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フワッとした声で歌いたいものである

 フワッとした優しい声で歌う…私の一つの理想の歌声です。

 そもそも、私の声は全然フワッとしていないし、優しい感じもありません。どちらかと言えば、力んだ感じの硬い声で、あまり美しくもなければ、聞いた感じも優しくないです。はっきり言えば、ダミ声の枠に入る声かもしれません。

 悲しいです。

 なので、私は合唱をやると声が悪目立ちします。だって、合唱をやる人の声って、フワッとした声の人が多いですからね。こういう声を“合唱声”と呼んで、下に見る人もいますが、私は必ずしもそうではありません。声がフワッとしているのは、必ずしも悪いことではないと思うのです。

 そもそも、フワッとした声で歌えば、優しく聞こえるじゃないですか?

 ただ、フワっとした声でも、良い感じにフワッとしている声もあれば、あまり良くない感じでフワッとした声もあります。何事も、良いものと悪いものがあるわけで、悪い側…いわばダークサイドに落ちないように気をつけないといけません。

 ダークサイドに陥りやすいフワッとした声って、だいたい、腹筋の支えが乏しくて芯が感じられません。芯があってフワッとしている声は良い印象を与えますが、芯がなくてフワッとしているだけの声は、聞いていても掴みどころがない、浮いた感じの聞こえてしまって、それはそれでよろしくないのです。

 私がフワッとした声で歌おうとすると、たいてい腹筋の支えがなくなって、芯のない声になりがちです。だからと言って、しっかり腹筋で声を支えると、全然フワッとした感じの優しい声にはなりません。

 私的には「あちらを立てれば、こちらが立たず」と思っていますが、正直なところは単純に技量不足のなせる技なのだろうと思ってます。

 ああ、悲しい。

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