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ランパルは入れ歯になってからダメになった

 フルートのレッスンに行ってきました。先生は相変わらず、痛々しいお姿でした。聞けば、まだ左人指し指が動かないそうです。11月の演奏の仕事はすべてキャンセルされたのだそうですが、この分だと、12月もキャンセルをして、代わりの奏者を探さないといけないかもとおっしゃってました。一年は12カ月しかないのに、そのうちの2カ月の仕事をキャンセルしないといけないとは、滑落事故の影響は実に大きいですね。一日も早いご回復をお祈りいたします。

 さて、レッスンです。今回は姉様とのロングトーンから始めます。「強く吹きすぎ。フルートは響かせて!」と最初の一音でダメ出しされました(汗)。「二人で息を合わせていれば、音(ピッチ)はズレない!」とも言われました。息を合わせるには、音を聞いているだけでは不十分で、姉様の演奏姿を凝視しないといけないのですが…それほど親しくもない女性を凝視するは…照れますねえ。特に今日は普段着姿ではなく、姉様、ちょっとオシャレをしていましたので、照れちゃいます。

 邪念が多い私です(汗)。

 で、アルテ15課2章の「D-durのロングトーン練習」ですが…倒れるかと思いました。実は私、この日も、まだ風邪ひきさんで、いつもより多めに地球が廻っていたんですよ。当然、呼吸も浅く、カラダのあっちこっちが痛くて痛くて、カラダもダルくてダルくて…だったらレッスン休めばいいじゃんと言われそうだけれど、フルートのレッスンって、仕事の都合で休まないといけない時も結構あるから、行ける日はなるべく行かないとね。それに行けば必ず何かを学んで帰って来れるから、どんなに調子が悪くてもレッスンに行かなきゃダメだよね。

 あー、胸がゼーゼーする。

 さて、前回の積み残しの第4番「D-durのスケールとアルペジオ」は、最後の最後で息が足りず、どうにもなりませんでしたが、そこはおまけで、ようやく合格をいただきました。ああ、よかった。

 h-mollの課題は全滅でした。いやあ、Aisレバーなんて使った事ないもん。でも、ここはAisレバーを使うレッスンなので、好き嫌い関係なくAisレバーの使用が義務なんです。それと、Aisレバーを指先で操作していたら、それはペケでAisレバーは指の腹と言うか、指の関節の当たりで操作するものだと教わりました。え?そうなの?? もしかすると、Dトリルレバーとかもそんな感じなの?

 さらに言うと、高音のAisとHの運指にもダメが入りました。私は、これらの音の時、右小指はキーを押さえるようにしていましたが、これらの音の時は、右小指は離す様に言われました。そう言われても、右小指はキーを押さえる癖がついているから…これらの音も、中音レと同様にきちんと直さないといけないと言われました。ああ、大変(涙)。

 ミニヨン・エチュードは新曲の8番ですが、当然、まだ吹けません。ま、当然ですね。色々と注意を受けましたが、フレーズの最後の八分音符は“抜く様に”吹くのだそうです。7番の時も散々注意されましたが、どうにもうまく行かないところです。先生がまだフルートを吹けないので、先生の代わりに、姉様がお教室に残ってくれて、模範演奏をしてくれました。ほうほう、八分音符ってそうやって吹くのね(納得)。どうやら、その八分音符でどうこうしようとしても無駄で、その一個前の音符からディミニュエンドをかけていく感じで、スーっと消える様に吹くみたいです。ううむ、よく分かった。できるかどうかは別だけれど。

 スラーがまだまだ不正確だと言われました。あと、臨時記号でいちいち悩まない様にとも言われました。でもね、Bならピンと来るのよ、でもAisだと???になるんです。Esなら分かるんです、でもDisだと迷うんです。EisがFだなんて、2秒ぐらい考えちゃいます。でしょ?

