趣味とは、好きだから行うわけであり、好きだから楽しいわけで、そのために自分の生活の幾ばくかを趣味活動に捧げているわけです。だけど、趣味って楽しいばかりではなく、モノによってはイヤな部分だってあるわけです。でも、そんなイヤな部分と好きな部分を天秤にかけて、好きが優っているから趣味として行っているわけです。決して手放しで大好きってわけじゃなかったりします。
私は音楽が趣味だし、好きだし、楽しいけれど、音楽を趣味にする事で、全面的に喜びを感じているわけじゃないです。イヤだなって思うことも、少なからずあります。
例えば、音楽には練習が必要な事。それもちょっとやそっとの練習ではなく、かなりの時間を費やさないといけない事。とにかく、音楽には演奏技術って奴が必要で、その演奏技術を身につけるためには、膨大な練習時間が必要なんです。毎日毎日コツコツと練習をして、それも何年も何年も練習して、そうやって初めて目的の曲が演奏できるかどうか…なんて事は珍しくないです。
つまり、趣味を始めてから、楽しめるようになるまでに、すごく時間と手間がかかるのが、音楽を趣味にしていてイヤだなって思う事です。なんか、修行をしているみたいなんだもん。ヘタウマが許されないって、趣味としてきびしいよね。
それだけ修行に近い事をやれる気質を持った人って…、内向的で非社交的で引きこもりのオタク系の人がメインになります。プロの演奏家のように、モノゴゴロがつく前から音楽をやっていると、そうでもない人もいるでしょうが、大人になってから自発的に音楽を趣味として選択した人って、多少なりとも、そういう内向的で非社交的で引きこもりのオタク系の気質がないとは言えません。少なくとも、私はそうですよ。内向的だし、非社交的だし、引きこもり気味だし、オタクだし…。一言で言えば“まじめ”なんでしょうが、まじめな人って、つまらないからねえ…。
あと「オレ、サイコー」って思っている人も、音楽を趣味にしている人には多いよね。自己顕示欲が強くって、鼻持ちならない奴も少なからずいるわけです。特に自分の好きな音楽ジャンルが最高の音楽だと思って、他のジャンルの音楽を軽蔑している人って、何気に多いです。傍から見ていると、実に非寛容で、視野狭窄。同じ音楽ファン同士なんだから、ジャンルの垣根を超えればいいのにと思うけれど、これが案外、仲が悪いんだな。
音楽って、本当はただ聞くだけでも楽しいはずなのに、学校で習うせいか、勉強をしないと深いところまで楽しめないと誤解している人も多く、そういう人の弱みにつけこんで、ウンチクを語るオジサンってのがいるわけです。このオジサンってのが、うっとおしいんだわ。ウンチクオジサンって、ウンチクがすごいけれど、実力が伴わなかったりして、でもキャリアばかりは長いから、すぐに指導者ぶったりして、ほんと、参ります。でも、音楽を趣味としていれば、その手の人たちともつきあっていかないといけないので、気が滅入ります。
さらに言えば、音楽って、一人じゃできないんだよね。音楽って、演奏する人と聴く人の両方がいないと成り立たないんだよね。ここがちょっとつらい。音楽って練習が必要だから、どうしても孤独な練習が好きな人が多いと思うけれど、孤独な練習が好きなタイプと、人前で演奏が楽しめるタイプって、実は両立しないんじゃないかなって思います。練習好きで本番嫌いなのも困るけれど、ロクに練習もせずに本番ばかりやっているのも、客としては困ります。
客としては…と言えば、好きでもないけれど、色々な縁とか関係とかで入手しちゃうチケットって奴にも困ります。欲しくもないし、行きたくもないけれど、断るとカドが立ちそうだし、決して安い値段じゃないし…。断るに断れなくて、泣く泣く引き受けている人も結構いるんじゃないかしら。
なんか、悪口っぽい事をいっぱい書いちゃいました。実は、一つ一つはそれほど深刻に思っているわけじゃないけれど、じゃあ、こういう事を全く考えないかと言えば、それは嘘になります。
色々イヤな事はあるけれど、それよりも好きな事の方が多いから、今でも辞めずに音楽の趣味を続けているわけだけれど、もっと純粋な気持ちで、好きという気持ちだけで、音楽の趣味を続けられたら、もっといいのになあって思います。
結局、音楽の趣味って、音楽以外にも、仲間づくりが大切なんじゃないかなって思います。あと、素晴らしい指導者との出会いもね。でも、それらって、本来的には音楽趣味とは、関係ないはずなんだけれどねえ…。
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コメント
子供の頃、アイドル歌手の歌謡曲がきっかけで音楽が好きになり、
