さて、本日お薦めするオペラは、プッチーニ作曲の「トスカ」です。プッチーニは実に素晴らしいオペラをたくさん書いてます。今回も、その中からどれをお薦めしようかと悩んだほどです。最近流行りの「誰も寝てはならぬ」が入っている「トゥーランドット」が良いか、それとも日本を舞台にした「蝶々夫人」が良いか、あるいはミュージカル「レント」の原作になった「ラ・ボエーム」も捨てがたいし、歌を学ぶソプラノさんなら誰もが歌う「私のお父さん」の入った「ジャンニ・スキッキ」も悪くない。個人的には「マノン・レスコー」も大好きだし…と悩んだ結果、「トスカ」をお薦めする事にしました。
推薦理由は、ストーリーがちゃんとしている事。ソプラノ、テノール、バリトンのそれぞれに素晴らしいアリアがある事。何と言っても有名なオペラなので、見ておいて損はない事…かな?
ストーリーはこんな感じです。
画家であるカヴァラドッシが教会からの注文で、マグダラのマリア像を描いているところに、彼の旧友で現在は革命の志士として働いてるアンジェロッティが追手に追われて教会に逃げ込んできた。彼は政治犯として命を狙われているのである。追われている友人を見捨てる事ができないカヴァラドッシは、彼を自分の別荘に匿う事にした。そこにカヴァラドッシの恋人である歌手のトスカが現れる。カヴァラドッシの態度に不審感を抱いたトスカに事情を説明するカヴァラドッシ。トスカは納得はいかないものの、その夜、舞台が終わった後にデートする事を約束して別れる。その後、号砲がとどろき、アンジェロッティの逃亡が発覚した事を悟ったカヴァラドッシとアンジェロッティは教会から立ち去り、別荘に向かう。
入れ替わりに教会にやってきたのは、アンジェロッティを追ってきた警視総監のスカルピアである。スカルピアは教会で聞き込みをした結果、何か怪しいと気づいたところに、まだカヴァラドッシの態度に納得していなかったトスカが、彼にもう一度確かめるべく再び教会に現れる。トスカに聴きこみをするスカルピアは、トスカの態度から何かあると感づく。そして、かねがねトスカに横恋慕をしていた事もあり、これを機会にトスカをゆすって自分の女にしてしまうと企む。
教会から出て行くトスカ。その後を部下に尾行させたところ、トスカはスカルピアがやってきた事をカヴァラドッシに伝えようとして、尾行されている事も知らずに、別荘に行ってしまう。隠れていたアンジェロッティが見つかってしまうが、命からがらアンジェロッティは逃げ出す。その代わりにカヴァラドッシが政治犯を匿ったとして捕まってしまう。
その夜、ステージが終わったトスカを公権力を使って公邸に招くスカルピア。トスカに聞こえるように、カヴァラドッシの拷問をするスカルピア。しかし、カヴァラドッシはアンジェロッティの居場所を白状しない。しかし、拷問に苦しむカヴァラドッシの姿を見て、トスカがアンジェロッティの居場所を白状してしまう。怒るカヴァラドッシ。しかし、その時、革命が起こった事を知らせる伝令がスカルピアの公邸にやってきた。形勢逆転である。勝ち誇るカヴァラドッシ。その態度にいらついたスカルピアは彼を牢屋に連行し、死刑にする事を決める。旧勢力が革命で負けたとは言え、革命軍が政権を握るまではまだ数日あるわけだから、その権力の空白期間に好き勝手をやってしまおうとスカルピアは考えたわけである。
恋人の命乞いをするトスカ。自分に抱かれるならば、カヴァラドッシの命を助けてやろうと答えるスカルピア。身の不幸を嘆くが、やがて観念するトスカ。それを見たスカルピアは部下に“カヴァラドッシの処刑をパルミエリ伯爵の時と同じようにしろ”と命令をする。トスカは、それをみせかけの処刑であり、カヴァラドッシは助かるものと理解する。
「さあ、約束は守った」と、人払いをしてトスカに迫るスカルピア。しかしトスカは彼を拒絶し、ナイフで彼を刺し殺してしまう。
翌日の早朝。トスカの見守る中、カヴァラドッシの処刑が始まった。パルミエリ伯爵の時と同じように…カヴァラドッシは殺されてしまった。パルミエリ伯爵もスカルピアに騙されて、取引を反故にされて殺されたのであった。そこにスカルピアが殺されている事を知った部下たちが、トスカを殺人罪で逮捕しようとするが、トスカは逃げ出し、処刑場であったサンタンジェロ城の屋上から身を投げて死んでしまう。
と、まあこんな感じのストーリーです。
お薦めするディスクですが…はっきり言っちゃえば、作品そのものが素晴らしいので、出演者のレベルが水準以上なら、どのディスクで見ても感動しますよ(笑)。と言うわけで、このディスクをお薦めします。
申し訳ないですが、Blu-rayディスクです。でも、安いでしょ? あんまり安すぎて不審に思うかもしれませんが、別に普通のディスクですので、ご安心ください。
このオペラには数々の名曲があります。ソプラノには「歌に生き、恋に生き」という名アリアがあるし、テノールには「妙なる調和」と「星は光りぬ」の二大アリアがありますが、ここで私は、あえてバリトンのアリアである「行け!トスカ」をご紹介します。
オペラのアリアと言うと、テノールやソプラノのものばかりとなってしまいますが、バリトンにもこのような素晴らしいアリアがあるんですね。
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