 一通り注意された後、姉様と8番をデュエットしました。何度も落ちて、申し訳なかったです。先生とデュエットしている時は落ちても申し訳ないとは思わない私ですが、姉様相手だと、落ちると申し訳なさ一杯になります。

 先生は指が曲がらないので、もう三週間もフルートを吹いていないのだそうです。そんな事は生まれて始めてだと言ってましたが、プロが三週間も楽器練習をしなくて平気なのかしら? いや、曲がらないだけでなく、実は前歯も三本、折ってしまったそうです。フルート奏者なのに、前歯を折るなんて、とんだ災難です。とりあえず今は仮の歯が入っているそうですが、いずれはきちんとしないといけません。

 姉様が「入れ歯ですか?」と尋ねたのですが、先生は「入れ歯にはしないよ、ランパルは入れ歯になってから、音がダメになった。ああはなりたくない」のだそうです。だから私が「では、インプラントにしますか?」と尋ねたら「知り合いが、インプラントにしたら、顔が腫れて、三カ月フルートが吹けなくなった。それもダメだな」との事で、どうやら先生は差し歯にするみたいです。ただ、差し歯にするためには、今残っている歯にも細工をしないといけないので、そのあたりが気になるそうです。

 とにかく、フルート奏者にとっても、歌手にとっても、歯は命だね。私はなるべく歯を大切にしていこうと思いました。

 ああ、でも、今は歯よりも風邪だな。

コメント

  1. ももねこ より:

    それは大変!前歯の形態(歯並びを含む)は
    管楽器を奏でる上に、影響が大きいです。
    これを回復または改善するには、プラスチックで仮の形態を作って、
    音を出しながら それを削ったり盛り上げたりして形を決めて
    それを永久材料にコピーします。
    重要な事は、作業に入る前の歯型を日付を入れて保存しておく事です。
    歯医者で型を取ったら、事情を言って、歯形を貰っておきましょう。

    話は変わりますが、4日前 合唱の定演の中で、
    ヴァイオリンとフルートを演奏しました。事の他 おおいに受けました。
    昨日はピアノの発表会のゲストで、クラシックギターを弾いてきましたが
    全く受けませんでした。 結論:老犬の芸は 高音・大音の楽器に限る。

  2. すとん より:

    ももねこさん

     そうなんですよ、前歯に限らず、H先生は大変な事になっているんですよ。それにしても、歯は大変だし、面倒なようですね。プラスチックで仮の歯を作って、音を出しながら、それを調整していくのですか? 時間と手間がかかりますね。やはり自分の歯は大切にしないと…。

     ヴァイオリンとフルートはウケましたか? で、クラシックギターはウケなかったと…。それはおそらく、ピアノの音量に慣れた客の耳には、ギターはよく聞こえなかったのではないでしょうか?

    >結論:老犬の芸は 高音・大音の楽器に限る。

     かもしれません。ならば、最強の楽器は、トランペットって事になりますかな?

  3. 音羽 響 より:

    Aisレバーは苦戦しますよね。私も昔B(Ais)の時はAisレバー使えって言われて、練習していたのですが見事に外しまくって中々うまくいきませんでした。妹がクラリネットなので、そういったレバーらしきものがたくさんついていて、じっと観察して指の動きを真似たりしてましたね。指の腹で押さえる云々は何も考えずにやっていましたが、確かに関節周辺で押さえてます。そうでないと次が間に合わないので(^-^;
    今では寧ろ真っ先にAisレバーへ指が向かうようになりました。苦戦したのは最初の2ヶ月ほどだったのですぐに慣れると思います。慣れればブリチアルディキィより使い勝手の良い運指になると思いますよ。がんばってくださいね
    ランパルは入れ歯だったんですね!昔購読していた雑誌に入れ歯にすると吹けなくなるという内容の記事がありましたが(因みに篠笛のお話です)、ランパルがそうだったとは…
    歌手とかフルート吹きとか関係なしに歯は大切ですね

  4. すとん より:

    音羽響さん

     Aisレバー難しいです。レバーの操作も難しいのですが、私の場合、年を取って頭が固くなっているので、新しい事をやるのがイヤだという事もあります(笑)。「Aisならば、正式運指があるんだから、なんでもかんでも、それでいいじゃん」って思っちゃうわけなんですが、おそらく理由があるからレバーがあるわけで、だからアルテで学ぶんだろうと思います。頑張ります。

    >ランパルは入れ歯だったんですね!

