よく吹奏楽部などでは、新入生のフルートちゃんたちに“フルートの頭部管練習”と言うのをさせますが、これって本当に必要なのかな?って、私は常々思っております。
私が理解し、納得するのは“金管楽器のマウスピース練習”って奴です。これは分かります。学校の吹奏楽部では、楽器の数に限りがあるわけだし、すべての新入部員に楽器をあてがえるわけではありません。残念ながら、ある程度、数がしぼれるまでは楽器を使わせてあげられないという事情があります。しかし、だからと言って、新入生たちに練習させないわけにはいかないので、マウスピースでの練習をさせるわけです。
楽器本体と違って、マウスピース(彼らはよく“マッピ”と呼んでますね)は基本的に個人持ちの学校も多いので、マウスピースなら数に不足はないわけです。
それに金管楽器はやたらと大きな音がしますが、マウスピース練習なら、さほどの音量にもならない事も、良い点かもしれません。
で、マウスピース練習散々させて、それでも音が出せない子(つまりラッパ適性のない子)には、違う楽器にまわってもらったり、別の部活に移動してもらって、部員の調整をするわけですから、金管楽器でのマウスピース練習の必要性は、よく分かるんです。
でも、フルートの頭部管練習の意味は、全然分かりません。
フルートの頭部管は、金管楽器と違って、楽器そのものであって、マウスピースとは違って、普通はそれのみでの購入はしません。少なくとも、吹奏楽部の初心者フルートちゃんたちは、頭部管だけを買うなんて事は絶対にしませんし、頭部管練習をする時は、学校(あるいは自分持ちの)楽器の頭部管を使ってやります。なので『楽器の不足をマウスピース練習で補う』って事は全くできません。
フルートは楽器として吹いても、頭部管だけ吹いても、音量差は特にありません。
フルートの頭部管練習で、音の出せない子は、おそらくフルート適性がない子でしょうが、それは別に頭部管練習でなくても、最初からフルートという楽器を丸ごと与えて練習しても分かることだと思います。
フルート丸ごとだと「フォームが…」「三点支持が…」という声も聞こえそうですが、それこそ、それらも含めてのフルート適性じゃないかな?
だいたい、頭部管だけを与えて練習させるよりも、きちんと正しく組み立てたフルートを正しいフォームに構えさせて吹かせた方が、初心者たちは楽に吹けるんじゃないかな?
とにかく、私はフルートの頭部管練習の意味が分かりません。
以前習っていた笛先生は「頭部管練習? やりたいですか? 練習の意味は特にありませんが…」と言って、私に頭部管練習をさせてくれませんでした。今のH先生もうかがったところ、生徒さんに頭部管練習をさせた事ないそうです。「頭部管だけ吹いていても、つまらないでしょ?」と言われました。
世の中には色々な考えの人がいます。自分とは違っているからダメなんて事は、私は考えません。いやむしろ、自分には気づかない事に気づいている事からこそ、意見が違っているって事だってあるはずなんです。
私はフルートの頭部管練習の意味が分かりません。ですから「フルートの頭部管練習は、絶対に必要だよ。やらないなんて理解できないね」という人がいても、全然OKだと思ってます。ただ、そうおっしゃる人なら、頭部管練習をする意味とか意義とかが、よくお分かりになっていらっしゃると思います。私はそれが知りたいのです。
だから、今回の記事は、ケンカを売っているのではなく「無知蒙昧な私の目を開かせてください」って、ノリなんですね。
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コメント
それって、熊よけくらいにはなる。(棒)
リコーダーでやってみたら、それこそ莫迦みたいだけど。
もうこの手はネタにしなくていいんじゃないかな。
ただね、現代のフルート(ピエール=イブ・アルトー著)には、
頭部管のみで、指突っ込んでトロンボーンのように音を変える
奏法の記述はあるけど前衛現代音楽的な色物扱いで、
普通はしない、よね。
(試しにやったことはあるけど、
奏法として追究したことはない。
小指しか入らないし…掃除もしないと…)
こんばんは。
まぁ、頭部管だけでの練習じゃつまらないですよね。
でも、頭部管だけでの練習を全否定は市内です。
初心者の場合、「鳴らない」原因は色々あり、多元的に解決するより一つ一つ完成させていく方が確実だと思います。
まずは、発音体である唇と頭部管の関係を確立することが最も大事だと思うので、まず頭部管練習をするのはよいかな、と思います。ただ、ずっとそれだけで練習するのはナンセンスで、音が確実に出せるようになったら、フルートを組み立てて練習すべきです。
金管のマッピも、結局楽器本体がなければウォームアップ程度の事ですし、頭部管も交代でやればいいことかな…とも思います。
ま、音量はマッピが断然小さいですね。
結論として、ごく初期にはアリだと思うのですが…いかがでしょうか?
