スポンサーリンク

楽譜は高くて、階段は怖い

 フルートのレッスンに行ってきました。前回は仕事が忙しくてレッスンに行けなかったので、二週間ぶりのレッスンでした。

 しかし、あの長期レッスン休み以降、どうにも私、フルートが下手になってしまったようで、ジリジリしています。指が動かないのは当然なのですが、音色がかなりダメになってしまいました。以前の私は、あれこれダメでも、音色だけは褒められていたのに、昨今は、その音色すらもダメなので、全くほめてもらえる所のない劣等生と化しております。なんか悲しいです。

 レッスンの最初はロングトーン練習なんですが、以前は先生とバッチリだったロングトーンも、なんか微妙に汚いんですよ。ああ、ああ、ああ~、悲しい。

 エルステ・ユーブンゲンは、例によって13番ですが、ちっとも暗譜できません。先生に「今回も暗譜できませんでした!」と懺悔したところ「暗譜は二の次なんだから、それはいいんだよ。暗譜してしまうほど、何度も何度もたくさん練習してきて欲しいだけだから。こんな簡単な曲を覚えてしまうほど、何度も何度も繰り返して吹いていると、自然と音色が良くなってくるからね」 ああ、今の私は以前の音色を取り返さないといけませんから、音色が美しくなる練習なら、頑張るぞい。

 そんなわけで、当然、13番は不合格で、次回に持越しです。次の14番は不合格以前に、アーティキュレーションの誤りを指摘されました。私の苦手なスラーとスタッカートの混在する曲です。スラーはスラーらしく、スタッカートは切れの良いスタッカートで吹かないとね。

 プチ・エチュードは12番でした。先生曰く「まあ、いいんだけれどね…」と奥歯にモノがはさまったような言い方で不合格となりました。テクニカル的な部分は合格基準に達しているらしいのですが、問題は、つまらないミスがあっちこっちにあるので、ダメなんです。最近のH先生は、音楽を止めずに最後までたどり着かないと合格をくれません。ある意味、当然です。今回も、何度も何度も音楽を途中で止めてしまいました。凡ミス多発なんすよ。つまり、練習不足って奴だね。がんばって練習しないとね。

 それにしても、ほんと、私、練習時間が減ったなあって思います。別に音楽やフルートに飽きたわけでもなんでもなくて、単純に仕事が“仕事の工面が自由に利く研究職”から“他人の仕事のペースに合わせる管理部門”に変わったわけで、ほんと、労働時間が長くなってしまいました。もっとも、そのかなりの部分が“待機”なので、時間ほどは忙しくないのだけれど、長時間職場に拘束され、在宅時間が減ってしまいました。在宅時間が減ると、自然と音楽の練習時間が減るよね。

 以前は、3~4時間/日の練習時間が普通だったけれど、今じゃ30分練習できれば良い方で、1時間練習できれば嬉しい環境です。なにしろ、練習しない日が連続することもあるくらいだから。そんな厳しい状況の中で、声楽とフルートと2つも学んでいる私って、なんかエラくない?(自画自賛)。

 まあ、練習時間がないのは、現役世代の労働者なら誰もがそうなんだから、言い訳せずに出来る範囲で真面目に練習を積み重ねていくことにしましょう。

 さて、今回の雑談は…楽譜にも国ごとに特徴がありますねえ…という話。

 フランスの楽譜は、音符が大きめ(老人には見やすい)な代わりに、ページ的にはスカスカで、印刷の紙は悪いのに、やたらと高額であるという事です。紙は悪い…と言っても、最近はそれでも白い紙に印刷してくれるようになったので良くなったそうです。先生が若かった時は、わら半紙程度の質の悪い紙に印刷されていたそうです。

 モノがしっかりしていて、見やすくて使いやすいのが、ドイツの楽譜なんだそうです。価格もフランス程は高くないのが、うれしいのだそうです。さらに見やすくて安価なのがアメリカの楽譜。ただし、製本が簡易なモノが多く、楽譜の作りがチャッチカッたり、簡便にホチキス止めだったりするので、そこがマイナスです。

 日本の楽譜は、すごく安くて、作りもちゃんとしているけれど、音符が小さめで、ページにぎっちりと印刷されているので、今となっては使いづらい…との事です。若い時はいくら小さくても平気だったし、お得感も感じていたそうですが、年を取った今では、日本の楽譜は、拡大コピーをしないと使えないのがつらいそうです。あと、日本の楽譜は、基本的に増刷をしないので、見つけたら、その場で購入しないと無くなってしまうので、継続的に使用するのが困難…とも言ってました。