     晩年は総入れ歯だったそうですよ。私が子どもだった頃は、オトナになると、みんな入れ歯になるものだと信じていました。入れ歯になるだけでなく、腰も曲がるし、頭もハゲるし、顔もしわくちゃになると信じてました。ところが今の老人たちは、入れ歯の人も少ないし、腰もしゃんとしているし、ハゲてないし、しわも少なめで若々しかったりします。それを考えると、現在は色々と衛生状態が良くて恵まれていると思います。

  5. めいぷる より:

    「歯」は大変ですね、身を持って判ります。
    口腔内の形状が変わると音色のコントロールが根本的に変わりますし、、、
    前歯はタンギングも変わっちゃいます。
    ただ吹くには「形がある」訳なので大丈夫ですが、アマチュアの私が治療後に慣れるのが大変で、先日の奥歯治療は理由を説明して、ほとんど同じになるように直してもらいました。それでも変な感じなんですから、微細なコントロールをするプロの方は大変だと思います。

  6. すとん より:

    めいぷるさん

     フルート演奏って、実に微妙で繊細なんですね…。歌であっても、歯が変われば、声が変わると思います。それと同様なんでしょうね、フルートも。

     確かにH先生は、歯の事で大変な思いをされるでしょうが、それでも死ななかったのですから、すごく恵まれていると思います。普通、山で大胆に滑落したら死ぬよぉ。それが死なずに済んだんだから、めっけもんだと思います。とは言え、フルート奏者が歯を折るってのは、本当に大変な事なんだなあと、今回、皆さんのコメントを読みながらそう思いました。ほんと、私も歯を大切にしよ。まずは登山をしない事だな(違うって)。

  7. YOSHIE より:

    こんにちわ…と言うか…いや誰しも思うでしょうが先生様…
    …それは重症患者の域なのでは…指も曲がらず前歯も三本折れているとか

    w( ゜ロ ゜##)ww

    読んだだけでゾォ…(ごめんなさい)としてしまいました。日常生活困難者じゃないですか?
    山登りはやっぱり危険wwほら 凍傷で手足指が無いとか… もう信じられません。

    山登りが好きじゃなくて良かった(ピクニックは好き)
    高尾山とかも行きたいと思わないし…。

    でも山好きの方って山の魔力に取り憑かれたみたいになるんですよね。

    何書いてるんだかわからなくなりましたが
    お大事にでございます
    (T_T)(T_T)

    でもねぇ…すんごい元気で健康な人で「保険なんて払い損だ」って方も
    事故にあうかもしれないんだから…国民健康(社会)保険は一種「助け合い共済保険」なんだ…という意識を持てばいいんじゃないかなと思いますが。
    破綻しかかってるけど。

  8. すとん より:

    YOSHIEさん

     はい、私も先生は重傷患者だと思いますよ。「よくぞ、死なずに生きて帰って来られた!」って思ってますもん。話を聞けば聞くほど、普通、死んでるって思うもの。なにしろ、先生の滑落事故は、当時は地元新聞やニュースで報道された(らしい)くらいなんですよ。そんちょそこらの事故とは事故が違う!って威張っちゃいけませんが、それほどの大事故だったらしいです。

     でも、自由業の悲しさで、いくらカラダが辛くても、出来る範囲で働かないといけないようなんですよ。サラリーマンなら、地元病院に一週間入院して、それから自宅付近の病院に再入院するか、数週間単位で自宅療養して、その後、様子を見ながら出社し、ボチボチと出来る範囲の仕事をしていく。場合によっては部署替えもありうる…程度の話だと思います。

    >山登りが好きじゃなくて良かった(ピクニックは好き)

     はは、私もピクニックとか山歩きは大好きだけれど、山登りはキライだな。同じだあ~。

     医療保険っていうか、国民健康(社会)保険制度は維持していかないとダメだと思います。国民皆保険は国是と思わないとね。でも本当に、破綻しかかっているのかな? なんかウラがあるような気がします。この件に関しては、中国朝鮮ではなくアメリカが暗躍しているような気がします。

