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どうも、チケットってヤツは、売ればそれでいい…と言うわけでもなさそうなんです

 声楽のレッスンに行ってきました。月の初めのレッスンだったので、来月のレッスン日を相談して決めたわけだけれど、ほんと、先生、忙しいみたいです。で、忙しい理由の一つに、秋って、日本じゃあオペラシーズンなわけで、先生も日本のあっちこっちでオペラに出演するので、忙しいわけです。で、いつもは「先生、お忙しいですね」で終わりなんですが、今回は私も情報をつかんでいますので「で“魔笛”の本番はいつですか?」とぶち込んでみました。先生もビックリしたようで「“魔笛”の事って……話していたっけ?」と聞いてきますので「前回のレッスンの時に、ヒントをいただきましたので…」と答えると、あちゃーって顔をしてました。

 よっぽど、私たちに自分のオペラを見てもらいたくないみたいです(笑)。でも私は、Y先生の生徒になる前から、Y先生のオペラを見てきたファンですから、生徒になろうとなるまいと先生の出演するオペラは見たいわけです。

 白状させました(笑)。年明けに東京の某所で“魔笛(日本語歌唱)”に出演するそうです。パパゲーノをやります。さっそく、私の予定に入れました。いやあ、楽しみ。最近はオペラ鑑賞と言うと、原語歌唱のモノばかりだったので、日本語歌唱の舞台は、案外楽しみだったりします。

 話のついでに、今回のオペラのギャラのお支払い方法について、教えてもらいました。

 と言うのも、どうも話を聞いていると、音楽事務所経由の仕事ではなさそうだったので「今度のオペラはショクナイ(内職…事務所通さずに内緒でする仕事)ですか?」と尋ねたら、ギャラが安すぎて、事務所に報告する必要がない仕事なんだそうです(つまり秘密ではないけれど、報告義務がない仕事って事ね)。一応、事務所との契約では、一定金額以上のギャラが出る仕事については、必ず事務所を通すことになっているんだそうですが、小遣い程度の少額な仕事に関しては、自由裁量で仕事を引き受けてもよくて、特に音楽事務所に届けなくていいんだそうです。で、今回の仕事のギャラは、驚くほど破格に安い(実際に安いんだそうです)ので、事務所に届けなくていいんだそです。

 音楽事務所経由の仕事だと、ギャラは事務所と分け合う事になりますが、事務所を通さなければ、とりあえずギャラは全部歌手の懐に入りますので、少ないギャラの場合、事務所と分け合っちゃうと可哀想なので…って理由のようです。まあ、事務所を通さない分、ご自分で確定申告をする必要が出てきますが。

 それにまあ、いくら安い仕事と言っても、月にいくつか数をたくさんこなせば、すぐにサラリーマン程度の収入にはなりますから、一つ一つの仕事のギャラが安くても、馬鹿にしちゃいけないんだそうです。

 またオペラの仕事は、ギャラが安くても、チケットによる現物支給があるわけです。つまり「ギャラは安いけれど、足りない分はチケットを売って稼いでね」ってやり方が割と普通なんだそうです。

 「じゃあ、たくさんチケットを売ればいいんですよね」と尋ねたら、今回に関しては、そうでもないんだそうです。

 と言うのも、今回の公演は、チケットは売上がなくても、チケットを預かった出演者は、必ず主催者にチケット預り金として、一定額を上納しないといけないシステムなんだそうです。ですから、ある程度の枚数のチケットを売ったところから、利益が出てくるのだそうなんです。ならば、売れば売るほどウハウハなのかと思ったら、売上枚数に応じて上納額も増えてくるので、チケット売り上げで、ギャラの不足が大幅に補えるのかと言うと、そうでもなく、それどころか、お得意さんにチケットを安く売ってしまうと、売れ残りのチケットを返納する際に計算違いが生じるので、それもできないと…と、今回の公演では、チケットを販売するにしても、色々と面倒ばかりが増えて、ちっとも美味しくないんだそうです。

 それに出演者たちがチケット売らなくても、ほぼ主催者の方でチケットは売ってしまうので、出演者の方にはあまりチケットが回ってこないんだそうです。なので、チケットは持ち出しにならない程度に、そこそこ売れればいいわけで、今回の場合は、出演者にとってチケット販売って、そんなに美味しいわけでもないそうなんです。そう言われると、なんかねーと思うわけです。

 ちなみに、本番はもうすぐなのに、まだチラシも出来ていないんだそうです(ってか、ネットを探しても、まだ何の情報も告知されていません)。先生的には、まだキャスト写真を要求されないので、本当に上演するのかと、ちょっと心配なんだそうです。まあ、完売が見込まれるほどの公演なら、チラシ作りにも熱が入らないのかもしれません。でも、この時期になっても宣伝をしないとは…先生ならずとも、心配になります。

 で、今度の魔笛は日本語上演なんだそうですが、歌詞が(著作権の都合で)音友版なんだそうです。先生のカラダには、ドイツ語原詩と二期会版の歌詞が入っているんだそうです。そこに改めて音友版の歌詞を入れないといけないので、二期会版とゴッチャになってしまって、なかなか暗譜が進まなくて困っているそうです。まあ、似ているものほど覚えにくい…って感じなんでしょうね。

