フルートの素材の基本は“銀”です。高級化すれば金やプラチナ、庶民化すれば洋銀(+銀メッキ)になるでしょうし、先祖返りすれば木材、とりわけグラナディラ材が使われますし、最近ではプラスチックで作られたフルートもあります。実際、プラスティックは興味深い素材なわけで、プロの現場でもたまにプラ管フルートが使われているようです。
銀・金・プラチナ・洋銀・グラナディラ・プラスチック…これら以外の材料でフルートを作ってみたら、一体どんな感じになるのでしょうか? 考えてみると、面白くないですか?
1)ガラス
クリスタルフルートというモノがありますが、アレは我々が考える、いわゆる“フルート”とは別の楽器と考えた方が良いでしょう。ただ、クリスタルフルートが現存するわけですから、ガラスそのものは楽器の素材としての可能性がないわけではないと思います。
今の時代はガラスの加工技術も高くなっていますから、ガラスでフルートを作る事は、おそらく可能だと思います。しかし、問題がないわけではありません。と言うのも、ガラスは素材的にもろいのが欠点です。そこを補うために管厚を厚めにすれば…重くなってしまいます。重くなれば現実的に演奏が難しくなってしまいます。つまり、ガラスって素材的には悪くないのかもしれませんが、硬度と軽度の両方をバランスよく満足させるのが、難しいので、ガラスのフルートって存在しないのかもしれません。
2)鉄
鉄はすぐに錆びるのが欠点です。錆びた鉄は破傷風の原因となる菌の温床になりやすいですし、何より鉄は鉄臭いです。ただ、これらの欠点は、メッキや塗装をきちんとする事で克服できるなら、フルートの材料としての見込みはあるのだけれど、おそらく21世紀になる現在まで、鉄製のフルートが存在しない事には、きっと何か別の理由があるのでしょうね。鉄の音色はフルートには似つかわしくないとか…ね。あるいは鉄だと、極めて安価に出来上がってしまって、商売にならないというか、市場を破壊しかねないほどの低価格になってしまうとか…かもね。
3)ブラス等の銅合金
昔々の日本のフルートはブラスで作られていたそうですし、今では、例えば、ヤマハでは、アルトフルートやバスフルートの一部にブラスが使われています。なので、ブラスでフルートを作る事自体は今でも可能でしょうし、緑青などの銅合金特有の錆びの問題はありますが、これもきちんと塗装をする事で回避する事は可能でしょう。
透明塗料を使えば、ブラス製のフルートは、遠目ではゴールドっぽく見えますので、見栄っ張りさん用の楽器としてはあっても良いのかもしれません。実際、ブラスって“貧者の金”という別名があるくらいですから。
そういうわけで、現存していても何の不思議のないブラス・フルートですが、実際問題として、現存していないのは何故でしょうか?
4)粘土
…ってか焼き物? 格好良く言えばセラミック素材って奴です。粘土って、楽器の素材として、悪くないんじゃないでしょうか? それはオカリナの素朴な音色からも想像が付きます。もちろん、オカリナレベルの工作精度ではフルートは作れませんが、いわゆるセラミック素材を使って、専門工場で作れば、かなりの精度で工作が可能でしょ? だったら、セラミック・フルートがあっても不思議じゃないって思います。問題があるとすると、ガラス同様に、硬度と軽度のバランスかもね。セラミックだと、ガラスほどではないにせよ、やはり金属よりもモロいだろうからね。
5)紙
強度と耐水性が確保されれば、案外面白い素材じゃないかって思います。逆に言えば、強度と耐水性に問題があるから、フルートの素材として採用されないんでしょうね。
6)石材
技術的に可能でしょうが、たぶん重すぎて使えないのではないでしょうか? でも、玄武岩のフルートとかあったら、シブクねえ?
