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最大値よりも平均値が肝心

 何の話なのかと言えば、もちろん“歌”の話です。メロディの話です。もっと言えば「歌うのがツラいのは、最高音が高い曲ではなく、音程の平均値が高い曲」なのです。

 最高音が高い歌は、その一瞬だけ頑張って歌えばいいし、頑張っても最高音が出せないなら、その音を3度程度下げて歌ってしまえばいい。テノール的には恥ずかしいけれど、音楽的にはぶっ壊れた歌を歌うよりもナンボもマシです。

 でも、音程の平均値が高い歌、つまりメロディの音域が狭くて、その音の大半が高いところに集中をしている歌や、メロディの音域のほんの一部だけがやたら低くて、その他の音が軒並み高音寄りの歌とかは、歌っていてかなりキツイです。

 例えば、五線の上のレ~ソ程度の音は、テノールにとっては朝飯前の音程なんだけれど、ここにメロディの大半が集中しているような曲だと、1音1音は大したことなくても、それが連続で登場する事で、いつの間にか声が消耗してしまい、シンドくて堪らない…という事になりがちです。

 まあ、テノールが歌う曲って、メロディの前半は中音域(五線の中の音)で、サビに入ってから五線の上の音を含んだメロディを歌うようになり、最後のキメの部分で高音を一発出す!という構造になっているわけで、まさにこういう作りの歌がテノールにとって歌いやすくてカッコよく聞かせられる歌になります。

 一方、ソプラノ用のメロディって、テノールには結構厳しいです。

 そもそも、音程の平均値が高いですし、メロディの跳躍も多く、楽譜が黒いです。だから、最高音がテノールと変わらなくても、楽譜をちょっと見れば「ああ、ソプラノ用のメロディだな」って分かるわけだけれど、中には、そこまではっきりソプラノっぽい特徴を出していない歌もあるわけで、うっかりそんな曲をテノールである自分がチョイスして歌ってしまうと…地獄を見るわけです。

 同じ高音歌手と言いながらも、ソプラノとテノールは、全く違う種類の声を持った歌手なんですから。

 でも、スーパーなテノールは、ソプラノ用のメロディを1オクターブ下げて、楽々と歌ってしまったりするわけで、それはすごくすごく、すごいなあと思ってしまうのでした。

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