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リートは落語か? それとも歌舞伎か?

 声楽のレッスンの続きです。課題曲に入りました。

 最初はシューベルト作曲の「Fruhlingsglaube/春の想い」です。

 発声練習で散々やった「上昇音形の高音の直前の音を歌う時に、音程を変えずに響きだけを先に上げてから、腹筋の力で高い音を出す」というのを気をつけながらやりました。

 響きと声が同時に上げ下げできたら良いのですが、そんな事はまずありません。発声が上達してくれば、限りなく同時に近いタイミングでできるようになるのでしょうが、今の私の力量では、それは無理なのです。楽譜に書かれているタイミングは、あくまでも声のタイミングであり、その時点できちんとした声になっていないといけないので、楽譜に書かれたタイミングよりも先に響きを上げておき、楽譜のタイミングで声を上げると、そのタイミングの時に、良い声になっている…という寸法なのです。

 これが響きが後だと、楽譜のタイミングでは声が鳴っているだけで、響きはその後からやってきて、音符の長さによっては、それでは全然間に合わない事にもなりかねないので「響きが先で、声が後」だし「響きは音符よりも早く上げる」必要があるのです。

 難しいね。

 また、リートはオペラと違って、一人芝居の歌です。

 オペラは役に成り切って歌いますから、オペラアリア等は一つの個性で歌い続ければよいのですが、リートには歌の中に複数のキャラクターや複数の意図が入っている事が多々あります。なので私は、リートは落語のようなモノと考えています。一人の歌手が、複数のキャラクターを演じ分けながら歌っていくのですから、まさに落語でしょ?

 でも、歌うのに夢中になったり、ドイツ語に手間取っていると、キャラクターの演じ分けを忘れて、棒歌いになりがちです。それは避けなければいけません。なので「リートは落語」という意識を忘れてはいけないと思ってます。

 …そんな話を先生にしたら、先生は「リートは落語というよりも、むしろ歌舞伎だと思うよ」と言われました。

 確かに歌舞伎ってカラフルだよね。リートを歌うにも、あんなカラフルな要素は必要だと、私も思います。確かにリートを落語に例えては…あまりに地味過ぎるわな(笑)。

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