7)竹材
竹でフルートを作ったら、おもしろいですが、フルートに適する竹を育てるのが難しそうですね。
8)コルク材
プラスチックでフルートが作れるんだから、コルクでフルート作れるんじゃないかな? コルクだけでは素材として柔らかすぎるというのなら、透明樹脂を染み込ませて硬くしてあげても面白いでしょ? なんか、素材的にとても柔らかそうな音が出そうな予感がします。
とまあ、フルート素材に関して、色々と妄想したわけだけれど、結局は、色々と試行錯誤した結果、たどりついたのが銀という素材だったんだろうから、なかなか別の素材でフルートを作るって事にはならないんでしょうね。なにしろ楽器の世界は保守的だから。プラ管フルートが生まれた事だけでも驚きだもの。実際には、この手の面白素材の楽器はこの世に出現することはないかもしれないけれど、でも想像すると楽しいでしょ? ワタシ的には、ガラスのフルートなんて、ちょっと興味深いですね。もっともガラスでフルートを作った時は、メカは…ガラス製ってわけにはいかないだろうから、そこはやっぱり洋銀+銀メッキになるのかな?
妄想するって、楽しいね。
コメント
ストンさん、こういう話題はだいすきです!!
桜井フルートではいろんな素材で作っているようです。
http://www.sakuraiflute.com/flute/new_ceramic.php
積層強化木「コムプライト」なんてのも教務深いですね。
コルクなどの天然素材は今後貴重資源になるので、積層強化木は活用すべきでしょう。
ブラス(真鍮)はヘッドジョイントだとMichael J Allen作成のがイギリスのショップで売られています。
ラッカーを塗らないとさびて緑青が浮くのが問題かな?
でも頭部管マニアとしては興味深々です。
河童さん
サクライフルートと言えば、私にとって、名は有名だけれど、実物を見たことのない幻のフルートメーカーです。洋銀で良いフルートを作られると言った話を聞いたことがあるので知ってます。
ホームページを拝見すると、面白素材(失礼)でフルートを作られてますね。私が妄想した粘土製(セラミック製)のフルートが実現してます。あと石材(人工大理石ですから厳密に言えば石材ではなくプラスチック製って事になるかもですが…)であるデュポンコーリアンでも作っているし、河童さんもお書きになったコムプライトという積層強化木(ザックリ言えば高級ベニア?)で作られたフルートもあります。
私が妄想する程度のものは、実は結構実現していたのですね。私の妄想力の弱さにガックリです…とともに、いい線で妄想していた事に安堵しています。
それにしても改めて思いましたが、サクライフルート、なかなか面白いラインナップのフルートメーカーですね。問題はどこで買えるか…かな? 買う以前に試奏はどこでできるんだろう? ほんと、私、このメーカーのフルートって見たことないんですよ。
しかし、セラミック製とコムプライト製には、ちょっぴり心が動きました。
桜井氏の工房に近い杉田楽器店が取り扱っているようですが、稀素材のものは直接工房をお尋ねしないと無理かもしれませんね
http://www.sugita.co.jp/new_page_27.htm
余談ですが先日手に入れた中古(新古)のフルートの素材を問い合わせたら洋銀というより洋白でした。手持ちの古いYFL21(洋銀)とは違って音が軽~く、柔らか~く、かつ艶やかに響きます。たぶんすとんさん好みの音色だと思います。
これに元々薄管であるゴールドの頭部管をつけたら・・と妄想し始めました。
私的にはパール・オペラでは全く合わなかったけれど、この洋白だとばっちりかも?