自分の場合、最初はまるで音が出なかったのですが、頭部管…端をふだいだときに初めて音が出ました。音が出る感覚を頭部管で覚えた経験からもそう考えます。
鳴るようになるとつまらないですが(笑)
かのゴールウェイがマスタークラスで頭部管だけでの練習を講義しています
http://www.youtube.com/watch?v=VQg0vScnQ8E&list=PLE4C70DBB9328EBA0#t=11
オクターブの変化をスムーズに出来るようにする練習だそうです。
確かにゴールウェーの口の動きのように出来るときは、楽にオクターブの移動が出来ます。
時々このビデオを思い出してアンブシュアに注意するこも重要だと思います。
ひょっとこさん
いきなり出鼻くじきますね。まあ、ひょっとこさんのおっしゃりたい事、分からないでもないです。実は私もそっち側の人間ですから。でも、この頭部管練習って、まだまだあっちこっちでやっているみたいなんです。少なくとも、吹奏楽関係では、全然普通の練習のようですよ。
でも、この練習をフルートちゃんたちに命じている人自身が、この練習の意味や意義を分かった上でやらせているかと言えば、どうなんでしょう? 少なくとも私の知り合いは「先輩たちから代々伝わった練習法だから」という理由で、盲目的にやって/やらせてますね。
練習って、目的をしっかりと見据えてやらないと、意味ないでしょ? どんなに素晴らしい練習法であっても、頭をカラッポにして、機械のように繰り返しているだけでは、時間の浪費だと思うんです。それこそ、そんな練習だったらしない方がマシって感じです。
でも、最初の最初に立ち返れば、何かしらの意味があって始めた練習だと思うんですよ、で、私は、そこが知りたいんです。どうせ頭部管練習をするのなら、少なくとも「この練習には、こんな意味があって、こういうところに気をつけてやるといいんだよ」って教えてやりたい…という老婆心があったりするわけなんです。
>頭部管のみで、指突っ込んでトロンボーンのように音を変える奏法の記述はあるけど
この奏法を間近で見た/聞いた事あります。たしか、横浜の楽器フェアの時に、サンキョウのブースでやってました。その時は、そのアクロバチックな奏法に単純に「すげえ」と思いました。でも、作曲家も、何もフルートにそこまで求める必要は全然ないだろうとも思いました。ま、たしかに、ゲテモノ的な奏法だよね。
ぼーさん
なるほど、物事を分析的に捉えて、要素要素をチェックしていこうという発想ですね。それは悪い考え方ではないと思います。でも、私は声楽的な考え方をしますので、たとえ、あっちこっち間違えていても、結果として正解なら、一つ一つの過ちは過ちではなく、個性というべきだろうとも考えます。なので、クチビルの真ん中から息を出しても正解なら、クチビルの右端から出しても、左端から出しても、きちんとコントロールされた美音でフルートが鳴らせるなら、全部正解だと思ってます。
そういう発想でいくと、物事を分析的に捉えるのは避けたくなるんですね。もっと大づかみに把握して方向を確認していきたい…って感じになります。
頭部管練習って、要素を細かく割りすぎたような気がするんですよ。
>結論として、ごく初期にはアリだと思うのですが…いかがでしょうか?
