さて、その3です。これもその2同様、モーツァルト『フィガロの結婚』の伯爵夫人のアリアで「楽しい日々はどこへ/Dove sono i bei momenti」です。その2で取り上げた「愛の神よ、安らぎを与えたまえ/Porgi amor qualche ristro」は2幕の冒頭で歌われるアリアであるのに対して、こちらの「楽しい日々はどこへ/Dove sono i bei momenti」は3幕で歌われます。幕は違い、伯爵夫人の周囲は大きく動いてますが、伯爵夫人が置かれている状況はさほど大きくは動いていません。ただ、2幕では悲しみ嘆くだけだった彼女も、3幕では周囲の巻き込まれながら、夫へ仕返し(ちょっとした憂さ晴らし?)をしてやろうかしら…と気持ちが芽生え、ほんのちょっぴりだけ前向きになった事が2幕との違いかな?
とりあえず、こんな感じのアリアです。
今回の伯爵夫人は、メトロポリタン歌劇場の現役ディーヴァであるルネ・フレミングの歌唱です。肝心の「楽しい日々はどこへ」は開始後2分ほどしたところから始まっていますので、一刻も早くアリアが聞きたいという方は、最初の2分を飛ばしてくださいな。
今回の歌詞と訳詞は、こちらのサイトから転載しました。感謝です。
Dove sono i bei momenti
どこにあるのかしら、あの美しい日々、di dolcezza, e di piacer,
甘く楽しかった日々は?dove andaro i giuramenti
どこにいってしまったのかしら、di quel labbro menzogner?
あの嘘つきの唇から出た誓いの言葉は?
Perchè mai, se in pianti e in pene
涙と苦しみの中で、私にとってper me tutto si cangiò;
全てが変わってしまったのに、La memoria di quel bene
なぜあの幸せな思い出はdal mio sen son trapassò?
私の胸から去らないのでしょう?
Ah! se almen la mia costanza
ああ、苦しみの中にあってもnel languire amando ognor
常に愛する私の一途さが、mi portasse una speranza
せめて、あの情知らずの心をdi cangiar l’ingrato cor.
変えてはくれないものかしら。
それにしても、アマチュアの発表会に行くと、ほんと、モーツァルトを歌う人が多いです。特に、今回、3曲連続で取り上げた『フィガロの結婚』は頻出です。日本人って、モーツァルトが、フィガロの結婚が、大好きなんでしょうね。…難しいのに。私などは、勉強のためにモーツァルトは歌いますが、舞台では決して歌いたいとは思わないのだけれど…。
ちなみに、明日もモーツァルト、それも『フィガロの結婚』から、またまた取り上げます。さて、明日はどの曲を取り上げるか(笑)、お楽しみにしていてください。
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