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湯河原に行ってきました その2 歌を聞いた

 美術館の喫茶店から聞こえてきたのは、まぎれもないオペラ声でした。店の外から中を覗いてみると、どうやら何かの演奏会のリハーサルをしているようでした。我々が入り口で様子を伺っていると、中から人が出てきて説明をしてくれました。この人(実は本日のソプラノさん)は、今歌っているのはゲスト歌手で、その人はとてもすごい人なんだと力説していました。俄然、興味が湧いてきました。
 とは言え、チケットだって持っていないし、どこで買えるのかも分からないし、チケットが入手できたとしても、開演時間までまだ小一時間あるみたいだし、終演時間次第ではお宿の夕食時間に間に合わなくなってしまうかもしれないし…。そんなわけで、見たいんだけれどなあ…と悩んでいたら、別の人(主催者側の人のようです)が出てきて、開演まで店内で待っていればいいとアドヴァイスをくれました(なにしろ喫茶店ですから)。チケットはまだ当日券があるので、開場時間になったら、改めて購入してくれればいいし、コンサート自体は90分程度(ちょうど夕食の少し前で終わります)だからと言われて、店内に入って、紅茶でも飲みながら、リハーサルを見ながら、コンサートを待つことにしました。
 どうやら、ソプラノ歌手とバリトン歌手、それにピアニストの三人組での演奏会のようです。ピアノは電子ピアノで、曲に合わせて、ピアノの音で演奏したり、チェンバロのような音で演奏していますが、それほど違和感はありません。
 俄然、期待が増してきました。
時間になり、コンサートが開演しました。このコンサートは、美術館併設の喫茶店が主催する月イチコンサートでした。いろいろなジャンルの音楽家さんを招いてコンサートをしているようで、今月はたまたまオペラ歌手さんによるクリスマスコンサートだったわけです。なので、実に奇遇。とても良いめぐり合わせだったんですね。
 コンサートそのものは、ソプラノ歌手さんとピアニストさんのコンビによるコンサートのようでした。リハーサルで聞いたバリトン歌手さんは…ゲスト出演のようで、ソプラノ歌手さんの師匠さんのようでした。
 ソプラノさんは、声に恵まれた方でした。実に美声。喉もかなり強い。ボリュームもある。声だけなら、一流のソプラノさんでしたが、そのステージ運びや選曲は実にユニークで、色々な意味で面白くて楽しめるコンサートでした。
 まず、御自身がメインのコンサートなのに、序盤は楽譜をガン見して歌っていました。別に楽譜ガン見が悪いとは思いませんが、本当に楽譜をガン見していて、楽譜は譜面立てに載せているのですが、その譜面立ての高さが高くて、演奏者の顔をがほとんど見えません(笑)。普通、楽譜をガン見するにしても譜面は腰の高さぐらいまで低くして、演奏者のバストアップぐらいはお客さんに見えるようにするものなのに、顔を隠すほどに楽譜を高くしていました(たぶん、視力が良くないのかもしれません)。
 さすがに2曲目を終えたところで、会場の後ろにいた師匠からダメ出しが出て、楽譜を少しだけ下げて、顔を見せるようになりましたが…顔を隠して歌う歌手なんて、初めて見ました。もう、それだけで珍しいモノが見れて、楽しい私でした。そうそう、楽譜を下げた時に気づいたのは、ソプラノさんの髪型が、縦ロールだった事です。いやあ、縦ロールよ。アニメのヒロインのお姫様なら縦ロールもありますが、リアルな人物で縦ロールをしている日本人なんて、私初めて見ました。いやあ、良いモノを見せてもらいました。眼福眼福。
 コンサートの進行も、なんかおどおどしているし、歌に関しては言い訳が多いし、この人、本当にプロなの?って思ってみたら、一応、藤原歌劇団の準会員だし、きちんと専門教育を受けているし、オペラ出演歴もコンクール歴もちゃんとしているし、このコンサートの入場料も取っている(笑)し、どこをどう切り取ってもプロ歌手なんだけれど、コンサートの運び方が、いかにもアマチュアっぽいんですね。この人、たぶん、しゃべらせたらダメなタイプの歌手さんなんだろうと思いました。せっかく、声は絶品なので、進行役を別の人に頼んでコンサートをやったら、よいだろうなあって思いました。せっかくの歌を、進行でダメにしちゃっていて、とても残念でした。
 あと、選曲も実にデタラメで楽しかったです。「ロミオとジュリエット」の「私は夢に生きたい」を歌った直後に、「蝶々夫人」の「ある腫れた日に」を歌っちゃうんです。それも両方、きちんと歌っているわけで、ほんと、デタラメ。アマチュアにはたまにそういうタイプのソプラノさんもいますが、プロなら、この組み合わせでは歌いません。だって真逆なタイプのアリアだもの。よほどの腕扱き以外は、この組み合わせの選曲はしないでしょう。
 そんな超難度の選曲をしておきながら、コンサート前半で歌っていた歌曲は、もっと難易度が低い曲なのに、今ひとつな出来なのはなぜ? なんかもう、実に不思議な歌手さんで、それゆえに面白くて目が離せませんでした。
 ゲストのバリトン歌手さんはピーノ松谷さんでした。本物のプロ歌手です。この方の生歌を間近で聞けただけで、入場料分の価値はありました。
 いやあ、実に楽しかった。私にとっては、サプライズなコンサートだったわけで、旅行のメインイベントになったくらいです。実に満足して、お宿に戻った私でした。
 続きはまた明日。

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コメント

  1. ドロシー より:

    多分、私の知っている人だと思いますが、自分の本番と重なって行けなかったのが残念でした。
    とりあえずすとんさんご自身が満足されたようで何よりでした!

  2. すとん より:

    ドロシーさん
     あけましておめでとうございます。お返事遅くなってごめんね。
     色々と面白いコンサートで、記事に書きましたが、私はとても気に入りましたよ。カタにはまっていない楽しさってヤツですね。しかし、あれだけ歌えるなら、言い訳せずに堂々としていればいいのに…と今でも思ってます。ほんと、勿体ないです。

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