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なんか、気味が悪いくらいに誉められました

 フルートのレッスンに行ってきました。教室の入り口で、とても美しい女性とすれ違いざまに、親しげに挨拶されましたが、一体、その方が誰なのか、私には分かりませんでした。背がスラッとしていて、髪がロングでフンワリしていましたが、全く、心当たりがありません。ううむ…なんか気味が悪い。

 お教室に入って、ロングトーンの練習ですが、今回は先生と二人きりでやりました。チューナーをオンにしていたせいもあるけれど、全然音がウネル事がありませんでした。一年前とは隔世の感がありますね。私、何気に上達してますよ。

 アルテは15課の4章です。最初は準備運動代わりの「Es-durのロングトーン」からです。最初はやさしく吹いてましたが、途中(第三オクターブに入る少し前あたりから)「もっと息を入れて!」と注意されました。オクターブごとに、いや、1音ずつに、適切な息量の幅というのがあって、それよりも少ないと音程がぶら下がりますが、多いと音色が壊れます。息量を無意識でコントロールして、いつも適切な息で吹けるように…私は早くなりたいです(笑)。

 宿題だった、2番の「アルペジオ基本練習」は不合格。やっぱり、アルペジオは苦手だね。頭の中で「ミソシミシソ…」と唱えられれば良いのに、それが難しい。なんか、分かんなくなっちゃう。で、結局、手の動きで覚えちゃうものだから、先生に見透かされて注意されます。ダメだな。

 一方、3番の「高音練習」の方は、一発合格でした。ただし「音色はオーバーブローしていますから、気をつけてくださいね」って事です。

 次回までの宿題は、今回不合格だった、2番の「アルペジオ基本練習」と4番の「Es-durのスケールとアルベジオ」、5番の「Es-durのクロマティック」です。

 「2番がちゃんと吹けないと、これ(4番)は吹けませんよ」と言われました。うん、私はどうにも、フラット系のアルペジオがイヤンなのねん。

 さてさて、ミニヨン・エチュードの13番は、実にボロボロでした。当然、不合格だったんだけれど、これがなんか、先生は気に入ったらしく、指がダメだったから不合格だったのだけれど、やたらと私の音色を誉めてました。

 「いい! いい! 今日は、特にいい! 自分でも分かりますか? 今、とてもいい音色で吹いてますよ!!」 …自分じゃ分かりません…。いつもどおりに、いつもの音色で、多少優し目に吹いているだけです。

 前回のレッスンと今回のレッスンの間に、ガロワを聞いて、笛先生とセッションをして…そんなのが私の中でうまく結晶化していたのかもしれませんね。とにかく、やたらと誉められましたが、自覚がないので、次のレッスンでは再現できないかもしれません(情けない)。

 とにかく、指だよね。指が回らないから合格できないんだよね。いかんなあ…練習、特に吹き込みが足りないんだよなあ。

 そうそう、先生から、中音のEsの時には、少し強めに吹きなさいって言われました。何でも、私のフルートは、中音のEsだけ鳴りが良くないのだそうです。そこだけ、ちょこっとヘコんだ感じになって聞こえるのだそうです。

 「なぜでしょうか?」と尋ねてみましたら…それはおそらく、私がEsの運指を間違え続けていたからじゃないかって言われました。「フルートは、鳴らさない音は、鳴らなくなる楽器なんだよ」って言われました。私はよく中音Esの運指を間違えます(左人指し指を上げ忘れます)ので、フルートそのものを正しい中音Esの運指で吹くことがあまりありません。正しい中音Esの運指でフルートを吹かないものだから、この音だけ、鳴りが悪い…んだそうです。つまり、私の基礎力不足が、楽器のポテンシャルを落としているんだそうです。うわあ、私が吹いているから楽器がダメになってしまうなんて、アゲハに申し訳ないわ。

 ん? 待てよ。そうか、そうやって、フルートに私の癖(この場合は悪癖ですね)がうつり、フルートが私色に染まってくるわけなんだな。だから、私がちゃんとした奏者なら、そんな私に染まっていくフルートは名器になっていくのだろうけれど、私がヘタッピ奏者であるから、フルートも鈍器になってしまうんだろうなあ。なんか、悲しい。もっと私が頑張んないと…ダメだな。