 先生はフルートの人なので、楽譜と言うと、フランス、ドイツ、アメリカ、日本となります。私は歌も歌うので、イタリアの楽譜も結構持っていますが、イタリアの楽譜はドイツとフランスの間ぐらいかなあ? フランスほど粗末ではないけれど、ドイツほどきちんとはしてません。音符の大きさはドイツよりもフランス寄りで、かなり大きくて見やすいのだけれど、スカスカ感は否めません。でも値段は、フランスやドイツよりも全然安いで、スカスカでも「まあ、いいか」という気分になります。全般的に印刷の品位が低いのが、気になると言えば気になるかも。版(あるいは版下)が古いんだろうと思います。

 日本の楽譜は、歌の立場で見ると、間違いが多いし、謎の移調譜も多くて、正直、あまり信頼できません。でも、訳詞が付いているし、解説とか言葉の説明などの付録も多くて、正直助かります。出版社によっては、外国語詩にふりがなを振っているのもあって、そういう部分は、いたれりつくせりだなあって思います。

 で、いつもはこれで終わりなんだけれど、今回はレッスンの後、先生と駅まで一緒に帰ったので、そこでも雑談をしました。どんな話かと言うと「階段って、怖いよねえ」という話。階段を昇る時、自分が思っている程、足が持ち上がらなくて、それでつまづいて転んだりとか、階段を降りる時に、うっかり階段を踏み外したりして怖いので、先生、なるべく階段を利用しないようにしているんだそうです。

 階段が怖い気持ちは、私もよく分かります。なので、私は階段の昇り降りでは、必ず手すりにつかまるようにしています。手すりさえつかんでいれば、踏み外したり躓いたりしても、最悪の事態は免れますからね。

 すると先生「私はいつも荷物が多くて、両手がふさがっている事が多くて、手すりに掴まれないのだよ」との事でした。確かに、フルートバッグに書類かばんに衣装かばん…荷物多いよなあ。基本的に移動は車で行うとしても、建物の中は階段だらけなんだよね、ほんと、階段って怖いよねえ。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
にほんブログ村

コメント

  1. やこ より:

    こんにちは。お久しぶりです。
    練習時間が取れないのは悩ましいですね。
    私もずっと練習できずにいて…最近また練習を始めましたが、音が悪くなったような気がしています。
    相変わらず練習出来るのは昼休みだけなんですけど、今年の春からマンション敷地内の自転車走行が禁止になったので、押して歩く分時間がかかり、在宅時間が6分ほど短くなってしまいました。
    なので、以前は10分間吹けたのが今は5分程度ですよ。。。
    苦手な数小節を取り出して何度か吹いたら、あっという間にお終い。
    ただでさえ亀の歩みだったのが、かたつむりペースになってしまいました。
    以前の音を取り戻せるようになるまで、どれだけかかるのかしら~(汗)
    お互いに、できる範囲で頑張りましょうね。

    楽譜にもお国柄が出るのですね。おもしろい(^^)
    老眼なので、大き目の楽譜が見やすくて好きです。
    最近、高音の所にカタカナで「ラ」とか「シ」とか読み仮名振ってます(笑)

  2. 在日日本人 より:

    すとんさんは三、四時間もフルート練習されてたんですか。それって勤労者の練習時間じゃなくて、熱心でない音大生レベルのような気がします。私は仕事の合間に三十分から一時間/日ですが、それでもアマチュアとしては練習量が多いつもりでいました。

    私は階段でケガして、先週まで松葉杖の生活でした。歩行時ではなく、マウンテンバイクで階段を失敗したケガですが。
    私はスケボーにも乗りますし、自転車なら停止したままで乗車できます。スタンディングスティルってやつですね。自分はバランス感覚だけは他人より優れていると思ってましたが、去年、考え事をしていて階段を踏み外し、危うく下まで落ちそうになりました。かなりビビりました。自惚れている奴は、たいていこのように油断して失敗します。

    若い奴に会ったときに、私がするアドバイスが二つあります。一つは「若いうちから運動しろ」、もう一つは「階段では階段に集中しろ」です。
    階段の危険性は、世間一般で思われているよりもはるかに高リスクだと思います。私の義理の母親は自宅の階段から落ちて大ケガしました。嫁さんは駅の階段でバランスを崩した酔っ払いサラリーマンに腕をつかまれて、危うく一緒に落ちるところでした。