まぁ♥
タイムリーに、今日FBに大理石と象牙のフルート写真をUPした知人がいました。 色合いが綺麗だったので、ブライダルのお仕事に使える〜とおっしゃていました。。。←その部分にのみ興味あり(^。^;) (だって私のは色合い的に仏壇ですから、葬儀のお仕事では使えるけど、、、(-_-;))
こんばんは。
またまたwikiからの転載ですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88
フルートを広義にとらえて「リードを用いず、管に息を吹き付けて発音する楽器」とするならば、最も古いものとしては、およそ4万年前のネアンデルタール人のものと推定されるアナグマ類の足の骨で作られた「笛」がスロヴェニアの洞窟で発見されている。また、ほぼ同じ頃現生人類によって作られたと推定される、ハゲワシの骨でできた、5つの指穴のあるフルートが、ドイツのホーレ・フェルス洞窟遺跡で発見されている。
関連サイトでは、
http://wired.jp/2012/05/31/rock-of-ages-40000-year-old-musical-instruments-the-worlds-oldest/
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=46910181
香水では少し前(19c.?)までは動物性のジャコウジカとかあったようですが、最近は動物性の香水、というのは聞いたことありません。楽器も動物起源のものは作ることは可能であっても公開するとなると大変ですね。
河童さん
つまり、サクライフルートは工房系のレア的な存在のフルートメーカーって事ですね。名前はよく聞きますが、なかなか実物にお目にかかれないのも、それでは仕方ないですね。
私が洋銀と言った場合は、いわゆる洋銀もそうですが、洋白とか白銅なども含めたニッケル合金系の金属を洋銀と称しています。実際、少し前までは、このあたりの区別って、あまりきちんとはされていなかったでしょう? これは、総銀と言いながらも、ピュア・シルバーも、スターリング・シルバーも、ブリタニア・シルバーも、ジャーマン・シルバーも区別せず総銀と読んでいるのと同じ事です。
それはともかく、
>手持ちの古いYFL21(洋銀)とは違って音が軽~く、柔らか~く、かつ艶やかに響きます。たぶんすとんさん好みの音色だと思います。
それ、たぶん、私の好みです。河童さんが、ちょっぴりうらやましいです。まあ、ヤマハはいくら洋銀製と言っても、ヤマハの音ですから、私の好みとはちょっと違うのです。それでも値段から考えれば、すごく立派な楽器だとは思ってますが。
本来は、楽器のチカラで軽い音色で柔らかく吹くのではなく、奏者の力量で軽い音色で柔らかく吹くのがベストなのですが…なかなかそう簡単には参りません。難しいです。
めいぷるさん
大理石と象牙のフルートですか…ううむ、石材のフルートもすでに存在していましたか、それも象牙との組み合わせで! おっしゃるとおり、ブライダル向けですね。
まあ、カラーバリエーションだけで言えば、最近はプラ管も結構充実してきましたから、そちらを使うという手もあります(仕事に使えるかどうかは私には分かりませんが…)。プラ管の場合、メカの反応が気になるかもしれませんね。やはり、プラメカは金属のメカよりも柔らかい素材で出来ている分、ちょっとしなる感じがしますからね。あと、タンポの感じもちょっと違うし…。
>だって私のは色合い的に仏壇ですから、葬儀のお仕事では使えるけど、、、
あ、私のプラ管も仏壇色だ!
tetsuさん
生体部品を使った笛は…21世紀では受け入れられないでしょうね。私もちょっと引いちゃいます。
でもフルートって、あの長さで、あの太さですから、もしも動物の骨で作るとしても、動物を選びますね。馬のモモの骨とか、キリンのスネの骨とかなら作れるかな?
まあ、そう考えると、やはりプラ管フルートってのは、未来のフルートなのかもしれません。私が使っているヌーボー社のモノは入門向けの廉価なフルートですけれど、別のメーカー、ゴウ社のプラ管フルートなんて、なかなかよさそうですからね。
こんばんは。
ガラス製のフルート?もってます。クリスタルフルートでよいのかな?
