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素人の発表会でよく耳にするオペラアリア その2「愛の神よ、安らぎを与えたまえ」

 さて“その2”として取り上げるアリアは“その1”同様、モーツァルトの『フィガロの結婚』からのアリアで、伯爵夫人のアリア「愛の神よ、安らぎを与えたまえ/Porgi amor qualche ristro」です。

 どんな曲かと言えば、こんな感じです。

 音源的には、ちょっと古めですが、モンセラート・カバリエの歌唱です。カバリエと言えば、当時はカラスの再来とか言われた大物ソプラノで、若い頃のカレーラスは彼女によってキャリアを作ってもらった…と言われるほどのソプラノです。

 こういう大物感バリバリの人が歌うのに、実によく似合ったアリアだと思います。

 歌詞と訳詞は以下の通りです。今回は、こちらのサイトのモノを転載させていただきました。感謝です。

Porgi, amor, qualche ristoro
お与えください 愛の神よ 慰めを

al mio duolo, a’ miei sospir.
私の悲しみに 私のため息に

O mi rendi il mio tesoro,
おお 私に愛する人を返してください

o mi lascia almen morir.
さもなくば私を死なせてください

 アリアのシチュエーションとしては、伯爵夫人が夫である伯爵の気の多さを嘆いているアリアです。熱烈な恋愛を経て結婚した二人だが、やがて夫婦仲も冷え、伯爵は妻である伯爵夫人を無視しているわけではないのだけれど、あれこれと他の女性にもちょっかいを出しているわけです。今回も、伯爵夫人の小間使いであり友人でもあるスザンナにちょっかいを出しているわけで、それが悲しくて恨めしくて、でも誰にもその事が言えない伯爵夫人の心中を吐露しているアリアなわけです。

 実に美しいアリアです。歌詞が少ないが故に、音楽で多くを語っているアリア…だと思います。この曲は、ある程度、声が成熟したソプラノ向けのアリアです。曲自体がきちんと仕上がっているので、落ち着いて歌えば、それなりにステージ映えのする素敵な曲なので、人気も高いのでしょうね。

 あと、役柄の設定的には伯爵夫人もまだ若い娘なのですが、声的にはさほど若さを求められていない役でもあるので、年配者が歌っても違和感がないのも人気を集める理由かもしれません。実際、音源ではオバサンオバサンしたカバリエが歌っていますしね。アリアの場合、やはり役と声が合っていないと、良くないで、その点でも、人生のお姉さま方が歌いたがるのかもしれません。

 あと、歌詞が圧倒的に短いのも、アマチュア向けなのかもしれません。何しろ、声楽の発表会って、基本暗譜ですからね。歌詞の分量が多いと、それだけで負担が増えてしまうわけで…歌詞の少ない曲は、歓迎だったりします。

 それにしても、ほんと、よく聞きます、この曲。

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