スポンサーリンク

オペラを楽しむ時間 ~恋に落ちる瞬間~

 「ちゃんとブログに書いて宣伝してくれないと~(笑)」とは、コンサート終了後のキング先生のお言葉でした。

 実は先日の日曜日、キング先生(テノール)と前原加奈氏(ソプラノ)、柾本遂也氏(ピアノ)による「オペラを楽しむ時間」と題した公開講座(面倒くさいので、以下“コンサート”と書いちゃいます)が行われましたが、私はそのコンサートの事を事前に知りながら、ブログ等では宣伝しませんでした。

 と言うのも…

 1)会場が一般の音楽ホールではなく、某カルチャースクールの教室だった(だから“公開講座”なのね)ので、一般の方は参加しづらいかな~って思ったので。

 2)定員がわずか30名という小規模のコンサート(つまり、キング門下生と前原門下生で、ほぼ満席になる予定)だったから。

 3)開催場所が地方都市で東京からだいぶ離れていたので、ブログで全国的に宣伝するのはどうかと、ためらってしまったから。

 4)今回のコンサートの宣伝担当は、某カルチャースクールの広報係の役割だったから。

 5)それに事前に先生から「ブログで宣伝しておいてよ」って言われなかったから。

 …という様々な理由で、老犬ブログでは、このコンサートについて事前に触れることはしなかったのですが、当日、会場が満席にならなかった(それでも八割方は入ってました)ので、当然“完売”と思っていたキング先生としては、あまりに宣伝不足を感じられたのでしょうね。その思いが上記のセリフになったのだと思います。

 それはともかく『オペラを楽しむ時間~恋に落ちる瞬間~』というコンサートに行ってきましたので、事後報告(笑)を兼ねて、記事にします。

 開催された場所は“秦野カルチャーセンター”。新宿から小田急線の急行列車に乗って約1時間の神奈川県の地方都市の駅前ホテルの三階にあるカルチャースクールです。つまり「ホテルのカルチャースクール」が会場だったわけで、ほら、カルチャースクールに馴染みのない人には、読むだけで、すでに何となく敷居が高いのを感じるでしょ(笑)。

 私が会場に到着した時は、先生方は別室でのリハーサルの真っ最中でしたが、部屋を閉め切っているにも関わらず、その歌声はカルチャースクール中に響き渡り「何の曲をやるかは当日のお楽しみ」と言ってたのに関わらず、すでにアンコールに何を歌うのかまで、すべて分かっちゃいました。カルチャースクールですから、音楽ホールほど防音がしっかりしているわけじゃあないんですね。

 ちなみに当日は電車事故があって、ちょうどコンサートの開始時刻前に電車が止まってしまった事もあり、多くの人がコンサートに遅刻してきました。おそらく、途中でめげて引き上げちゃった人もいたんじゃないかな?(私は早めに現地入りをして喫茶店でケーキセットを食べてましたので、電車事故にまきこまれなかったんです) お天気には恵まれましたが、交通の便にはちょっと支障をきたしてしまった感じです。

 会場がカルチャースクールという事もあり、コンサートは公開講座のテイを取ってますので、お勉強的な講義部分(主に前原氏が担当)を合間合間に挟み込んで、進行していきました。オペラの誕生から、モーツァルト、ベルカントオペラ、ヴェルディ、ヴェリズモオペラへと流れるオペラの歴史をザザっとディープなネタやトリビアも交えつつ、お話くださりました。

 とりあげたオペラの歌(アリア&二重唱)は、モーツァルト作曲「魔笛」から『序曲(一部抜粋:ピアノ版)』と『タミーノのアリア』と『パパパの二重唱』。ドニゼッティ作曲「愛の妙薬」からは『ネモリーノが愛の妙薬(実は安ワイン)を飲んで酔っぱらってアディーナにちょっかいを出している二重唱』と『アディーナの告白の二重唱』。プッチーニ作曲「ラ・ボエーム」からは『第1幕の後半部分(「冷たい手を」と「私の名前はミミ」も入ってます)』をやってくれました。ちなみに、アンコールは『オ・ソレ・ミオのデュエット版』でした。以上、約2時間のコンサートでした。いずれも副題の「恋に落ちる瞬間」に違わず、主人公であるオペラの登場人物たちが、それぞれに恋に落ちる、その瞬間に歌っている歌を、次々とやってくれたわけです。