 ああ、そうか、だから、中古楽器って避けられるんだな。前の持ち主の癖に染まっているわけだから、それをねじ伏せるだけの力量がこちらにあれば、なんとか再調教できるけれど、こっちがヘタッピだと、楽器とケンカしちゃうだけだよねえ。なるほどなあ…。

 今回の雑談は、私からガロワの話題を持ち出したら、先生、あまり話に乗ってきませんでした。どうにも、二人の間には何やらあったのかもしれません。この業界は、狭いし、H先生とガロワはどうも知り合いみたいだし…、奏者としてのタイプは違うし…。

 「昔、ビクターからレコードもらったんだけどね…」とか「ガロワはまだ若いのに…」とか「昔はバリバリ吹いていたんだけどねえ…」とか、何かを言いかけては、ついつい言葉を飲み込んいるようでした。うう、それ、とっても気になる!

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コメント

  1. operazanokaijinnokaijin より:

    最近、すとん様に触発され、
    加藤元章さんの4枚組CD、
    アルテ「ス」を聴いています、
    眠るときのBGMとして。
    ( ̄ー+ ̄)

  2. すとん より:

    operazanokaijinnokaijinさん

     あのCDですか? 私も持ってますよ。たぶん、レイトなフルーティストさんたちは、結構な確率で所有していると思われるCDですね。あのCDは、教材用と言うよりも、鑑賞用だろうと、私も思ってます。最初の頃は、あのCDに合わせて練習していましたが、ある時から、それは止めました。だって、楽譜の規定速度よりも速い速度で演奏しはじめたんだもん。確かに、規定速度よりも速めのテンポの方が演奏効果があがるのは確かです。

     あのCDのおかげで、アルテの曲って、実は結構美しい曲なんだなって思うようになりました。なにしろ、練習曲だから、自分の演奏ばかり聞くわけだけれど、自分の演奏だと、そんなにキレイな曲に聞こえませんからね。

     私はアルテが15課で、ミニヨン・エチュードも並行して学んでいますので、同じ奏者のガリボルディの奴も持ってます(笑)。

  3. めいぷる より:

    「アルテス」は、、、あの指定速度に意味があり、あの速度の近辺に行くと曲が急変するでしょ?(笑)…ちゃんとした曲になる。 でも、その域は、その教則本をやる者にとって微妙に超えられない…^^;; そーいう意味では良く出来ているそうです。(植村大先生論)

    エチュードをやることは、奏法や表現方法などを学ぶことであって、最終的に演奏したい音楽をするためのツールを学んでいるのですよね。
    それと同じくらい影響(というか勉強)するのが生演奏を聴くこと。録音では聞き取れない沢山の影響力がありますよねー。それが、すとんさんの演奏に、知らずに影響してると思いますよ。
    一流の奏者はホールの力も借りて吹き分けていますから、よく響くホールのリサイタルなんて最高の教師ですよ♪

  4. すとん より:

    めいぷるさん

     おっしゃるとおり、アルテスはあの速度近辺になると、急に難しくなります。ちょっと遅くすると楽なのに、あの速度は…涙々々でした。そういう意味では、ほんと、うまく出来ているエチュードだと思います。

    >それと同じくらい影響(というか勉強)するのが生演奏を聴くこと。録音では聞き取れない沢山の影響力がありますよねー。それが、すとんさんの演奏に、知らずに影響してると思いますよ。

     確かに、生演奏って、CDの演奏では感じられない何かを常に感じさせてくれます。だから、コンサートに行くのって、やめられないんです。そうか、コンサートに行って、知らず知らずのうちに色々と学んできたのか。でも、ほんと、ガロワは素晴らしかったし、笛先生も良かったんですよ。ああいうフルートの音色のイメージを大事にして、自分の演奏にフィードバック…できれば最高ですね(難しいけどねえ)。

     これからも、なるべくたくさんの生演奏を聞きに行くように、心がけます。

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