると実感しています。今回のボエームも正面から取り組む事で、絶対に上達できる…と信じています。

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