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フルートをオーバーホールに出してきた

 半年前の調整の時に、アルタスの職人さんに「そろそろ、オーバーホールに出した方がいいですね」というアドヴァイスをいただいていたので、東京に出かける予定があったので、そのついでに、アゲハをオーバーホールに出すことに決めました。

 とは言え、初めてのオーバーホールで、何かと心配なので、実際に出かける一週間前に、お店に電話をして、色々と確かめてみました。

 まず、オーバーホールに予約は必要ないそうです。修理と同じ扱いになるので、いきなり店に持ってきてくれて、かまわないのだそうです。そこから数日間、楽器を預かってオーバーホールをするのだそうです。

 オーバーホールには店の職人さんが行うパターンと、メーカーに送ってメーカーの職人さんが行うパターンの二つがあるそうです。ただ、どちらのパターンであっても、楽器を一度お店に預ける必要があるのは同じだそうです(つまり、その場でやってもらって、日帰りでやってもらうのは無理って事ね)。そして、預ける期間は、フルートの状態によっても違うのだけれど、通常、数週間の時間がかかるそうなのです。結構、時間がかかるね。

 まあ、予約が必要ないなら、それはそれで良いでしょう…というわけで、トコトコ銀座に出かけて、アゲハをオーバーホールに出してきました。

 お店で受け付けてくれたのは、電話応対をしてくれた店員さんとは別の方でした。

 まずはアゲハを色々と見て「分かりました、オーバーホールを受け付けます」とおっしゃいました。ん?って事は、オーバーホールを受け付けない場合もあるわけ? このあたりは突っ込まなかったけれど、あんまり状態がフルートの状態が悪いと、ことわったりするのかな?

 最初に、お店でのオーバーホールについて説明してくれました。その店で、オーバーホールをすると、メカのガタツキの修理、組み立て調整、タンポの交換、コルクの交換、楽器の手磨きをしてくれるのだそうです。期間は約6週間、費用はおよそ8万円だそうですが、職人さんの判断で、期間も費用も多少変更があるそうです。また、オーバーホールは修理ではないので、管体のヘコミなどを直す場合は、別料金になるんだそうです。

 私は、頭部管にある大きな凹みが気になっていたので、この際、それも直すつもりですと言ったら、そこだけでなく、このフルートには、あっちこっち凹みがありますよって言われちゃいました。で、店員さんが丁寧に凹みの箇所を教えてくれましたが、たしかにアゲハには、あっちこっち凹みがありました(気付かなかったなあ…)。

 で、店のオーバーホールでいいですか? と店員さんが尋ねてきたので、私は「今回はメーカーの方に出したいです」と言いました。と言うのも、H先生がオーバーホールをするなら、店にやらせるのではなく、メーカーに出した方が良いと、以前からアドヴァイスしてくれていたからです。

 メーカーでのオーバーホールとなると、店側では何も分からないのだそうです。と言うのも、メーカによってオーバーホールの内容は変わってくるし、その費用も預かり期間も変わってくるからなんだそうです。なので、メーカーにオーバーホールに出すとなると、一度メーカーに楽器を送って、メーカーで費用や期間の見積もりを出してもらって、それを私が聞いて、オーバーホールをしてもらうか否かの判断をして、そこから実際の作業に入るからなんだそうです。

 「一般的に言うと、メーカーでのオーバーホールは、調整点検だけでなく修理も同時にする事が多いので、費用もかかるようになるし、期間も長くなりますよ、それでもいいですか?」と確認されました。「いいですか?」って言われても、こっちも初めてなわけだし、まあ、とりあえずお願いしてみるって事にしてみました。

 まあ、正直、預かり期間については、本番があるわけでもないので、常識の範囲内の長さなら特に問題はないし、費用の方は、予算として10万円を用意してあるので、たぶん、これで足りると思ってました。と言うのも、事前にアルタスの人からオーバーホール代金の情報は仕入れていたし、ムラマツのページとかを見ても、だいたい10万円あれば足りるはずなので『まあそんなもん』とか思って、お願いしたわけです。

 と言うわけで、アゲハの里帰りは、あっけなく手続き完了。後は、お店から具体的な見積もり額と預かり期間の連絡を待つのみです。
 
 
 で、2~3日したら、お店から連絡がありました。まず、オーバーホールのパターンは三つあって、どれにしますか? と聞かれました。

 1)“タンポ等全部交換+組み立て調整” 約10万円で7週間必要
 2)“1)+手磨き” 約12万円で8週間必要
 3)“2)+凹み修理” 約13万円で8週間必要

 お店からの回答を、事前に仕入れていた情報と比べると、預かり期間は、通常なら1カ月前後だけれど、春先は生産の仕事が忙しいので、倍近い時間がかかると言われていたので、今回の7~8週間ってのは、想定内だからOK。費用は…アルタスさんの情報とは、実はだいぶ違うなあ…予算ギリギリ(汗)。余裕シャクシャクのはずだったのに…? 妻曰く「お店を経由しているから、お店の取り分が入っているんじゃないの?」 あ、そうか。なるほどね、そりゃあそうだ。店だって、ボランティアでやっているわけじゃないしね。

 たぶん、お店を経由せずに、直接メーカーにオーバーホールの依頼ができれば良いのだけれど、アルタスは、ムラマツやパールなどとは違って、直接修理やオーバーホールを受け付けてくれる窓口が無いから、お店[と言っても代理店なんだけどね]経由なのは仕方がありません。また、お店がどれだけ料金を上乗せするかは、その店次第だから、最終的なオーバーホール代がいくらになるかは、アルタスの人が知らなくても不思議はない。それに、お店には無料調整とかで、今までも散々世話になっているから、そういうモノも含めると、今回の金額が不当に高いとは思えない。

