Y先生こと吉原祐作さんと、F先生こと藤井直美さんの『初夏に聴く日本の歌 vol.3 + オペラ』を聴いてきました。会場は、横浜磯子区の杉田劇場です。
Y先生は、コンサートとかオペラ出演とかあっても、まず生徒さんたちに教えてくれません。K先生情報によれば、今月はオペラ「トスカ」でスカルピアを歌っているはずなのですが、どこで歌っているのか教えてくれません。尋ねても「チケットなら売れているから大丈夫」と言われちゃいます(いやいや、チケットの売上を心配しているのではなく、純粋に先生の出演オペラを見たいだけなんです)。
そんなY先生ですが、このコンサートだけは毎年教えてくれますので、毎回チケットを買ってます…って書き方をしたのは、昨年はチケットだけ買って、聞きに行けなかったからです。…ちょうどぎっくり腰をやっちゃって出歩けなかったんですね(涙)。
一昨年は全編日本歌曲。昨年は日本歌曲+芸術歌曲。今年は日本歌曲+オペラ、という組み合わせです。ああ、歌曲なら昨年聞きたかったなあ(涙)。
さて、今年のセットリストは以下の通りでした。
第一部
七つの子(F)
赤い靴(F)
青い眼の人形(F)
悲しくなったときは(Y)
木菟(Y)
月曜日の詩集(ソプラノとバリトンのための二重唱)
しあわせ(Y&F)
橋(F)
道ばた《靴やさん》(Y)
待ち合わせ(Y&F)
海(Y)
花屋さん(F)
ゆびわ(Y&F)第二部
カタログの歌~歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より(Y)
それじゃあ、私だわ~歌劇「セビリアの理髪師」より(Y&F)
愛の神よ、安らぎをお与え下さい~歌劇「フィガロの結婚」よ(F)
私の子孫の娘たちよ~歌劇「チェネレントラ」より(Y)
亡くなった母を~歌劇「アンドレア・シェニエ」より(F)
マリオ、マリオ、あなたと…/誓った忠誠を破らねばならないとすれば/歌に生き恋に生き~歌劇「トスカ」より(Y&F)アンコール
パパパの二重唱~歌劇「魔笛」より(Y&F)
いやあ、自分の先生たちだという点を除いてもスゴかったですよ。特にF先生はスゴイです。妻が「私が知っている日本の現役ソプラノ歌手の中では、ピカイチだと思う」と言ってましたが、私もその意見には深く首肯しますし、そのF先生と堂々と渡り合っているY先生もなかなかのモノだと思います。
聞き所は、F先生の、第一部の「青い眼をした人形」と第二部の「トスカ」でしょうね。「青い眼をした人形」は岩河智子さんの編曲バージョンで、まるでオペラアリア(それもかなりの大曲)風のアレンジで、聴き応えバッチリの歌に仕上がっていました。「トスカ」は、とても演奏会形式とは思えない迫力でした。いやあ、良い物を見せていただきました。Y先生の聞き所は、第一部の「木菟」と第二部の「チェネレントラ」でしょうか? 「木菟」は、代々木八幡にある白寿ホールで聞いたテノールの田代誠さんの歌唱がピカイチだと思っていましたが、なかなかどうして、バリトンのY先生も、それに匹敵するほどの出来栄えでした。「チェネレントラ」は、いわゆる“早口言葉”系の歌で、Y先生、すごく頑張ってました。
これだけの演目で2000円とは、ほんと、安いなあ。
当日近くになっても「今回は、全然チケットが売れていないんですよ。全然売れていないのですよ」とY先生は嘆いていました。どうも、アテにしていた大口団体顧客さんに、チケットを買ってもらえなかったそうで、かなりピンチだったんだそうです。実際、その分だったのでしょうか、ご自宅にはチケットが束でポンと置いてあったので「今回は本当に売れていないのだなあ…」と思っていたのですが、フタを開けてみたら、ほぼ満席。妻曰く「あの先生の“売れていない”くらいアテにならない言葉はない」そうです(笑)。そうかもしれない(大笑)。ちなみに、杉田劇場のキャパは約300席です。
こんなに安い金額なのに、たっぷり楽しませてもらって、本当に申し訳ありません。
コンサートが終わって、ご挨拶に伺ったところ、F先生には「舞台に出て、一番先にすとんさんを見つけてしまいました」と言われました(汗)。私、目立つからなあ(笑)。Y先生は私の顔を見るなり、逃げ出して「いつも言っている事が全然出来てなくて申し訳ない!」と叫んでいました。いやいや、十分楽しませていただいたので、何の問題もありません。
仮に自分たちの先生でなかったとしても、このコンサート、聞きに行ってたと思うし、楽しんでいたと思います。実際、私は、彼らのコンサートには、まだキング先生に習っていた時から、聞きに行ってたものなあ。あの頃は、まさかこの人たちに声楽を習うことになるとは思ってもいなかったんですよ。ただ漠然とY先生の歌を聞きながら「次に習うなら、この人だな」とは思ってました。だから私、Y先生、F先生の歌は、純粋にファンとして大好きなんですよ。だって、いい歌、歌うからね。
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