私は音楽が好きです。特にヴォーカルものは昔から大好きでした。器楽曲が嫌い…ってわけではありませんが、例えば、ジャズなら、インストゥルメンタルの曲よりも、ヴォーカル入りの曲の方を好みました。…と言うのも、ヴォーカル曲って、ヴォーカルがメロディを歌うじゃないですか? たぶん私はメロディが好きなのです。だから、ヴォーカル好きなんだと思います。ですから、器楽曲であっても、シンフォニーよりもソナタやコンツェルトを好むのは、独奏楽器がメロディを担当するからだろうと思います。
とにかく、分かりやすいメロディを好む、俗っぽい趣味なんですよ、私は(笑)。
あと、単純に、楽器としての声が好きだった…というのも否定できません。人の声って、楽器としても、なかなかの優れものでしょ。その音色の多彩さは楽器の比ではありません。それに言葉を使えるというのも、わかり易さに拍車をかけます。
昔々、クラヲタ初心者だった頃、音楽を聞くだけでは飽きたらず、音楽の演奏をやってみたくなった私は、当然、ヴォーカルものに手を出そうとしました。でも、当時の私の感覚では「独唱はプロがやる事。素人が歌を楽しむなら合唱でしょ!」と考えて、合唱を始めることにしました。まだ先代の陛下がご存命の頃の話です。
私が学生の頃は、どこの学校にも合唱部がありましたし、学校行事にも“合唱コンクール”があって、盛んに行われていた時代だったので『素人の歌=合唱』という刷り込みがあったのかもしれません。何しろ“独唱部”とか“独唱コンクール”なんて、どこの学校に無かったわけで、とにかく、素人の私がソロで歌うなんて、想像もしていなかったので、合唱を始めようと思ったわけです。
で、実際、市民合唱団に入りました。そこでは、演奏会までの約1年間を過ごし、演奏会を終えて、それまでにぶつかった様々な技術的な壁を乗り越えるために、合唱団を退団して、個人指導のヴォイストレーニングに転向したわけです。この個人指導のヴォイストレーニングが、後の声楽&独唱につながっていくわけです。
合唱団の方は、あくまでも私の方向転換で辞めたわけですから、円満退団ですし、引き止められもしましたが…その時は前に進みたかったんです。合唱団で歌っているのは楽しいけれど、合唱団では個人としての歌の上達/学習には限界がある、ならば今は個人の上達に専念してもいいのではないか…と考えたわけです。ですから、まずは個人の歌の技量を高めよう、そのためには、合唱団でみんなと一緒に歌うよりも、ヴォイストレーニングの個人指導を受けていこう…と思ったわけです。その個人指導のヴォイストレーニングの傍ら、独唱も学ぶというスタイルとなったわけで、その独唱学習の話は…まあ、その話はいずれまた。
ですから、私のクラシック系音楽の演奏は、合唱から始まりました。
別に合唱がイヤになって辞めた訳ではなく、単純にヴォイストレーニングと合唱を両立させるのは、時間的&経済的に無理…と判断して、その時は、ひとまずヴォイストレーニングに専念しようと思って合唱を止めた…というよりも、休んだつもりでした。
その後、色々とあって、10年以上のブランクを経て、再び合唱に復活しようとしたのですが、そこから先は不遇の時代で、どの合唱団に行っても、邪魔者扱いされて、追い出されるか、丁重にお断りされるかが続き、今に至っています。
まあ、人生色々。10年以上の時を経れば、人間も環境も合唱界も変わるものです。
なぜ、以前は合唱団に受け入れてもらっていた私が、ブランクを経たら受け入れられない存在になってしまったのか…色々と考えてみました。
で、長くなってきたので、具体的に考えた事は、また明日、アップします。
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コメント
ボイストレーニング始めると、やっぱり声量や高音の伸び、発声の基本がしっかりしますから、やっぱり合唱では浮きますよね、、。合唱で長年歌っていてめ、声楽を少しでもかじった人にはかないませんよ、やっぱり。まったくちがいますからね。しかし、お金のかけ方が段違いですもの、、合宿なら月に3千円から5千円くらい?そしたら、ボイストレーニングというか、声楽は1時間でなんぼ、5千円の先生はかなり安いはず。もっともっとしますし、第1、月1ってことはなく、少ないと月2回、4回でも普通です。それだけじゃない、発表会ならば服《女性ならドレス代》かかり、また伴奏ピアニストに謝礼とあとはかいじょうひね、そして打ち上げ(笑)だから、かけてる金額が違うし意識が違う。だから、歌も何ランクも上になるからね。合唱さんとは声も意識も曲の好みもあわなくなるの当然なんです。大海で泳いだ人は子供プールでは無理なんです。歌の勇者たちとの競い合いには熾烈さを極めますが、一度、ボイストレーニング始めたからにゃあ、仕方ありませんよ、そう思ってます。またはプロ級の声楽バリバリの合唱に行くとか、、それはまた、大変そうだ〜〜
アデーレさん
向上心のある合唱初心者が陥りやすい罠が「ヴォイストレーニングを個人レッスンでみっちり受けると、合唱が上達する」という勘違いです。
何しろ、合唱団では、単なる“声出し”の事をヴォイストレーニングと言い、あくまでも合唱の延長線上にある練習のような扱いですが、本来のヴォイストレーニングは、発声方法を根本から変えちゃいますから、合唱とは別物なのですが…そんな事は熱心な初心者は分かるわけありません。
私も、そんな罠に落ちっちゃった一人だったりします。
>合唱で長年歌っていても、声楽を少しでもかじった人にはかないませんよ、やっぱり。まったくちがいますからね。しかし、お金のかけ方が段違いですもの
うむ、分かりやすいです。結局『お金のかけ方が段違い』なんです。これで差が生じなければ、詐欺ってモンですよ。
>かけてる金額が違うし意識が違う。
結局、我々は人間ですから、使ったお金で意識は大いに変わるわけです。声楽がどれくらい金食い虫なのかは、おそらく合唱の人には分からないでしょうね(遠い目)。でも私は後悔してませんよ。だって、楽しいもの。
合唱が仲間との一体感を味わうものなら、声楽は歌を極めて己を磨いていくのもなのだと思います。同じ歌でも、見ている世界が全然違うんだと思います。もちろん、どっちがいいとか悪いとかの問題ではなく、立っている場所そのものが違うんだと思います。