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ピアノ発表会で歌ってきたよ

 実は前日の金曜日は、私、宴会がありまして、いわゆる“暴飲暴食”と言うのを致しました。どれくらい“暴飲暴食”をしたのかと言うと「睡眠薬すら、飲めませ~ん」ってくらいに満腹になるほどの“暴飲暴食”でした。

 ですから、前日の夜は投薬をしていないので、ロクに寝れない上に“暴飲暴食”のツケがまわって、就寝中(と言っても、ウツラウツラ状態でしたけど)に二度ほど嘔吐してしまいました。一度目は吐瀉物が鼻に入り『うわぁぁぁ~』って状態になったので、二度目の時は鼻に入らないように頑張ったら、今度は気管に入って『ゲッゲホゲホゲホゲホ~』という状態になりました。結果、鼻の粘膜も、喉の粘膜も、声帯も、胃酸でボロボロになりました。いやあ、嘔吐、なめたらアカンです。ましてや、就寝中の嘔吐だと、こちらはかなり無防備に近い状態ですから、ほんと、危険です。

 朝、起きてみたら、ロクに寝てないために、なんか朝から疲れているし、鼻の中はヒリヒリしているし、ノドはキリキリ痛いし、朝から涙目状態でしたが、そこは覚悟を決めていくしかありません。

 結論。『歌う前日の“暴飲暴食”は、絶対禁止!』と強く心に誓った私でした。
 
 
 開場は12時半でしたが、その2時間前に開場入りをして、色々と打ち合わせをしましょうという事だったので、少し早めに家を出て開場に向かいました。

 会場は確かに鎌倉芸術館でしたが、ホールではなく、集会室でした。集会室ってのは、まあ、ホテルの宴会場みたいなところです。とにかく、広いです。床は分厚いジュータンが敷いてあります。天井は低いです。壁は吸音タイプの壁です。観客用のイスは布張りの立派な奴です。つまり、デッドな部屋で、響きはほぼ無い上に、観客は結構遠くにいらっしゃるというパターンの会場です。まあ、はっきり言っちゃえば、歌手殺しの会場ですが…これも良い経験でしょう(笑)。

 会場に着いたところでピアニストさんとご挨拶をし、さっそくの打ち合わせです。曲の楽譜の方は事前に送っておいたものの、発表会の準備やらご自分の模範演奏曲の練習やらで、お忙しかったのでしょう、私たちの伴奏の方は、ほぼ初見状態。その場でピアノの練習をしながら、テンポやメロディの揺れ方などを確認して、音楽を作っていく事にしました。ピアニストさんは、今まで女性の伴奏はした事があるけれど、男性の伴奏は初めてだし、男性の歌うイタリア古典歌曲も初めてだそうで、なんか喜んでいました。

 事前に決めておいた二曲を合わせたところで「もう少し歌ってもいいよ」とか「もう少し歌いたいなあ」とか、まあそういうナアナアの流れで、曲追加が決定(笑)。妻は同じイタリア歌曲から「Lascia ch’io pianga/私を泣かせてください」を、私はたまたま持っていた「O sole mio/オ・ソレ・ミオ」を歌うことになりました。なので、これから本番までの時間で、私は「O sole mio/オ・ソレ・ミオ」の歌詞を覚えるはめになりました(焦)。

 そうこうしているうちに、本日の主役たちである“小さなピアニストさんたち”がやってきたので、今度はその子たちのリハーサルとなりました。その間に、私は着替えを済ませて、廊下で「オ・ソレ・ミオ」の暗譜に取りかかりました。廊下? そうです、だって、楽屋なんて無いもん。この日は、大ホールも小ホールもバレエの発表会だったので、廊下を小さなバレリーナさんたちがひっきりなしに通っていましたが、それにもめげずに暗譜暗譜です。
 
 
 時間になって、ピアノ発表会が始まりました。私たちは会場の隅で聞かせてもらいました。こじんまりとした良い感じの発表会でした。生徒さんも“両手で弾くのが今回が初めてです”という子から、モーツァルトのソナタや、ショパンのワルツを弾く子まで、幅が広かったです。中にはどこぞで受賞経験のある子もいたりして、このピアノ教室(約1名、なぜかヴァイオリンを弾いてました)小さいけれど、侮っちゃいけませんぞい。

 無事に発表会本体が終了すると、そのままの流れで、同じ会場でパーティーに突入です。お茶とかケーキとかが用意されていて、子どもたちは楽しそうだし、生徒さんの親御さんたちも、これを機会に交流を深めていきます。うん、こういうパーティー付きの発表会もおもしろいと思いました。

 で、そのパーティーの余興で呼ばれたのが、私たちとオトナのアマチュアピアニストさんでした。どちらから先にやりましょうか?って話になりましたが、自分の演奏まで、何もクチにできない歌手と、ケーキをつまみながら待っていられるピアニストさんの違いって事で、私たちが前座をつとめる事になりました。