クラシック音楽を聴き始めて、フルートを始めて、音楽を趣味として、
そして、気づきました、アイドル歌手って歌が下手なんだ。
仮に、時期Aと呼びます。
クラシック音楽を物凄くたくさん聴いて、フルートをかなり練習して、
そして、気づきました、アイドル歌手って歌が上手なんだ。
仮に、時期Bと呼びます。
上記の時期Aの頃は、クラシックの名歌手の名歌唱の聞き始め。
カラス、フィッシャー・ディウスカウ、シャリアピン、カルーソーと
アイドル歌手とを聞き比べていました。
しかし、時期Bの頃になると、フルート演奏の難しさを知り、
また、クラシック演奏の良し悪しもわかるようになり、
また、日本人全体の平均的歌唱力というものもわかるようになり、
アイドル歌手が実はかなり歌が上手だ、とわかるようになりました。
が、周りの、音楽の勉強をしていない人たちは、
「アイドル歌手は歌が下手。」と言い切ること、言い切ること。
彼らの比較の対象は、物凄く歌のうまい日本人歌手、
美空ひばりとか、山下達郎とか、とか、とか。
私の時期Aと同じ過ちを犯しているのです。
私が、アイドル歌手の歌のうまさを説明したところで、
クラシック演奏の良し悪し、日本人全体の平均的歌唱力を知らない彼らには、馬耳東風。
むしろ、私をバカにします、「アイドル歌手は下手ってわからないんだ、バカだね。」と。
音楽を趣味にして、イヤだなと思ったことは、
音楽を趣味にしない人に、バカにされることです。
おしまい
私、オタク、非社交的、引きこもり
ヤベェーあたってる(笑)
本番よりコツコツレッスンしているのが好きかもしれない(^^;)
私の場合は、自分なりの「やったぜぃとりあえずは完成だ~い、さっ次いこう♫」までコツコツと一つのフレーズを作り込んでいくのが楽しいんです。
もちろん苦労はしてますが、できないことができるようになる曲がりくねって先が見えない道を通っていくことが楽しいんです。
そんな私が、もし、「モノが残る趣味」を選んでいたら、きっと私の去ったあと家族はすごく困ると思います、道具だの作品だの未完成だの手つかずの材料だの、ヤマのように残されていて・・・。私にしても、時間とおカネの無駄遣いの動かぬ証拠を残して去ることにもなるのでそれだけはごめんですし・・・。
音楽はいいですね。「楽器と楽譜」以外はモノが残らない。フルートは楽器も小さいし、きれいですし、私が去ったあとも、持っていてくれるのでは、と期待しています。
録音したものも早めに処分しちゃえばだれにも迷惑かけなくて済みますし。
ということはやっぱり私も、「練習することが趣味」、ってことになるのかしら・・・。
operazanokaijinnokaijinさん
似たような話で、格闘技ファンの中には、ファン同士の会話の中で、ある試合の一部を取り上げて「あれくらいの攻撃ぐらい、簡単にかわせるだろう?」とか「~カウンター入れられるだろう」とか「~ちっともダメージになんてなるわけない!」とか、選手に対するキツいダメ出しをする人がいます。私は格闘技をやってきた人なので、そういう人の話を聴きながら「じゃあ、お前、かわしてみろよ」とか「入れられるものならカウンター入れてみろよ」とか「一発くらってみるか?」とか思ったりします。
ボクシングであれ、プロレスであれ、柔道であれ、テレビの画面じゃノロノロ見えても、あれって望遠レンズで写しているわけだし、小さな画面で見ている事もあって、実際よりも、かなりノロノロに見えるんです。本当に試合場に行って見れば、そのとてつもないスピードに驚くし、肉が肉を叩く鈍い音だってよく聞こえるわけです。それに、効いていないように見えても、それは受ける側が、きちんとカラダとメンタルの両方を鍛えているから効いていないように見えるだけで、あんなの素人が一発食らったら、死んじゃうって。
格闘経験のない格闘技ファンなんて、気楽でいいよなあ~。って思ったりします。
歌が、音楽が、どれだけ難しいか、やってみて初めて分かるんですが、そんな事、やってみたことない人にいくら言っても無駄なんです。
私、達観しております(笑)。
chakoさん
私も練習大好きですよ。練習さえしていれば、本番なんてなくてもいいと考えているフシもあるし、実際、フルートは、ここ数年、練習ばかりで本番を全然やってませんが、それでも結構満足していたりします。
あと、アウトドア大好きで、社交的で友人が多くて、いつも集団の中心にいるようなリア充な人って、音楽の練習をしている暇がないから、音楽を趣味にできないでしょ(笑)。
だりあさん
おっしゃる通りかも…。
