声楽のレッスンに行ってきました。はい、この話もお盆前の話です。
レッスンは発声練習からですが、ここでもフルートのレッスン同様「(ノドを)鳴らしすぎない」と注意されました。先生が違っても、同じことを注意されているようじゃあ、しょうがないね。
とにかく私はノドが良く鳴るんだそうです。むしろ、鳴り過ぎる傾向があります。ノドは全く鳴らないよりは鳴った方が良いのだけれど、それも程度の問題で、鳴り過ぎるくらいなら、いっそ鳴らない方がマシなんだそうです。
と言うのも、ノドが鳴ると、一見良い声に聞こえるけれど、それでは声の消耗が激しすぎて長く歌えないし、高音も絶対に無理なんだそうです。テノールの声帯を持っていれば、誰でもどんな発声をしても、FisやGは出るけれど、普通はそこが限界。ノドが特別強い人なら、なんとかGisやAまでたどり着けるかもしれないけれど、絶対にBやHは無理、Hi-Cは論外。まあ、Hi-Cはともかく、BやHを、いやGisやAだって安定的に発声するためには、ノドをなるべく鳴らさずに、響きで軽く歌う事を身につけないとダメなんです。
確かに、前の先生に習っていた時は、たかが3分の曲ですら、ノドが鳴っていたために、声が消耗して最後まで歌えなかったし、Gになると、ノドに蓋がされるような気がして、絶対に高音は歌えなかったもんなあ…。Y先生のアドヴァイスが、グサグサ胸に突き刺さる私です。
ノドを鳴らしすぎないために、ノドを鳴らさないように気をつけるのはダメなんですね。そんな事をしてしまうと、支えが不足してしまいます。ノドを鳴らしすぎないためには、ノドの事を忘れて、声を奥にまわして歌う感覚が必要なんだそうです。そうすると、結果としてノドの鳴りが抑えられるって寸法なんです。
とにかく今の私の歌声は、ノドが鳴っているため、声の直進性が強く、前後と左右にしか広がらない“二次元の声”なんだそうです。つまり“平べったい声”ってわけです。声の広がりを左右ではなく上下にする事で、前後左右上下に広がる“三次元の声”になります。そうなると、響きも豊かになるんだそうです。そのためには、声の支えの位置をもっと下げる事が必要。なにしろ、先生の見立てでは、今の私は胸とか肩で声を支えているそうです。それをもっと下げて背筋とか腹筋とかで声を支えないといけないのです。
とにかく声を支える位置がノドに近いため、どうしてもノドに負担がかかり、その結果、ノドが鳴り過ぎてしまうのだそうです。
ちなみに、ハミングをすると、口内がかゆくてたまらない私なんですが、これは響きの位置が低いので、口内がかゆくなるんだそうです。もっと響きの場所を高くすると、振動が鼻に移るので、そうなると口内がかゆくなくなるのだそうです。ここでも、位置が低いと注意されたわけです。
さて、曲の練習ですが、とにかく今回は、ヘンデル作曲「Ah, mio cor/ああ私の心である人よ」を仕上げてしまい、クラシック・コンサートの準備に集中しましょうという事になりました。
とにかく注意されるのは『ノドを上下に開ける』事です。下に開けるのは、声に響きをつける上でもちろん必要な事だけれど、それだけではバリトン的な声になってしまうのでダメなんです。ノドは下に開けると同時に、上にも開けないといけません。そうしないと、テノール的な響きが付きません。
さらに言えば、ノドを上下に開けると音程が良くなるし、声も前に飛びます。
「ノドを開けると、かえってノドが塞がれるような感覚になるのですが…」と言ったところ、それはノドを下に開けても、舌根が下がらずに、ノドを塞いでいるから、そう感じるのだと言われました。もちろん、舌根が上がりっぱなしは良くない事だけれど、物事には順番があるので、今はノドを下げる事に注意をし、舌根に関しては、追々対応していきましょうって事になりました。
「ノドを開けると、かえって声が浅くなるような気がするのですが…」と言ったところ、それはノドを上下だけでなく左右にも広げているからだと言われました。ノドは上下にはできるだけ大きく広げるべきですが、左右にはそんなに広げる必要はありません。むしろ左右に広げすぎると、声が平べったくなってしまうので、あまり広げない方が良いのです。
と言った感じで、ひとしきりノドの開きの注意を受けたところで、仕上げとなりました。最後に通して歌ってみましょうってわけです。とにかく“ノドを開け”という注意で歌ってみました。自分では、やり過ぎてカッコ悪いなあという感じだったのですが、先生曰く「まだまだノドの開きが足りない」んだそうです。まあ、本来なら、まだまだこの曲で学ぶべきなんでしょうが、本番が迫っているので、ここで終いです。
とにかく、これでいわゆる“歌の練習”は終了で、秋に行われるクラシックコンサートの準備に邁進です。
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