 余興ですからね~。司会も自分たちでやります。私の軽快なおしゃべり(?)の合間合間に歌を入れていきました。曲順は…

 Sebben, crudele/たとえつれなくても(妻)
 Gia il sole dal Gange/陽はすでにガンジス川から(私)
 Lascia ch’io pianga/私を泣かせてください(妻)
 O sole mio/オ・ソレ・ミオ(私)

 でした。今回は、その中から私が歌った「Gia il sole dal Gange/陽はすでにガンジス川から」を公開します。まあ、こんな歌を人前で披露して良いのか?という疑問はありますが、一応、精一杯歌わせてもらったわけだし、歌う前に、一応「ごめんなさい」と謝っておいた(笑)ので、録音で聞くとかなりヒドイんですが、たぶん会場的には許容範囲じゃなかったでしょうか? 

 反省事項は…やはりデッドな会場だと、気をつけていても力任せに歌ってしまいがちです。そういうところに経験不足が露呈してしまうわけです。それにしても、音程が安定してないなあ…。おまけにアペルトだし…。また、妻は、最近色々あったせいで、歌の絶対的な練習量が不足し、筋力低下を如実に感じたそうです。ま、歌はカラダを使って行うわけだから、日ごろから歌っていないと、段々歌えなくなってしまうわけです。おぉ、怖い。

 それにしても、ガラコンサートが日曜日で、同じ週の土曜日に、この会場で歌ったわけで、一週間で二度の本番なんて、アマチュア歌手にとって、なかなか出来ない経験じゃないかな? 出来はともかくとして、良い学びになりました。

 ピアニストさんとは、なかなか良い感じで共演できたので“今後ともよろしく”…って話になりました。これからは、スケジュールさえ合えば、いつでも伴奏をしていただける事になりました。うーむ、ピアニストさんのアテが出来ると、色々な夢や可能性が広がります。今までピアニストさんを見つけられなかったために諦めていた事が、これからは実現できるわけです。さっそく、思い浮かんだ事があるので、ちょっとそっちの方向の準備を始めようと思いました。

 それにしても、やっぱり声は、日が沈んでからの方が出やすいね。お日様がコウコウと照っている時は、なかなか歌う気になれない私でした。

 一度は歌を辞めちゃおうかなって思った私ですが、こんなに忙しければ、歌を辞めている暇も無いってもんです。

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コメント

  1. 椎茸 より:

    おつかれさまでした!
    録音を聞かせていただきました。たしかにデッドな感じですね~…

    暴飲暴食、私もよくやってしまいます。主に暴飲ですが…
    吐くと、腹筋がへろへろになるし喉もおかしくなるし、1~2日はまともに歌えなくなってしまいます。失敗を繰り返し、最近やっと量を控えるようになりました(笑)
    暴飲までいかなくとも、呑んで楽しくなってしゃべりすぎて、翌日なんか喉が重い…
    っていうこともあり、お酒との付き合いは難しいなあと思います。

  2. Cecilia より:

    聴かせていただきました。
    確かにデッドな会場という感じがしますし、声に疲れが見られますね。
    この曲は前にも聴かせていただいていましたよね?
    だからすとんさんにとってのベストではないということはよくわかります。
    本番が常にいろいろな意味でベストなら良いのですが、なかなかそうも言ってられないですよね。とにかく場数だと思っています。
    そういうわけでこれからもなるべくいろいろなところで歌っていかれると良いと思います。

    やっぱり歌の神様が「やめちゃいけない」と言っているのですね。(笑)

  3. すとん より:

    椎茸さん

     まあ、何事も過ぎたるは及ばざるが如し、であって、飲食が良くないわけではなく、暴飲暴食がいけないのです。吐くほど飲み食いするのが、そもそもの間違いなんです。でもね、浮世の付き合いだから、自重するにも程度があるわけだし…今後は、そこらへんをオトナの智恵で、うまく折り合いつけていこうと思ってます。

     理想は、一週間前ぐらいから、修行僧のような生活ができれば、それがいいのですが、そいつはなかなか難しいわけです。

     こちらは「今回は調子が悪くて…」と言い訳してしまいがちですが、アウェーで歌った今回は、その場にいたお客さんとは一期一会だったりするわけです。つまり“その時の歌声がすべて”になってしまうわけです。一応、全力を尽くしたつもりですが、やはり事前の準備に抜かりがあったわけで、反省多々でございます。

  4. すとん より:

    Ceciliaさん

     “ガンジス”は私のレパートリーなので、機会があるたびに歌ってますし、アップするもの、今回で数回目ですね。アップするたびに「これはまだまだベストじゃない」って気合が入りますよ。いつかそのうち、ベストな歌唱の“ガンジス”をアップしたいです。

     おっしゃるとおり、場数って大切だと思います。ドンドン人前に出て行って、下手なのは本当に申し訳ないけれど、歌わせてもらって、歌手としての経験値を高めていきたいと思ってます。

    >やっぱり歌の神様が「やめちゃいけない」と言っているのですね。(笑)

     ですね(笑)。

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