 さて、レッスンです。今回は、クチを大きく開く事と、声に躍動感を与える事の二つに集中して取り組みました。まずは息をクルクル回す事。息をクルクル回しながら歌うと、声に躍動感が生まれるんだそうです。ちなみに、私の歌い方は、のっぺりしているだそうです(涙)。

 息を切るのも、クチで切らず、息を吐き切ることで切るようにします。と言うのも、クチで息を切ると、音程が不安定になり、ぶら下がり気味になるからです。つまり、クチは開けたままで、息を切りましょうって事です。

 あと、息を上手に支えるために、意識としては、常に“背伸び”をしている感じがよいのだそうです。背伸びをすると、嫌でも腹筋が内側に入るので、背伸びをすることで自然と腹筋が使える事になるんだそうです。

 声は、なるべく鳴らさずに、軽く軽く歌うことが私には必要ですが、軽く歌おうとすると、支えが抜けて、支えをしっかり入れると、声が重くなって、ノド声になってしまうのが、今の私なんだそうです。息を支えながら、軽い声で歌えるようになりたいものです。また、音程によって、息の当てる場所を変えないようにとも言われました。息を当てる場所を変えてしまうと、声の音色が変わってしまうので、良くないのだそうです。

 なんか、色々と難しいんです。

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コメント

  1. アデーレ より:

    色々、部外者ではわからない事情がありそうですね!クラシックや舞台をやってる役者とかもそうなんだろうな。まだお金を頂けるプロはいいとして、アマチュアでオペラにでるなら、下手したら主役や準主役だと逆に沢山、沢山ノルマを課せられて、それがうん十万とか聞きますもんね!いまや、ヨーロッパでもオペラは稼げないんだから日本は当たり前か?だけど、毎年、ごまんと声楽科卒業生がいるし。公務員で趣味に音楽でアマチュアってのが、1番いいとこ取りな気がする。声楽科やピアノでもいいけど、公務員すなわち音楽教師って狭き門だよね!厳しいなあー。

  2. すとん より:

    アデーレさん

    >公務員で趣味に音楽でアマチュアってのが、1番いいとこ取りな気がする。

     音大卒業して、普通に市役所に勤務して、音楽団体を立ち上げて、そこの主宰になって、定期的に演奏会を開いていて、そこそこファンもいるという人を知っていたりします。音楽だけで暮らすというのは、日本ではなかなか難しいけれど、バイトしながらと言うのも、なんとも不安定だよね。そこへ行くと、地方公務員と音楽家の兼業は、なかなかよさげです。

     同じ公務員でも、国家公務員は激務だからダメだし、同じ地方公務員でもガッコのセンセは、基本ブラック産業だから、お薦めできないよ。やっぱり、安定性と余暇時間の確保なら、市役所がいいよ。議会と選挙が無い時期なら、天国らしいっすよ。

    >アマチュアでオペラにでるなら、下手したら主役や準主役だと逆に沢山、沢山ノルマを課せられて、それがうん十万とか聞きますもんね

     いや、プロでも、チケットを買い取らないと役がもらえないという所がまだまだあるそうです。買い取るったって、主役クラスだとウン百枚単位だそうでから、結構大変です。ギャラをいただいても、チケット代金の方が高額なので、確実にチケットがさばける人でないと、主役はいただけない…という話を以前聞きましたよん。

  3. tetsu より:

    横レスで失礼します。

    アインシュタインのwikiでは、

    1902年、友人のマルセル・グロスマンの父親の口利きでベルンの、スイス特許庁に3級技術専門職(審査官)として就職した。年俸は3,500スイス・フランであった。ここで好きな物理学の問題に取り組む自由がたっぷりでき、特許申請書類の中のさまざまな発明理論や数式を知る機会を得る。

    外交官やっていて暇な時間に著作を残した方がいらっしゃったような記憶がありますが、名前も本のタイトルの記憶もありません。

  4. すとん より:

    tetsuさん

     まあ、よく公務員がその例として出されますが『ほどほどの労働で、ゆとりある生活が出来る』仕事に就いているってのが、余暇生活を満喫するためにはポイントかもしれません。仕事そのものが好きならともかく、余暇生活をしたい人だと、いくら給料が良くてもガンガン働かなきゃいけない環境は厳しいし、ほどほどの労働であっても、給料が安ければ余暇を楽しむ事は出来ないし、今流行のブラック会社だとガンガン働いても給料が安ければ、余暇どころか、生きて行くのがきびしいですからね。

     公務員のすべてが“ほどほどの労働”というわけではなく、中にはブラックなジャンルもあるのですが、少なくとも、どの職種であっても、公務員は、給料面では恵まれていますからね。余暇生活で趣味を満喫したり、勉強したり、作品を作りたい人には、公務員って、割りといい職業なんだと思います。

     それに、余暇を上手に使えるのも、立派な才能なんだろうなあって思いますよ。

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