 あ~、一応、バレンタイン企画だったそうです。

 歌そのものは…当然ですが…よかったですよ。キング先生は、普段のコンサートでは歌曲ばかりを歌い、最近はなかなかオペラを歌ってくれないので、そんなキング先生のオペラアリアが聞けると言うのは、門下生にとっても貴重な経験だったわけです。

 特に今回は「パパパの二重唱」を歌ってくれましたが、この曲は本来はバリトンとソプラノの二重唱ですから、テノールであるキング先生が歌う事はまずない曲だけに、今回だけのレアトラック的な歌唱でした。キングファンにとっては、貴重なコンサートだったというわけですね。

 ソプラノの前原加奈氏は、私は何度か、聞いているのですが、良い歌手ですね。声がみずみずしくて美しいのはもちろんとして、なんと言っても、美人でスタイルが良いのがGOODです。オペラ系のソプラノ歌手と言うのは、たいていがビヤ樽体型か恵方巻き体型ですからねえ…。そこへ行くと、前原氏は美しいし、ナイスバディな女性のフォルムを保っているわけで、見ても良し、聞いても良しのソプラノさんです。おまけに、動作の一つ一つをビシっと決めてくる方だし、演技も上手。たぶん、この人、踊れると思います(笑)。踊れるオペラ歌手なんて皆無だから、なんかモッタイないですね、きっとミュージカルも出来るんだろうなあ…。

 ピアノの柾本氏は柔和な感じの青年でした。でも、ピアノのタッチはなかなかに粒立ちが良くて、筋肉質なピアノを弾いてましたよ。いかにも、ピアノが打楽器だという事を感じさせる演奏者でした。私はこのタイプのピアニストは好きかもしんない(笑)。

 とにかく、毎度毎度の感想で申し訳ないけれど、本物の歌手たちのマジな歌声を、至近距離(今回も5mほどの距離で聞きました)で聞けるというのは、貴重で贅沢な体験です。どんなにお金をかけたオーディオシステムで再生されたCDの音であっても、生の歌声とは、全然違います。生の歌声による生の音波を浴びる快感ってのが、コンサートにはあります。皆さんもぜひ、チャンスがあったら、オペラ歌手の生歌を聞かれるといいですよ。

 さて、今回のコンサートを告知しなかった“お詫び”と言っちゃあなんなんですが、お三方の直近のコンサートなどの告知をしますので、ご興味ご関心のある方はどうぞ。

 

中国茶芸館 Blue-T Sunday Brunch Concert
香高みゆき(A.Sax)&柾本遂也(Piano)
2012年2月26日(日)13:00~ 入場料 1600円(お食事代込み)
Blue-T(ホームページはこちら
 
 
音楽団体 NPO法人さえの会 第2回オペラ公演 「小劇場版オペレッタ こうもり」
2012年3月10日(土)13:00~ /11日(日)17:00~ 川崎市中原市民館ホール(武蔵小杉徒歩3分)
入場料 前売券 3000円 当日券 4000円(全席自由)
B組プログラムにて前原加奈氏出演(アデーレ役)
さえの会(ホームページはこちら)、前原氏のブログ「AMORE」はこちら。

 
 
ギャラリー楓 サロンコンサート ~歌とピアノで聴く「別れ」のシーン~
雨宮正樹(テノール)&柾本遂也(ピアノ)
2012年3月24日(土) 13:30~ 
活動支援費 1200円/人(定員40名)
ギャラリー楓(ホームページはこちら)、キング先生のブログ「音楽喫茶」はこちら

 

 本当はこのコンサート、「ひとこと」欄で報告しようと思ってたけど、分量が増えてしまったので、記事にしてしまいました(爆)。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村 クラシックブログ 声楽へ
にほんブログ村

