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声楽の効用(笑)

 花粉症の季節ですね…みなさん、マスクは着用してますか?

 私はマスクが嫌いですが、やむなく着用しています。なぜマスクが嫌いかというと、鼻や口を覆われるのが我慢ならないのです。

 まあ、これに関しては、最近は立体マスクというのがあって、鼻や口を覆うことには間違いないけれど、直接ベターっとくっついて覆うのではなく、鼻や口とマスクの間に若干の空間を残して覆うのでは、不快感がだいぶ違います。なので、ここ数年は、立体マスクを使うようにしています。快適とは言いませんが、だいぶ不快さが違います。

 それでも、まだまだマスクには我慢なりませぬ。

 だって、マスクって、ズレてきません? 無論、何もしなけれはズレませんが、少しでも、しゃべったりするとドンドン、ズレてくるでしょ。これはしゃべる時に、アゴやくちびるが動くために、少しずつマスクが動いてしまうからです。

 このマスクのズレも、私には我慢なりません。マスクがズレてくると、イライラします。ただでさえ、花粉のおかげでイライラしているのに、マスクまでブレるなんて! だから、マスクは嫌いなんです。

 ところが、ふと気づいたのです。今年はマスクがほとんどずれない。あれあれと思って、自分を観察してみました。

 生活のパターンは去年までとほぼ同様。マスクをしている時は、極力しゃべらないようにしているものの、無言を押し通せるわけではないので、やむなくしゃべります、怒鳴ります、叫びます。でも、マスクはズレない…。Why?

 そこで気づいたのです。今年の私は、去年までの私とは、一味違う!

 なぜなら、今年の私は、マスクをしてしゃべる時、ほとんどアゴやくちびるを動かしていないのです。

 だからと言って、小声になったりとか、発音が不明瞭になったりなどはありません。口を少しだけ開いて、あとは口の中だけで、舌や喉の動きだけで、言葉を処理して、しゃべっているのです。まるで、場末の腹話術士がやっているような事を、無意識で行っていただけなのです。

 これって、発声練習のたびに「口は開きすぎな~い」とか「口の中を大きく開いて~」とか「アもエもイも、口(くち)の形を変えずに発音して~」とかの注意が生きてきたのでしょう。また「レロレロレロレロ~」とか「ノニノニノニノニ~」とか意味不明音列によるスケール練習で舌が鍛えられたこともあるでしょう。

 何にせよ、声に響きをつけるための発声練習が、口の中だけで言葉をしゃべれるような訓練へとつながり、結果、ほとんどアゴやくちびるを動かさずに、ほぼ日常会話に不自由なくしゃべれるわけで、マスクが動かず、不快感消失へとつながっていったのだと思います。

 うーむ、なんかスゴいぞ。声楽が花粉症に役立つなんて。

 でもでも、やはり「マ行」だけは、アゴを動かさずにはしゃべれない、まだまだ修行不足なんだな、これは。腹話術の人は、唇を動かさずに、どうやってマ行を発音しているのだろうか? 知りたいなあ…。

コメント

  1. Cecilia より:

    >口の中だけで言葉をしゃべれるような訓練

    この前テレビでいっこく堂が普通の腹話術とどう違うか科学的に検証している番組を見て感激しました。
    普通は破裂音とかがしにくいようなのですが、いっこくどうは口の中で破裂音を出すためのもう1つの唇を作っている(?)ということでした。

    例の講座に出てから腹話術もどきを家で娘達としていますが、発音をはっきりさせるために必死で口を動かすのは確かに見苦しいので、腹話術から学ぶことは多いですよね!

    ところで私もマスクが大嫌い。
    覆っている部分が湿っぽくなるのがまず嫌いです。
    昔、寝る時にマスクをしているほうが声のために良いと言われ、冬場にやってみましたが、しゃべってないのにずれてしまうのでしなくなりました。
    うちの長女は学校で口元を見せたくないので(対人恐怖の1つかも)常にマスクをしていましたが、よくああ毎日マスクができるものだ・・・と思いました。
    私なら耐えられません。

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん

     以前の私は、それこそ見苦しくなるほど必死で口を動かしてしゃべっていました、と言うよりも、そう出来るように訓練したと言うべきかな? と言うのも、聾者とコミュニケーションを取る時に、彼らは口話と言って、リップリーディングをするんですよ。そこで彼らのために、普段の会話もリップリーディングをしてもらいやすいように心がけていました。

     ちなみに私も初級レベルですが、リップリーディングできますよ。

     そんな私が唇を動かさずにしゃべっているんだから、驚いたわけです。

     そうそう、マスクの件ですが、都市伝説で「声楽科の学生は外出する時マスク着用が常識」って聞いたことありますが、あれって本当なんでしょうかね?

  3. Cecilia より:

    リップリーディング知っています。
    私が洗礼を受けた教会ではその関係の学校でワークキャンプとかしました。(教会に学校関係者が多かった。)
    子供たちに教会に来てもらってクリスマス会をしたことも。

  4. すとん より:

    >Ceciliaさん
     おもしろいもので、リップリーディングは、さほど努力せずに身につきましたし、おそらく今でもそこそこできると思いますが、同時期、努力に努力を重ねて習得した手話の方は、その頃は相当の使い手になっていたはずなのに、今ではすっかり忘れてしまいました。

     今では、手話通訳付きの番組を見ても、全然分かりません。

     努力して得たものは簡単に失い、努力せずに身につけたものは今でも持っている…なんか、人生の不条理みたいですわな。

  5. ことなりままっち より:

    私も花粉症ですが…。
    私が一番イヤなのは、眼鏡&マスクなので、眼鏡がくもってくることなんです。よって、レッスン中はかけていません。
    あと、私はあまりマスクはずれませんが、耳をかけるヒモというかゴムのところがずっと当たっていると痛いのでイヤです。眼鏡のツルとダブルというのが…。

    Ceciliaさんが、マスクをかけていると覆っている部分が湿ってくるからイヤと書かれていましたが、気管支が弱い私にとってはそれがありがたかった…。(気管支は大人になってかなり改善しましたが)

  6. すとん より:

    >ことなりままっちさん

     実は私も、メガネ&マスクです。おまけに普段から帽子をかぶってますので、かなりあやしい面妖です。

     ご多分にもれず、以前は私もメガネが曇って曇って困りました。でも、最近はいい曇り止めが売っているんですよ。

     私は、SOFT99コーポレーションの「MEGANEPIA(メガネピア)」というメガネの曇り止めを愛用してますが、これを使い始めて以来、私のメガネは曇り知らずです。ほんと、いいっすよ、この曇り止め。

     一度、メガネ屋で相談するといいですよ、ほんと。

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