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日本は相対的/歴史的に、どんどん貧しくなっているのだと思う

 先日は野原ひろしをネタに記事を書きましたが、それ以外の視点から見ても、やっぱり今の日本は、かつての勢いを失っている…というか、やっぱり貧しくなってきたのかなあと思います。

 厳密に言えば、現代日本人の生活なんて、世界標準で考えれば、豊かも豊かだし、恵まれすぎているわけだけれど、歴史の流れで見るならば、20世紀末の日本人よりは、確かに貧しくなっているかもしれません。

 視点をどこに据えるかだけれど、現代日本人の生活は、現在の諸外国の人々の暮らしと比較するならば(つまり、地球規模で考えるなら)まだまだ豊かで恵まれているわけだけれど、20世紀末を生きてきた今のジジイババアの生活と比べると、確かに貧しくなってきているわけです。

 つまり“現代日本人の生活は、一世代前の生活と比べて、相対的に貧しくなっている”と言えます。つまり“今の子は親世代並の豊かさを享受していない”と言えるのかもしれません。日本人は歴史的に貧しくなっているわけで、もっと端的に言っちゃえば「日本人の豊かさはピークアウトした」のかもしれません。

 だから、今の若い日本人の生活は、世界レベルで考えるなら、全然貧しくなくて、むしろ豊かなんだけれど、親世代の豊かな生活を見て知っているので、それと無意識に比べて「俺達、貧しくない?」って思っているわけだし、実際、貧しくなっているのだと思います。

 というのも、今の若い子たちは(本当はかなり豊かなのに)色々と貧しさを感じざるを得ない社会に生きているわけです。

 例えば、今は女性が働くのが当たり前でしょ? 共稼ぎなんて言葉、もはや死語だよね。女性も働かなきゃ、今の生活(親世代の生活レベル)を維持できないよね。

 私が若い時は、学校を終えた女の子たちは、家事手伝いをしたり、就職しても“腰掛け”で2~3年働くぐらいで、男性のように本格的に稼ぐことなんてしなかったわけだし、もちろん、20代のうちには嫁に行き、結婚したら専業主婦が当たり前。せいぜい働いても、子どもが生まれるまで、子どもが生まれたら、会社勤めであっても仕事を止めて、専業主婦です。社会も、若い母親たちが家庭にいる前提で成り立っていたわけです。

 それが今や、結婚しようがしなかろうが、子どもが生まれようが生まれなかろうが、女性も働いて、一人前に稼いでくるのが当たり前。それをしないと、今の若い世代が男の稼ぎだけで、親世代と同じ生活レベルを維持するのが困難なのです。

 男性は、学校を終えると仕事に邁進するのは、今も昔も同じだけれど、昔は男の稼ぎだけで、家庭生活は回っていたわけです。回っていたどころか、家を買って、一軒家を買って…なんて事もしていたわけです。その上「教育費が高い」とか言いながらも、子どもたちにも塾通いとかさせていたわけで、昔のお父さんたちは、そんなにたくさん稼いでいたのかと言われれば…稼いでいたんだよね。額面的にも昔のお父さんは高給取りの人が多かったし、何より物価が安かったから、実質的に今の人たちよりも、昔のお父さんたちの方がたくさん稼いでいたんだと思います。

 もっとも、エコノミックアニマルと悪口叩かれながらも、身を粉にして働いていたわけだから、それぐらいの見返りがあって当然だけれどね。

 それだけ疲れていても、連休ともなれば、家族サービスと称して、家族をレジャーに連れて行ってくれたわけで、昔のお父さんは偉すぎます。今の若い世代は、連休があって、時間と体力が余っていても、遊びになかなか行けないそうです。我々が若い時には気軽に出かけたディズニーランドですから、今は簡単には行けないそうです。なんとも切ないね。

 切ないと言えば、冠婚葬祭がすっかり地味になりました。結婚式もだいぶ地味になりましたが、我々の世代で言えば、お葬式がほんと地味になりました。家族葬…なんていう、ミニマムなお葬式もだいぶ増えました。

 冠婚葬祭の業界的には大変でしょうが、結婚式や葬式がミニマムになれば、お祝いを包まなくてもいいわけだし、それでホッとしている人もいるわけで、そんなつまらないことでホッとしている程度に、我々は貧しくなってきたんだと思います。

 そしてこれは、本当は、終わりの始まりなのかもしれません。

 少子高齢化と言われて久しいですが、少子高齢化って、社会全体が貧しくなりはじめた現れじゃないかと思うわけです。若い世代にお金が無いから、結婚できなくて、子どもが生まれてこないわけですが、親や祖父母世代はまだお金を持っているから長生きをするわけです。

 これが本格的に日本が貧しくなれば、年寄りたちが長生きできないから、やがて高齢化も止まります。日本人が、少しだけ生まれて、若いうちにバンバン死ぬ世の中になるわけで、人口が劇的に減少します。それが国力の低下となって、やがて少ない人口では国を維持できなくなり、他国に武力あるいは経済力で日本が侵略されていくわけです。

 まあ、その前に私は死んでいるだろうけれどね。

 金の切れ目が縁の切れ目、人も国も民族も、金がないのは悲しいね。そして何より悲しいのは、金がなくて国がなくなれば、何千年も続いた日本の文化が無くなってしまうかもしれないって事です。

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コメント

  1. 匿名 より:

    「義務と権利」が変化してきたのかな、と思いました。
    これだけではないと、思いますが…

  2. すとん すとん より:

    匿名さん

    >「義務と権利」が変化してきたのかな、と思いました。

     ううむ、義務と権利かぁ…。若い世代の傾向として、「嫌だけれど、やらなきゃいけない事」が義務で、「やりたい事を好きにやる」のが権利と感じているのなら、まあそうかも。義務を後回しにして、まずは権利を遂行するわけだ。

     良く言えば「個人主義の台頭」とか「個人を大切にする生活」って言えるだろうけれど、それは裏返せば「社会や家庭を後回しにする」とか「自分以外の事は考えない」とも言えます。

     それだけ世知辛くなってきた…のかもしれません。あと、世の中、やたらと不機嫌の若者が増えてきた…ような気もしています。それもこれも“貧しさ”のせいかもしれません。とは言え、本当に貧しければ、他人に当たる余裕もないし、助け合わないと生きていけませんが、今の貧困は“心情貧困”“雰囲気貧困”なので、まだ他人に当たってウサを晴らせば済む余裕があるのでしょう。

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