 ま、もっと安くオーバーホールを済ませたかったら、アルタスの職人さんにオーバーホールをしてもらう事をあきらめ、買ったお店の職人さんや他のメーカーの職人さんにお願いするしかないんだから、これも仕方ないか。

 とまあ、準備していた予算の都合もあり、今回のオーバーホールは1)でお願いしました。元々、今回のオーバーホールの目的は『左手部分のタンポの交換』であって、それ以外の項目は、いわばオマケみたいなもんだからね。全タンポ交換して調整してもらえるなら、もう十分です。

 それに元々“手磨き”はお願いするつもりはなかったからね。だって、せっかくいい感じでサビてきたのに、何も好き好んで、新品みたいにピカピカにする必要ないじゃん。楽器にも風格って奴が必要だし、オッサンが持つんだから、楽器もそれなりに風格を感じさせてくれないと似合わないじゃん。

 でも、頭部管の凹みを直せないのは残念だな。元々これらの凹みは、大きい方は先生から「音には支障ないから放置していても大丈夫」って言われている箇所だし、小さい方は気付かない程度の凹みだから、今回修理をパスしてもOKだけれど、やっぱり残念と言えば残念。

 まあ『どうせオーバーホールするんだから、徹底的にやってもらいたい』という気持ちがないわけでないですが……実は、少し前までならお財布にも余裕があったので、3)でお願いしちゃった可能性もないわけではないけれど、『オーバーホールは10万円あれば十分でしょ!』とか思って、絵を買っちゃった直後だったので、実は私、懐が寂しいのよ。ううむ、絵を買わずに、予算を取っておけばよかったかな?。

 次のオーバーホールの時には、予算15万円を用意して3)でお願いするか、お店の職人さんにオーバーホールをお願いする(こっちだと10万円前後でいけるでしょう)か、考えないとなあ…。どっちにしても、五年後の話だけれど。

 ちょいと誤算。

 今思えば「手磨きはいらないので、1)に頭部管の凹み修理でお願いします」という選択肢もあったわけだけれど、連絡を受けた時に、そこまで思いつかなかった自分がちょっと恨めしかったりします。まあ、いいか。凹みの修理はこの次だ。

 と言うわけで、アゲハはゴールデンウィークまで実家に帰省してくる事になりました。寂しいね。

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コメント

  1. るき より:

    調子よくなるといいですねー。
    私は今のところ、東京に用事があるときについでに調整に持って行っています。先日も行ってきました。しかしムラマツは新宿なので立ち寄るのがけっこう億劫。銀座の楽器店だと便利でいいですねぇ。

    代車、ではなく代器はどうされたのでしょうか?
    マイ楽器のオーバーホールはしばらく先ですが、数週間も手元にないと練習が出来ないので、その間はヤマハの音レンタルでも借りようかなと今から思案中です。

  2. すとん より:

    るきさん

     代器は借りてきましたよ。もう少し吹き込んでから、その感想を書こうと思ってます。

     オーバーホールは、別に購入した先のお店でなくても出来るのですから、実際に出す前に、色々と調べてみるのもいいかもしれませんよ。

  3. 河童 より:

    代器の感想が楽しみです。
    すとんさんのアゲハが帰省中をまさかプラ子と過ごすのか?と思ってしまいました。
    タンポの交換時期って、どう判断すればよいのでしょうか?
    破れないうちはだいじょうぶなのか?、なにか兆候が現れるのでしょうか?

  4. 椎茸 より:

    内容とは関係ありませんが、この記事、カテゴリが「声楽のレッスン」になっていますよ^-^

  5. すとん より:

    河童さん

    >すとんさんのアゲハが帰省中をまさかプラ子と過ごすのか?と思ってしまいました。

     まさか! プラ子は面白いフルートですよ。遊びで吹いたり、ジャズバーなどの治安の悪い場所(笑)や、海岸とか高原とかのアウトドアで吹く分には、なかなか良いフルートだと思います。ただ、クラシック系の先生のフルート教室に持ち込むのは、いかがかな?って思います。

     H先生は「中国のフルート? そんなものは、捨ててしまいなさい!」と一喝される人ですからね、プラ子はプラスチック製以前に、中国フルート(企画:香港・製造:中国本土)ですから、プラスチック以前に「捨ててしまいなさい!」と言われるのは、明らかなので、プラ子をレッスンに持っていくという選択肢はありませんって。

    >タンポの交換時期って、どう判断すればよいのでしょうか?

     私は半年ごとの調整のたびに、職人さんに「そろそろオーバーホールに出した方がいいですか?」って尋ねてました。その度に「まだ大丈夫ですよ」と言ってくださっていましたが、去年の秋の時に「あと、半年ぐらいで、左手側のタンポを取り替えた方がいいですね」と教えてもらったので、今回オーバーホールに出したわけです。

    >破れないうちはだいじょうぶなのか?、なにか兆候が現れるのでしょうか?

     破れてしまうのは論外ですよ。タンポの柔軟性が無くなって、調整してもしきれずに、きちんとトーンホールが塞げなくなったらアウトなので、その手前でタンポの交換をするようです。ですから、調整してOKならタンポ交換の必要はないのです。調整してもしきれなくなったらタンポ交換なんです。一般論としては、五年ごとにタンポを交換するみたいですよ。

  6. すとん より:

    椎茸さん

     あら、ホント。うっかりしてました。サンクスです。さっそく直しました。

     ありがとう。

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