結構良い音奏でてくれます。でも、D管みたいだし?ピッチはアバウトだし…まあ、夏に使う津涼しそうで良いです。
でも、コレにキィとか付けると鳴ると…素材の性格上かなり難しそうです。木管以上に割れが怖そう…そして致命的ですし。
自分が良いと思うのは、グラスファイバー製…釣り竿みたいなモノがよいかと。軽いし、強度もあるし、加工もしやすい。およそ欠点が思いつかないのですが…存在しないからには何か理由があるのでしょうね。
あと…山野楽器にチタン製の頭部管(中古)が以前ありました。どんな音がするのでしょうね。こちらもきっと価格に合わない音色なのでしょうか…すぐ売れちゃいました。
お袋用に発注していたムラマツ9kがキャンセルがあり2ヶ月早く納品。少しだけ?試奏させてもらってますが、ゴールドの音色も好きになっちゃいました(笑)
来月は自分のサンキョウ木管が納品予定です。山野楽器で頭部管担当の方とお話ししたので楽しみです。キィは特注で金メッキにしてもらいました…すとんさんお気に入りのパウエル木管14kに近づくでしょうか(ムリですね)
ぼーさん
クリスタルフルートは、横笛という意味ではフルートですが、私たちが普通に使っている現代フルートとは別の楽器だと私は思ってます。なにしろ、ピアノやオーケストラ(オケなんてアマチュアには縁のない話ですが)と共演するには厳しいものがありまからね。
でも、クリスタルフルートをC管にしてメカをつけてみたら、とても面白いと思うのです。ただおっしゃるとおり、色々と難しいでしょうね。「頭部管だけガラスにしたら…」と思いもしましたが、あれって見かけのインパクトも大切だろうから、ガラスのフルートを作るなら、全部ガラスで作りたいですね。
グラスファイバーは…確かに素材としては面白いですね。ただ、立ち位置がプラ管と被るんじゃないかな? ただ、いわゆるプラ管のプラスチックよりも素材的には硬そうなので、そういう点ではプラ管よりも良いかもしれません。なぜ存在しないのでしょうね?
>チタン製の頭部管(中古)
へえ、チタン製ですか? まるでスペースシャトルみたいな頭部管ですね。面白いと言えば面白いですが、面白すぎて音色の想像がつきません(笑)。あ、でも、チタンなら金属アレルギーの人でも吹けるか!
キイが金メッキの木管ですか? それはビジュアル的に美しいですね。
>すとんさんお気に入りのパウエル木管14kに近づくでしょうか(ムリですね)
フルートの音色は素材よりも、頭部管のカッティングの方が影響大だそうですからね。サンキョウとパウエルでは、頭部管のカッティングはだいぶ違うんじゃないかしら?
世の中にはいろんな人がいて、きちんとガラスでフルート作った人もいます(キーは金属です)。
http://www.mckennaflutes.com/
解説によると、独特な音のようです。あと、空気の流れや渦の観察に良かったそうです。
チタン製のヘッドジョイントを触らせていただきましたが・・・軽すぎてバランス悪そうです。
リカットを専門に行うところもできたようですね。
http://www.ttunejapan.com/home/what-s-t-tune
解説ではパウエルのヘッドジョイントはかなり雑な作りなのにあの独特の個性が出ているようです。
http://www.ttunejapan.com/zuo-ye-ri-ji/05zaibipaueru
ネットで手に入れたギリシャ人が作った銀製頭部管を加工してもらおうかなと考えています。
河童さん
ホームページ見ました。ガラスのフルートだけでなく、ホウロウの頭部管も作ってますし、それ以外にも色々と何か不思議なモノ(失礼)を作ってますね。面白いフルートメーカーもあったものです。まあ、日本にいる限り、手に入れることは無理だろうし、それ以前に試奏するのも難しそうです。
私はガラスのフルートもそうだけれど、ヒューバート・ローズ・モデルの頭部管に惹かれました。これ、欲しいかも…。
チタンは…軽いですか? そりゃあ、ロケットの部品に使われるくらいだから、軽くて丈夫なんでしょうね。
一方、リカット専門店は日本の工房なんですね。銀座の山野で取り扱いがあるんですか? 昨日、山野に行ったので、その時に見てくりゃあよかったなあ(残念)。
パウエルのシグネチャーの頭部管は、ソナーレフルートの頭部管と一緒だったはずです。なので、シカゴ製のモノと比べちゃ、かわいそうですよ。
見えないところで手を抜く…国民性の違いですね。
セラミックに関しておもしろいページを見つけました。
http://musicaceramica.jp/instr.html
すでに知っていましたか?
