歌う時の姿勢の話です。
よく市民合唱団などで、普段の練習の時は座ったままの姿勢で歌い、ここ一発とか本番とかになると、立った姿勢で歌う事があります。
人前での演奏が前提であるなら、練習の時から本番の姿勢に準拠した姿勢で歌えば良いと、私は思います。本番が立った姿勢で歌うのなら、練習でも立った姿勢で歌えばいいのです。
「でも、立ったままだと疲れちゃうでしょ? せめて練習の時くらいは楽をしましょう。」
だったら、疲れるほど練習するのが間違っていると思いますよ。疲れる前に練習を切り上げないと…。だって、疲れてしまったら、練習の成果が身につかないでしょ? 練習した事をしっかり身につけなければ、練習の意味がありません。そのためには、疲れるまで練習してはいけないのです。
それに本番が立ち姿勢で歌うなら、本番と同じくらいの時間は楽々に立っていられないとマズイわけで、そのための立ち姿勢に必要な筋肉を養うためにも、歌の練習の時は立って歌うべきだと思います。
「練習は疲れないために座って歌いますが、本番は声をしっかり出すために立って歌います」
不要な疲労回避のために普段の練習では座るけれど、本番は声をよく出すために立ち姿勢で臨む…と。これ、よく言われることだけれど、別に声は立ち姿勢だからよく出るなんて事はありません。立っていても、座っていても、寝ていても、しっかり腹筋使って発声すれば声は出ます。逆に言えば、いくら立ち姿勢でも、そのあたりがいい加減だと、声は出ません。
…なんて事を考えてしまうわけです。
昨今の市民合唱団を見ていると、私の周辺だけかもしれませんが、ほんと平均年齢が高いんですよ。どこの団体もジジイババアばかりです。合唱団が高齢化を迎えている現在、別に歌なんて、本番であっても、座ったまま歌えばいいんじゃないの?って思うんですよ。
オーケストラは座ったままで楽器を演奏するんです。ならば合唱が座ったまま歌ってマズイはずがない…と思うのです。
椅子に座って歌う…となると、合唱祭などのイベントの時に、団体の入れ替えに時間が掛かって面倒になるかもしれませんが、立ち姿勢で歌って、舞台で倒れる人が出る事を考えれば、座って歌った方が意識を失った時でも安全でしょ? それに歩けなくなって車椅子生活になっても、座った姿勢がOKなら合唱を続けられるしね。そこまでいかなくても、普段から杖が必要な状態になっても、座って歌えたら、より安心して歌えるよね。
特にアマチュアの合唱団なら、楽しく歌える事、安全に歌える事を優先すべきだと思うのです。若い人たち中心の合唱団なら、入れ替えなどを考えて、立ち姿勢で歌えばいいけれど、老人ばかりの合唱団(今の日本の合唱界なら、こちらが主流でしょ)なら、座り姿勢で歌うを当然の事にして、いつまでもみんなで元気に楽しく歌って、合唱ライフをエンジョイしていく方が大切だと思うのです。
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