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ノドは開かずに開ける

 声楽のレッスンに行ってきました。

 私はレッスンを始める時に、必ず“裸”になります。まあ、裸と言っても、全裸という意味では当然なく、上半身をピチピチのTシャツ一枚になって(醜い)ボディラインを先生にさらすという意味で“裸”になります。こうして、私のカラダの使い方を先生に直接見せるわけです。ですから、今回もレッスンの前に着ているモノを脱いで、Tシャツ一枚になってレッスンに臨みました。

 今回は、声を吐き切る練習をしました。これは同時に、声を前に出す練習でもあります。声を吐き切るために、ため息をつきながら発声練習をしました。ため息をつくと同時に、体内に残っていた息を全部吐き出してしまうわけですが…これが難しい。だって、私、日常生活ではため息をつかない人なので、先生に「ため息をついて下さい」と言われても、うまくため息をつけませんでした。日頃やってない事は、とっさには出来ないものですね。

 特に私の場合、息が足りなくなってくると、ついつい(キング先生に習った)省エネ発声をしてしまいがちなのですが、そこで省エネ発声をするのではなく、そのまま息をすべて使い切って歌うことが大切なんです。と言うのも、省エネ発声では、声が後ろに引っ込んでしまうからです。せっかく最初は良い声で歌っていても、段々声自体が後ろに引っ込んでは、元も子もないからね。声が後ろに引っ込むのを防ぐためには、息を出し切って歌うことが大切なんです。

 …息を出し切って歌って、息が足りなくなったら、どうするの?

 そん時は諦める(笑)。まあ、人間「息が足りない!」と思ってからも、もう一絞りすれば、まだ息が残っていて歌もまだ歌えるものですから、普通はなんとかなるし、なんともならなかったら、諦めてブレスをするか、そこで歌い終えてしまえばいいだけです。それでも、声が後ろに引っ込むよりは、ずいぶんとマシな行動なんです。

 なので、意識的に息を吐き続けて歌う練習を散々しました。

 また、ノドの奥を開ける練習もしました。特に音程が高くなるに従って、強い意識を持ってノドの奥を開いていくわけです。

 ノドの奥を開く…と言いますが、具体的に書けば、口蓋垂を上に持ち上げるのです。舌根を下に下げてもノドの奥は開きますが、それをやると音色が暗くなるので、舌根を下げるよりも、口蓋垂を上げる方向で頑張って、ノドの奥を開くようにします。

 …難しいです。でも、ほんの少し前までは「ノドの奥を開く」と言われても、具体的なカラダの動かし方が分からなくて、実感が持てなかったわけですから、そこから「口蓋垂をたくさん上げて、舌根を少しだけ下げて、ノド全体を縦開きにするんだな」と自分の中で理解し、それに感覚も少しずつ伴うようになってきたので、大きな進歩だなって思います。

 で、次の問題は、母音ごとに、同じ音程なら、同じようにノドを開いていくのです。これが難しい。今は同じ音程なら、エが他の母音よりもノドの開きが狭いです。ドンマイ、練習しないとね。

 「ノドは開かずに開ける」のです。「(横に)開[ひら]かずに(縦に)開[あ]ける」のです。言葉で書くと簡単ですが、やってみると難しいのです。

 開かないためには…クチビルに注意しないといけません。クチビルをラッパ状にして使えれば、そうそうノドが開くことはありません。また口蓋垂に注意していれば、自ずとノドは縦に開くものです。

 昔々、キング先生のレッスンのたびに「声を奥に!」と怒鳴られていました。あの頃の私は、先生の言葉の意味が分からず、先生も具体的な指示はしなかったので、いつも注意だけされて、ちっとも出来なかったわけですが、あの時の先生の「声を奥に!」と言うのは、おそらくY先生のおっしゃる「ノドの奥を開ける」と言うのと同じ事だったのだと思います。同じ現象ですが、先生によって、使う言葉が違うので、生徒への伝わり具合が違うわけです。私にはY先生の言葉は伝わりやすいのですが、今思えば、キング先生の言葉は、私には伝わりづらく誤解しやすかったなあ…と思います。

 で、誤解して、違うことをやってしまって、また叱られて、直されて、それをまた誤解して…の繰り返しだったような気がします。だから、長い時間習っていたけれど、ちっとも上達しなかったんだと思います。

 先生との相性って、大切だなって思いました。

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