    私は階段やエスカレーターを利用する時は、視線を上げ、余計なことは一切しないようにしています。携帯をいじったり、バッグから何かを取り出したりはしません。エスカレーターなら比較的安全に思えるかもしれませんが、上にいる奴が降りるタイミングで転倒したら、それは下まで波及します。常に誰かが落ちてくることを想定し、反応できるようにしています。エスカレーターで目の前にキャリーバッグがあれば、それがどのように落ちてくるかシミュレーションしてます。本当は、重そうなキャリーバッグの後ろに立った時点で負けですけどね。

    同様な危険性は、駅のホームや、歩道のない道路にも存在します。駅のホームで携帯いじくりながら歩いている奴は想像力が欠如していますね。列車が来たら、半歩横は地獄だろ。私は駅のホームを歩くときは、高山の崖っぷちにいるつもりでビビりながら歩いています。

  3. すとん より:

    やこさん

     ほんと、お久しぶり。お元気ですか?

     さて…練習時間半減ですね、ほんと、つらいですね。たぶん、現役世代のアマチュアさんは、どなたも練習時間の不足に嘆いていますが、一日5分とは、ほんと短いですね。でも、1日5分でも、一週間(6日と換算すると)30分となります。で、一ヶ月で2時間で、短い短いと思っていても、それなりの練習時間になります。

     一日5分でも、しっかりと積み重ねていけば、いいんだと私は思いますよ。もちろん、練習時間は多い方がいいに決まってますが、サボり癖がついちゃうと、その練習時間すら無くなってしまいますからね。とにかく、継続は力なりです。私も練習時間の不足に悩んでいますが、やこさんよりは多めに練習できますので、少ない少ないと嘆く前に、自分に与えられた時間、しっかり練習していきたいと思います。

  4. すとん より:

    在日日本人さん

    >すとんさんは三、四時間もフルート練習されてたんですか。

     はい、ただし、フルートだけでなく、歌やヴァイオリンも含めての時間です。毎日、音楽の練習に費やせする時間が、それだけあって、その中で、フルートや歌やヴァイオリンの練習をしていました。あの頃は、それに加えて、社交ダンスもやってましたが、その練習時間は、これには入ってませんでした。

     いやあ、ほんと、以前の私(ブログを開始した頃から数年間)は、趣味三昧だったんだなあって思います。それが出来たのも、今とは仕事におけるポジションが違ったからです。当時の仕事は私のペースで働けたし、成果をきちんと出せば、労働時間の多寡は問題ではなかったので、チャチャと仕事をして、パパッと帰宅して音楽の練習をしていました。今は、若いモンの面倒を見るのが仕事ですから、彼らの未熟で不慣れな仕事っぷり(失礼)に付き合っていますので、労働時間は常に多めのオーバー気味ですし、やたらと会議会議だったりして、ほんと、音楽の練習時間が取れずにいますが…まあ、私の世代のリーマンも皆さん、そんな感じでしょうから、文句を言っても仕方ないので、言わずに飲み込んでいます。

     まあ、仕事を引退したら、また音楽三昧の生活に戻れることでしょうから、今はそれを楽しみにしています。

    >私は階段でケガして、先週まで松葉杖の生活でした。

     ありゃ、大変でしたね。私のところは、一昨年、妻が足を怪我して、短期間ですが車いす生活をしてくれたので、私も付き合って介護生活をしましたが、足を怪我するって、ほんと、大変だと思います。お大事にしてください。

     さて、階段って怖いですよね。いやほんと、集中していないと怖いです。

     在日日本人さのおっしゃるとおり、階段とかエスカレーターとか駅のホームとか歩道のない道路なども、怖いと思います。自分がしっかりしている事は当然ですが、他人もしっかりしている…という前提が無いとほんと怖いのですが、そこまで他人を信用していいの?って思いますね。世の中、結構、油断だらけの人たちがたくさんいますからね。自分がしっかりしていても、災いに巻き込まれる…という事は常にあります。

     あ、それって、個人生活だけでなく、世の中の色々なレベルでも言えるか。事故や災害って、自分がしっかりしていても、常に他者に巻き込まれて被害を受ける可能性があるわけで、本当は常にそこまで考えながら生活していないと、思わぬ所で足をすくわれるわけですね。個人の生活でも、仕事場でも、国家の外交でも、ね。

タイトルとURLをコピーしました