まあ、ほんと、ごくごく初期なら、いいかもしれませんが、なるべく速く組み立てた楽器で練習をした方が楽しい…って思ってます。
>自分の場合、最初はまるで音が出なかったのですが、頭部管…端をふだいだときに初めて音が出ました。
私は始めてフルートを吹いた最初の時から音が出た人なので、頭部管練習の有り難みが分からないのもしれません。音を出した事がない人には有効な練習なら、それはそれでアリなんでしょうね。
河童さん
ついついゴールウェイのビデオに見入ってしまいました。なんが、ゴールウェイが頭部管練習をしているだけで、頭部管練習がとても大切な練習に思えてくるから不思議です(単なる馬鹿ですね、私たち)。
それにしても、ゴールウェイって、ビックリするほど内吹きなんですね、知らなかったです。私はあの音量から、彼は外吹きの人だとばかり思ってました。
私も初めてフルートを手にしたときは頭部管のみで、
本体つけようものなら先輩に怒られたもんです・・・・
でも
いつだったか
頭部管のみの練習って意味ないって
教えられたような・・・・
それからはいつも全部組み立ててから吹いてますね
まぁ。。。でも
今でも「今日は音出にくいな~」と思ったときは
頭部管だけに戻って音出しします
三つ子の魂百まで??
100ページの教科書を、100日間かけて学ぶ場合、
(まあ、架空の、仮定の、モデル化の話です。)
A案:1日1ページずつ熟読、を順守して、100日かけて100ページ。
B案:1日10ページずつ。10日間で100ページ1回転。
100日間で10回転。
C案:最初の1日で100ページ。次の日も100ページ。
毎日毎日猛スピードで100ページを100日間。
どの方法がよいかは生徒の個性適性次第でありましょう。
また、先生としては、己の信ずるところに従い、
上記3案、あるいは、その中間の方法を取りましょう。
一歩ずつ、着実に、コツコツと、と信ずる先生は、A案であり、
それがフルート教師であれば、頭部管だけのレッスンを最初の数日、
生徒に対して施すのでありましょう。
この方法で、伸びる生徒もいましょうが、しかし、
頭部管だけの練習にすぐに飽きて、
フルートをあっさり辞めてしまう生徒もいるかも。
そんなことを思った、本日であります。
ちなみに私自身は、C案が向いている者でございます。
おしまい
びーすけさん
>三つ子の魂百まで??
それは何事にもあるんでしょうね。かく言う私だって、フルートを組み立てたら、必ずクロマチック練習をします。そういう風に最初に仕込まれたからです。今のH先生の方針に従えば、クロマチック練習よりもロングトーン練習に励むべきなんだろうけれど、最初の笛先生の方針であるクロマチック第一主義的な練習をしちゃいます。
クロマチックが得意になっても、曲が簡単に吹けるわけではないのですがね。
そういう意味では、無駄ではないけれど、有意義な練習とは言えないわけで、頭部管練習と似たりよったりなのかもしれません。
operazanokaijinnokaijinさん
私は明らかにB案の人ですね。A案だと、結局最初の方を忘れてしまうだろうし、C案だと、あまりのハードワークに音を上げてしまいます。そういう意味で、中途半端な人間である私はB案になるわけです。
結局、学び方と教え方の問題…って事になるのかな?
はじめまして、おきらくと申します。
私がフルートを吹く姿を見て、小学1年の娘が「私も吹きたい」と言いましたので、ためしにフルートを持たせてみた事があります。
しかし、娘にとっては、長くて、重くて、吹くどころではありませんでした。
そこで、頭部管だけで、音を出す練習をさせてみました。
すると、ほんの少しだけ音を出す事ができて、娘がとても喜んだ事を覚えています。
そのため、頭部管練習と聞くと、つい、ほのぼのとした気持ちになります。
こんばんは。
本題からはそれてしまうかもしれませんが、
> クロマチック練習よりもロングトーン練習に励むべきなんだろうけれど
ロングトーン、という練習ですが、ひとつの音を長く延ばす?という意味合いの練習であれば、今までまともにやったことがありません。ソノリテの冒頭にあるHから始まる一連の練習は、おそらくロングトーンとは違うことを目指している、ような気がしています。ソノリテはけっこう大変です。最後のページだけは大好きで、そのあたりは好き勝手に吹いていたことがあります。