河童さん
いやいや、知りませんでした。興味深い情報をありがとうございます。
しかし、セラミックのフルートって、あるんですね…。それにカッコいい! でも、重くて壊れやすいのですね。でもまあ、そこはもっと素材の研究が進めば、きっと克服できる欠点なんだと思いますよ。
しかし、セラミックのヴァイオリンかあ…面白そうですね。
すとん 様
フルートの素材による違いは最近のネットで下火になっている気がしますが・・
頭部管マニアとして、議論のかみ合わない点に気が付きました。
まずウッドと金属の頭部管を変えてみると
1)金属では余韻を強く感ずる。これは極端な違いです。
2)ウッドではキーを抑える音(ポコポコという感じが)はっきりと聞こえる。これは邪魔なくらいにです。金属管ではほとんど感じません。
この違いは極端にありますので機会があったら試してみてください。
さて、これが奏者ではなく聴衆に聞こえているかあるいは感じているかです。
たぶん聞こえていないと思います。
考えるに、これは顎からの骨伝導の音だからだと思います。
人間の聞いている音は鼓膜からの音波と頭蓋骨を介する骨伝導の音波の2種類が混ざったものです。この周波数特性は全く異なっています。
奏者は楽器本体の振動(キーを抑える振動など)と空気を伝わった音波の両方を、さらに位相がずれた状態で聞いています。ところが聴衆は空気を伝わった音しか聞いていません。
これでは奏者が「ほら違うでしょ!」といっても聴衆は「ん?」であるわけです。
ここで思いつくのが「遠鳴り」です。
これも管体あるいは頭部管の振動と空気の音波の違いでは・・・と考えるわけです。
奏者は頭部管の振動も音と感じているわけですが聴衆には空気の音波だけしか聞こえこえていません。
「そば鳴り」とは奏者だけが感ずることのできる骨伝導と解釈すれば納得できます。
今まで材質に関する議論は、奏者と聴衆とで聞こえている音が生理学的に全く異なることを考慮していなかったと思います。
河童さん
骨伝導とそば鳴りの話、なんか納得しました。おそらく、フルートに関しては、かなり事実に近いのではないかと思います。いや、それにしても、骨伝導の事なんて、私、ちっとも思いつきませんでした。
よくフルートの固有の音の差と言うのがあって、奏者にはビンビンに感じられるものですが、観客にはあまり感じられない音がありますが、あれも骨伝導がかなりのポイントになるのかもしれません。なにしろ、フルートって奴は人様のアゴの骨の上で鳴ってますからね。骨伝導はビンビン来ます。
>今まで材質に関する議論は、奏者と聴衆とで聞こえている音が生理学的に全く異なることを考慮していなかったと思います。
ふむふむ、なるほど、そうだと思います。
もっとも、この骨伝導の話をフルート以外に広げるのは、ちょっと危険かもしれません。
例えば、合唱界における側鳴りは、実際に近場で聞くとうるさく、離れて聞くと本当に聞こえないという類のものなので、骨伝導は全く関係ないからです。これはおそらく、声と息の関係じゃないかなって思います。声が息にちゃんと乗れば、遠鳴りをし、声が息に乗らなければ側鳴りになるわけで、そういう点では、声は人が作った楽器とはだいぶ違うような気がします。
もちろん、歌の場合、骨伝導は全く無視できない要素であって、だからこそ、歌の独学は危険だと言われます。なにしろ、歌手は絶対に自分の声を(骨伝導が存在するために)客観的に聞くことができないのですからね。