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発表会について、私が思うこと

 今回の記事は、ある意味、昨日の記事の続きかもしれません。

 オトナであれ、子どもであれ、プロ志向であれ、趣味の道楽であれ、音楽を学んでいる人にとって、発表会というのは、はずせないモノであり、特別な出来事であり、一大イベントなわけです。

 さて、発表会が開催され、そこに参加すると決めたら、大抵の場合、その日から発表会準備が始まります。準備と言っても、レッスンが発表会向けのものに変わるだけですが…(笑)。ただ、普段のレッスンと、発表会に向けたレッスンは、多くの場合、曲の仕上げのレベルが変わってきます。普段のレッスンならば、その時の課題を学ぶことができれば、細部の仕上がりまでは気にせず、次の課題に移る先生も大勢いらっしゃると思いますが、発表会に向けたレッスンとなると、曲の細部にこだわって仕上げていくわけで、普段のレッスンよりも厳しくて細かいレッスンになっていきます。

 そして、生徒の方も“発表会の曲”となると、普段よりも気合を入れて練習に励むわけです。なにしろ、人前で発表するわけです。家族や知り合いを発表会に招待するなら、その人達の前で演奏するわけですから、ヘタは打てません。気合を入れて、みっちりと練習していきます。また音楽のジャンルや先生の姿勢によっては、普段は楽譜のガン見演奏でOKであっても、発表会では暗譜を強要される事もあります。暗譜演奏となれば…自然と気合を入れざるをえないわけです。

 このように、師弟ともどもに気合を入れて練習していきますので、発表会を終えると、生徒も大きく成長していくものです。百聞は一見にしかず…ではありませんが、100回の練習よりも1度の本番、ですよ。発表会は、生徒をグンと成長させてくれる良い学習の機会なのです。

 それほどに発表会というものは、特別な学習の場なのですが、その特別感をことさらに強く感じてしまって、発表会への参加をプレッシャーとして、憂鬱に感じたり、回避したがる人もいます。つまり、発表会参加を大きなストレスと感じてしまうわけです。

 その気持ち、分からないではありません。やはり発表会は日常とは異なったハレの舞台であり、ハレの場と言うのは、たいていプレッシャーがかかり、ストレスが溜まるものですからね。ストレス耐性は人によって違うので、発表会のストレスに耐えられない人がいても全く不思議ではありませんが…音楽を学んでいるならば、やはりそこは頑張って発表会に参加した方が良いと…私は個人的に思います。

 まあ、どうしても人前に出るのが嫌なら、音楽ではなく、絵画とか写真とかの作品展示系の趣味をするのが良いかもしれません。

 生徒が発表会を回避するのは、プレッシャーやストレスが原因ですが、中には先生が発表会を回避してやらないというケースもあるようです。事情は色々あるんだと思います。お教室そのものが小規模であり、とても発表会という形に持っていけない場合もあるでしょうし、副業として本業のの片手間で教えていて、とても発表会の準備まで手が回らないという事もあるでしょうし、単純に面倒くさいのでやらない…と言うケースもあるでしょう。それに世の中には「ここの教室は、発表会をやらないから入会しました」という生徒さんもいるわけで、それはそれで(割れ鍋に綴じ蓋的ですが)存在意義はあったりはします。

 それでもまあ、オトナ相手なら、発表会が無かったり、隔年実施であったとしても良いと思いますが、子どもが中心の教室ならば、子どもは成長が早いので、せめて年一回の発表会を行ってくれると、親的にはうれしいですね。できれば、春と秋の二回あれば、なおいいですね。

 ちなみに、以前習っていたキング先生の教室の発表会は、私がいた頃は隔年実施でした。寂しかったですよ。全員参加が義務付けられていたにも関わらず、生徒だけでは埋まらず、ゲスト出演もあったし、先生のミニコンサートもありましたからね。もっとも、最近では、さすがに生徒さんも増えて、発表会が毎年開催に変わり、おまけに勉強会も毎年開催するようになり、だいぶ様変わりしたと聞きます。フルートの笛先生に至っては、私が「発表会やらないのですか?」と質問するまで、発表会をやるつもりがなかったみたいだし…。まあ、色々です。

 今の先生方は、声楽が発表会を年1回、勉強会を年1回。フルートは夏合宿の時に行う演奏会が発表会の代わりという形式でやっていますので、声楽の方は参加できるのですが、フルートは夏合宿への参加自体がなかなか難しいので、自然と発表会とは縁遠くなってしまいました(でも今年はなんとか参加したい)。

 私自身は人前に出ることが好きだし、目立つことも嫌いじゃないし、発表会は良い学習のチャンスだと思ってますので、積極的に参加したい人なんですが…世の中の人がみんな、こう考えているわけでもない事も知ってます。

 合唱団とか吹奏楽団とかは、定期演奏会って奴が発表会の代わりになっていると思います。定期演奏会ってのは、アマチュア団体の場合、だいたい年3~4回やるのが通例ですが、年4回の定期演奏会ってのは、忙しいですね。前の演奏会が終わったら、すぐに次の演奏会の準備に取り掛からないと行けない感じで、いつもいつも曲の練習ばかりで、とても基礎練習とかやっている暇なんてないですね。まあ、必要な基礎練習は、曲練習の中でやる…という方針なんでしょうね、それはそれで(参加者的には楽しくて)良いですね。

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コメント

  1. もひもひ より:

    発表会があると上達しますよね。
    今は、発表の場というより他の生徒さんと仲良くできるかもな出会いの場として考えちゃってます。
    私は練習嫌いなので発表会の練習が嫌すぎてピアノをやめた経緯もありますが、発表会そのものは嫌じゃないです。

    発表会嫌いの人って、私の様に特別に練習をするのが嫌だからだと思っていたので、なるほどって思いました!