ひとつの音を長く延ばすような吹き方で、指だけパラパラと動かしてクロマチックをさらうのはそれなりに意味がある、とおもっています。
こちらは、楽器を組み立てたら、タファネル&ゴーベールのNo.4を意識のうえではひとつの音をのばすように吹き流して、すぐに曲にはいります。
おきらくさん、いらっしゃいませ。
たしかに小学1年生でフルートは…厳しいかな? 長さに関しては、U字の頭部管もありますから、なんとかなるでしょうが、重さは…女の子では…いかんともしがたいですね。
>ほんの少しだけ音を出す事ができて、娘がとても喜んだ事を覚えています。
いいですね。フルートで始めて音が出たときの喜びの表情を身近で見ることができるなんて、幸せじゃないですか? 誰しも、生まれて始めてフルートから音を出せた時は、うれしい顔をするものですが…それって不思議ですよね。他の楽器ではなかなか味わえない、フルートならではの喜びなんだと思います。
tetsuさん
ロングトーン練習は、もちろん、単に音を長く延ばすだけではなく、音を長く延ばして、ピッチを安定させたまま、響きを整え、一つ一つの音の色合いを磨いていく練習です。長く吹ければいいというのではなく、あくまでは音磨きの練習です。
ソノリテは持っていますが、全然やんないのです。と言うのも、前の笛先生もそうでしたが、今のH先生もソノリテに関しては、あまり良い思いを持っていないようなので…。もちろん、奏者としてのモイーズには敬意を払いますが、著作である「ソノリテ」については、どうでもいいような言い方をされるんですね。ま、彼らには彼らなりの練習方法があるわけですから、それはそれでヨシとしないといけません。
そう言えば、私はタファゴベも全くやりません。これはおそらく“まだ早い”と思われているような気がします。
私も頭部管だけで稽古しました。私の先生は、
息を真っ直ぐ出すと逆三角形の息の後がつくから、
それを目印に真っ直ぐ出しましょう。と教えてくれましたよ。
頭部管のみで12拍のばしたりもしました。息が大変だったことを思い出します。
楽器を構えると、若葉マークの人は、姿勢とか気になるから、
頭部管のみで、息の出し方や、速度の事や唇の作り方などを確認するのはまずは、
簡単かも知れません。決して楽しいわけでも、曲が吹けるようになるわけでもないですが、息が入らないと音がだませんから。でも、2回ほどで、フルートを構えて簡単な曲に入りました。
うさぎさん
>私の先生は、息を真っ直ぐ出すと逆三角形の息の後がつくから、それを目印に真っ直ぐ出しましょう。と教えてくれましたよ。
それは私も教わりました。あれは面白いですね。金属管だから分かることなんじゃないかと思います。
>楽器を構えると、若葉マークの人は、姿勢とか気になるから、頭部管のみで、息の出し方や、速度の事や唇の作り方などを確認するのはまずは、簡単かも知れません。
やはり、そうなんでしょうね。でも、頭部管で音が出せるようになっても、楽器を組み立てたら、また話は別じゃないか?って思います。楽器を組み立てたら、また改めて音出しの練習をするなら、最初っから…なんて私は思ってしまうのだけれど、すべての人にあてはまるわけじゃないから、うさぎさんの先生のやり方もアリなんでしょうね。
>2回ほどで、フルートを構えて簡単な曲に入りました。
そんなに長く頭部管練習をなさったわけではないのですね。よかった、よかった。
私も2回くらいなら、頭部管練習でも我慢できたかも。でもギリギリだなあ。3回以上、頭部管練習が続いたら、絶対に止めています。だって当時、月3回のレッスンだったから、丸々一ヶ月も頭部管練習だったら、腐っていたと思います、私。
こんばんは。
> 奏者としてのモイーズ
モイーズは英語ではモーセ、モーゼス、ということを知ったのはかなり後のことでした。
クラヲタは自認していますが、ベースとなるものは何も知らないただのオタクです。
tetsuさん
うーむ、モイーズのスペルは Marcel Moyse ですね。英語だとoyというスペリングの発音は、Joyのoyから類推するに“オイ”となるでしょうから、Moyseの発音は“モイズ”かなって思います。モーゼをするモーゼズのスペリングは Moses となります。
とは言ってみたものの、私、別に英語が専門ってわけじゃないので、間違っている可能性大ですけれどね(笑)。
>、ベースとなるものは何も知らないただのオタクです。
私は耳年増ですから、結構、間違って覚えている事多くて、恥ずかしくなること多々です。