私、実は絵も好きで、ごくごく若い時に、趣味として絵に行くか、音楽に行くか、迷った事があって、結局、音楽にしたのですが、もしもあの時、絵を趣味にしていたら、今頃我が家は、足の踏み場もないくらいに私の書いた油絵で溢れかえっている事でしょう。
モノが残る趣味を選ばなくて…本当によかったなあ。
こんにちは。
>歌が、音楽が、どれだけ難しいかやってみて初めてわかるんですが・・
本当にそうですね。大学時代、合唱団の勧誘をやっていた時、私の実家の隣町出身の1年生がいたので、さっそく誘ってみました。彼は、ちょっと困惑したように、合唱団なんて男のやることじゃあない・・・というようなことをいうので、私は切れてしまいました。
合唱が本当に男のやることではないと思っているのなら、練習に来て自分の目で見てから判断した方が良いと無理やり誘って見学をさせました。やったことのないことに対して、自分の乏しい経験だけで断を下すのは・・と、結構憤慨したことを覚えています。結局彼は入団しませんでしたが、 「男のやることじゃない」は撤回してくれました。
一人ひとり、考え方や経験が違うので、いろいろ言われてもほっておけばよいのかもしれません。合唱団のやりたい曲があり、そのために人数が必要、そして興味がありそうかないのかわからない人達にどんどん声をかけるということは、他にもいろいろな出来事が起こりました。
人集めは、定期演奏会の1か月前ぐらいまで毎日やっていましたが、学生数はざっと1学年4000人以上いる大きな大学でしたが、同じ人に違う団員が何度も声をかけるので、何度もうるさいと最後の方は断られっぱなしでした。
後、チケット売りも大変ですよね。3月1日のモーツアルトのレクイエムの本番が控えているので頭を悩ませています。練習は本当に楽しいのですがね。
私、会社では合唱をやっていることは、自分からはほとんど話さないのですが、どんな曲をやっているのかと上司に聞かれたとき、「モツレク」と言ったら「エクレア?」とボケてくれちゃいました。すごく有名な曲でも興味がなければ、知らないしどうでもよいのですね。
こんにちは。
すとんさんのおっしゃることも、みなさんのコメントも、みな自分にもあてはまって、ウンウンうなづきながら読みました。
音楽を趣味にしない人にバカにされる、よくある例がカラオケ。
叫び声だろうが,がなり声だろうが、音程がはずれていようが、声がでかいもん勝ちの傾向があり、(とくに若い人たち)しっとりきれいに歌うとバカにされるのでそういう集まりではカラオケ嫌いのフリします。
たまに、「オマエ、歌やってんだって?よし、精密採点で勝負だ」と挑まれる事があります。こういう人は、80点台でウマイと思っているので、95点とか出してやるとおとなしくなります。(笑)
物の残る趣味、なるほど、いろいろな趣味の多くが、物が集まってしまいますね。自分も、物の残る趣味を今までいくつもかじり、家族に「じゃま。捨てて。」と言われ続けてきました。そうか、やっとそう言われない趣味にたどり着いたのですね。
最終的には「仲間と指導者」、これもホントにうなづけます。1人では上達しにくいし、楽しさ半減です。イヤなことがあっても、続けられる秘訣のひとつはこれでしょうね。
genkinogenさん
音楽に限らず「見ると聞くとは大違い」と言いますが、音楽は実際「聞くと演奏するでは、本当の本当に大違い」なんだと思います。
演奏するって、半端無く難しいよね。
チケット売り、大変ですね。プロは生活がかかってますから、チケットを売るのは当然として、アマチュアの団体がチケットを売って演奏する(それもプロ並の価格)のは、なんか違うような気がするのは、私だけでしょうか? 会場使用費は、チケットを売るか売らないで全然違うし、指揮者やオケのギャラぐらい自分たちで支払えばいいじゃん…って思います。よく「チケット代は打ち上げ費用になるんだ」と言う団体もいますが、それを聞くと、なんか二度とチケット買ってやらないぞって気分になります。それこそ、飲み代ぐらい自分たちで支払えよって思うわけです。
まあ、人にはそれぞれ言い分があるのは分かりますが、なんか納得いかない私なんです。
のんきなとうさん
確かに“声がデカイ=歌が上手い”と思われる図式はありますね。
>、80点台でウマイと思っているので、95点とか出してやるとおとなしくなります。(笑)
以前の採点なら、かなりの高得点を出せた私ですが、最近の精密採点だと、そんな点数だ出せないので、たぶん、素人さんたちに負けちゃうかもしれません(涙)。なんか、声をマイクに載せるのが苦手なんだよなあ…。
私なんかは逆に、声のデカさは無限大(笑)なので、素人さんと同じ土俵に上がって、声量勝負をした方が勝てるような気がします。
大声なら、負けないぞ。