    合唱をやっていた頃は、発表会があるから練習しているという雰囲気でした。練習する曲は全て発表会で余すことなく披露してました。発表会もアンサンブルやシーズン毎のミニコンサートを含めたら結構あったかもしれません。
    因みに合唱やってる人は皆気が強かったですよ。ハモるのが好きなだけで、合唱もご多分に漏れず目立ちたがり屋は多いです。当然ソロ争いもありました。

  2. すとん より:

    もひもひさん

    >私は練習嫌いなので発表会の練習が嫌すぎてピアノをやめた経緯もありますが、発表会そのものは嫌じゃないです。

     子どもにはよくあるバターンですよね。考えてみれば誰だって、押し付けられて強制されたものを好きになるのは、なかなか難しいです。多くの子どもは、自分から好きでピアノを習い始めたわけではないし、最初は単純な好奇心から「ピアノ習いたい」と言ったとしても、その後に続く練習の日々など想像だにしていませんから、練習の厳しさにピアノを辞めてしまうというのは、よくある話です。

     幼児期にピアノを強制することで、音楽嫌いになってしまう子って、少なからずいると思いますよ。

     それはさておき、

    >因みに合唱やってる人は皆気が強かったですよ。

     たしかに、気の弱い音楽好きな人ばかりではなかったと思います。でも、そういう一見気の強そうな人も、私から見ると、内弁慶な人が多くて、自分の弱さをカモフラージュするためにグイグイ行ってたように思えます。まあ、そんな人ばかりでもないとは思いたいですが…。

    >当然ソロ争いもありました。

     確かに合唱曲の途中にソロパートが入る邦人曲って、そこそこありましたね。なるほどなるほど。あと、誰が指導者のお気に入りになるか…の競争もあったんではないかな?…なんて思っているオジサンな私がここにいます。混声合唱団と女声合唱団では、同じ合唱と言っても、やはり世界が違うんだろうなあって思います。

  3. みかん より:

    かつてピアノは一年半に1回の発表会。
    歌につきましては、一年に一度~2度ありますが、

    先生のご好意で、いつも楽屋番やら、アナウンスやら色々お仕事もらっております。
    このおかげで、

    待機時間はいつも、楽屋でモニター見ながらお茶すすって、茶菓子を食べるという
    たのしい時間を頂いておりますww。

    歌の先生ですが、ピアノやら、シーケンスやら多数教えたりされているので、

    歌以外にも、演奏してみたいものにつきましては、色々させてもらっていますww
    (アンデス25Fとか、オルガニートとか。)

    今年の発表会は、(沼津)フルート&歌で発表してみようかと思っておりまする。

  4. すとん より:

    みかんさん

     アンデスとは鍵盤リコーダーで、オルガニートとかカード式手回しオルゴールなわけで、両方とも見たことはありますが、演奏した事はありません。私的にはアンデスに惹かれますし、実際、楽器店で見かけた時は購入してしまおうかと悩んだ事もあります(購入しても練習する時間がないのであきらめました)

     私は待機時間は…なるべく客席に行って、他の人の演奏を聞くようにしてます。と言うのも、打ち上げの時の話題にできるじゃないですか? うまくできた人はほめて、そうでなかった人はネタにして(笑)。

     そうそう、発表会は発表会も楽しいのですが、その後の打ち上げも楽しいんですよね。

  5. かこ より:

    こんにちは!
    私の楽団は、年2回の演奏会です。
    基礎練習は個人でやってね!和音の音程の取り方などの知識は、知ってて当たり前でしょ!各々きちんと互いを聴いてアンサンブルして!できて当然!
    …みたいな感じです。結構厳しい。
    もちろん、頑張っていますが、やはり温度差、実力差があるのは事実です。
    やってもできないのは仕方ないですが、ちゃんと練習しないとか、自分さえよければいいみたいな人には腹が立ちます。
    演奏会はチケット有料だし、もうちょっと良いものをお客様に聴かせたいな〜と、いつもモンモンとしてしまいます。

  6. すとん より:

    かこさん

     やはり、合唱団とか合奏団とか、団体音楽のところは、個人練習&基礎練習は各自でやってね…のスタンスなんですね。まあ、学生時代からやっていたような人は、自分で基礎練もできるでしょうが、オトナから始めた人は、その基礎練が自分一人ではできないんですよね。そこが悩ましいところです。

     私も個人レッスンで学んだ事の中で、一番の収穫は、一人で基礎練習をどうやればいいかを、手取り足取り教わった事かな? ほら、個人レッスンってのは、自宅で練習してきた成果をレッスンで披露していくシステムだから、練習は各自でやってくる(そこは団体と同じだね)わけだけれど、オカネを払って習っているわけだから、練習方法まで教えてもらうわけです。

     一人の時間を放置しないのが個人レッスンで、団体音楽の場合は、一人の時間がそれぞれに任されているわけなんだね。

    >やってもできないのは仕方ないですが、

     いや、ダメでしょう(笑)。音楽はたった一人でもミスれば、音がにごりますからね。やってもできない人は(厳しいけれど)いない方がいいのです。ただし、いても、聞こえなかったら問題ないのですがね。問題は『聞こえる音量でできない人』です。合唱の場合なら『大声の音痴』って奴ですね。これはほんと、手に負えないです。

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