コメント

  1. Yテノール より:

    そうか、私も自分のブログでお知らせ記事書かなかったです。
    もっとも私のブロクは美術系だし超マイナーですので、効果は全く期待できないですが〜笑
    カルチャーセンター主催の公開講座なので、カルチャーの営業活動として受講生をしっかり募集しているものと思っておりました。
    すぐ満席になるだろうから逃さないように即申し込みをしました。
    あんまり早く申し込んだので,未だずいぶん先という観念が固定化してしまい、
    超多忙の混乱にかまけて当日になっても気付かず確定申告用紙と格闘している最中にカルチャーから電話があって、「え、今日だったけ!」
    おっとり刀で駆けつけキング先生のタミーノのアリアにかろうじて間に合ったという次第でした。
    そんなことはさておき、
    今回の「スペシャル講座」凄くよかったしとっても楽しかった!!

    キング先生と前原先生の軽快なトークもユーモアたっぷりで凄く楽しかったし
    演奏も演技も本当に魅力的で心から堪能しました。
    あんまりに素晴らしい演奏を聴いてしまうと、なんかもうこちらとしては鑑賞することに特化してしまおうかなと思ってしまいます。
    当然と言えば当然ですがあまりの実力の落差から無力感に襲われたのは私だけでしょうか〜笑

    もっと大きなホールで多くの聴衆に聴いてもらいたい内容だったと思います。
    30名足らずの人達だけではなんか凄くもったいない感じでしたね。

  2. すとん より:

    Yテノールさん

    >カルチャーセンター主催の公開講座なので、カルチャーの営業活動として受講生をしっかり募集しているものと思っておりました。

     そうそう、これは私もそう思ってました。せめて、ホームページでババンと宣伝してもよかったんじゃないかなって思います。ホームページで宣伝するなら、特に経費だってかからないだろうし…。ついでに駅前なんだし、近所にチラシを貼っておくとかね。やりようはいくらでもあっただろうにと…他人事だから簡単に言っちゃいます(笑)。

     実際は、宣伝って、手間とお金がかかるから、そう簡単にはできないんだよねえ。

    >すぐ満席になるだろうから逃さないように即申し込みをしました。

     一緒、一緒(笑)。

    >おっとり刀で駆けつけキング先生のタミーノのアリアにかろうじて間に合ったという次第でした。

     電車事故の影響で、コンサート開始時刻が遅くなっていたし、タミーノのアリアが一曲目(その前に、柾本氏のピアノによる序曲はあったけれど)の歌だったから、ほとんど見れた事になりますよ。

    >あんまりに素晴らしい演奏を聴いてしまうと、なんかもうこちらとしては鑑賞することに特化してしまおうかなと思ってしまいます。

     何を比較しているんですか! あっちはあっち、こっちはこっちですよ。プロは聞いてもらうために歌うけれど、我々は歌うために歌っているんです。同じ次元で比べちゃいけません(笑)。でも、お二人ともよかったですよね。でも、演奏が素晴らしかったという点に関しては、全く同意します。あのお二人は、声の相性も良いですから、なおさら良かったなあって思います。

    >ですがあまりの実力の落差から無力感に襲われたのは私だけでしょうか〜笑

     かもよ~(笑)。私は今回のコンサートを聞いて「ボエーム」歌いたくなりました。よかったなあ…ボエーム。「冷たい手」から「私の名はミミ」につながって、そこから「愛の二重唱」でしょ。もう、うっとりだよねえ。ああ、歌ってみたい!

     でも「冷たい手」にはHi-Cがあるんだよねえ(爆)。一生歌えないかも…。

    >30名足らずの人達だけではなんか凄くもったいない感じでしたね。

     同意。うん、とってもモッタイナイと思いましたよ。でも、空席が(ちょっととは言え)あった事も事実ですから、内容が良ければ客が来るってモンでもないんですよね。興行の世界も難しいねえ…。

タイトルとURLをコピーしました