  9. おざっち より:

    すとんさんの先生、しばらくは大変ですね。指だけならまだしも、加えて前歯のダメージとなると、かなりの時間がかかりますね。
    私も歯は大切にしているつもりでしたが、長年だましだまし使っていた奥歯が決定的に悪くなり、インプラントを考えています。実は以前にもインプラントにし、その良さについては身を以て体験していますので、今回は迷いはありません。フルートをちゃんと吹けるようにする以前に、やはり美味しいものをしっかり噛みしめて食べたいですからね。
    インプラントは骨がしっかりしているうちに手術した方がいいですから、61歳の私は最後のチャンスかもです。
    それにしてもインプラントを2本入れると、最上級の銀製フルートが買えるくらいの値段ですから、もったいな~いと思ってしまうのも本音です。

  10. すとん より:

    おざっちさん

     H先生へのご心配、感謝します。私は今のところ、歯に不調を感じたことがないので、不勉強なんですが、インプラントって入れ歯とか差し歯とか違って、ある程度の年齢制限(?)のようなものがあるんですね。確かに、手術をするんですから、そんなに簡単な話ではないと思いますが…それにしてもインプラント2本で最高級総銀フルートですか! それはお安くない話ですね。やっぱり、自分の歯は大切にしないといけませんね。うん、いけません。

  11. 通りすがり より:

    管楽器奏者のための歯のサイトがあります。

    http://www2s.biglobe.ne.jp/~ohara/index.html

    根本俊男:すぺての管楽器奏者へ ある歯科医の提言,音楽之友社,東京,1988
    の本は手元にありますが、ググッていたらこのサイトにあたりました。参考になれば幸いです。

  12. すとん より:

    通りすがりさん

     それはまた、ちょうど良いサイトを教えてくださり感謝です。今度先生にあったら、このサイトの事をお知らせしたいと思います。

     「芸能人は歯が命」とはどこぞのCMでしたが、管楽器奏者も歯が命ですね。クワバラクワバラ…。

  13. ももねこ より:

    どうしようか悩んだ末のコメントです。
    通りすがり様は、もしかして歯科矯正のDrですか?
    根本先生の音友の本は、上下巻とも名著だと思いますが、
    歯のサイトの方は、矯正の先生の意見なので、
    もし一般的な話をしたとしても、一面的な見方になってしまいます。
    参考にされるのは自由ですが、合わせて一般歯科医の意見も聴いて、
    均衡点を探っておくのが 吉 と思います。
    ヨコヤリから、すいません。

  14. すとん より:

    ももねこさん

     ご心配感謝、同様な感想は私も持ちましたが、手持ちの情報は多いに越した事はないですし、リアル/アンリアルの様々な情報の中から最終的な判断を下すのはH先生ご自身ですし、すべてが終わってから、別の選択肢を知るよりも、最初に色々と検討した方が良いと思ってます。

     すべての情報には(ここのブログだってそうだけれど)、フィルタとかバイアスってものがかかってます。まあ、それを人によっては“個性”って呼んだりするのですが。そのフィルタを外して情報を習得するのも、ネットリテラシーの一つだと思ってます。

  15. 通りすがり より:

    ただのアマチュアの笛吹きです。
    最初根本さんのサイトかとおもって、よく見たら違いました。
    ただこのサイトの方もホルン吹きなので、管楽器のことを何も知らない歯医者よりはいいかな、とおもったくらいです。
    吉田雅夫も入歯にしてから・・・という話を聞いたことがあります。

  16. すとん より:

    通りすがりさん

    >吉田雅夫も入歯にしてから・・・という話を聞いたことがあります。

     へえ、そうなんですか、やはり入れ歯はフルート奏者にとって鬼門のようですね。

    >管楽器のことを何も知らない歯医者よりはいいかな、とおもったくらいです。

     これは、大切な事です。そして、情報をありがとうございました。今回の件で、私は自分の歯を大切にしようと思いました。

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