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目を見開いて歌いたい…ものです

 最近の私は“目を見開いて歌いたい”と思うようになりました。

 そもそもは、以前習っていたキング先生から「発声と表情は切り離して歌えるようになるべきだ」と習いましたし、それが正しいと思ってきました。おそらく、キング先生の言う事には間違いはないでしょう。実際問題、オペラ(アリア)を歌うなら、常に演技をしながら歌うわけですから、その演技に伴う表情と、発声がリンクしていてはいけないのです。どんな表情をしていても、常に発声は完璧を目指すべきなのです。だから、表情と発声がリンクしていてはいけないのです。

 そもそも、目を見開いて歌う癖を付けてしまったら、常に目を見開かなければ十分な発声ができなくなってしまう…かもしれません。それはオペラを歌う歌手としては、マイナスであり、大きな欠点になってしまうかもしれません。

 でも、まず大前提として、ちゃんとした発声ができなければ、表情と歌声のリンクについて考えるなんて、おこがましい事ではないか…と思うようになりました。まず最初に求めるのは、ちゃんとした発声で歌える事であり、それが表情とリンクしているかどうかなんて、その次に考えるべきです。

 …ってか、私がオペラの舞台でアリアを歌うチャンスなんて、あるはずがないのですから、そもそも、発声と表情のリンクについてなんて、考えるだけ無駄なのです。いやむしろ、そんな事を考える事で、余計な、背負わなくてもいい面倒事を抱えることになっていたのかもしれません。

 まず、追い求める事は、ちゃんとした発声です、それ以外は後回しでいいのです。

 そう考えた時に、歌う表情についても考えるようになりました。歌うためには、頭蓋内の空間はなるべく大きく開くべきだと考えました。そんな時に、口角を上げたり、目を見開いたりする事は、案外大切なことではないかと考えるようになりました。口角を上げる事は、クチを縦開きにする過程で行うようになりました。ならば次にする事は…目を見開くことではないか。目を見開くことで、マブタを上に持ち上げ、目尻を上に持ち上げる事ができるのではないか? それは多少なりとも、声に輝きを与えることになるのではないか?

 そんな事を考えたので、まずは目を見開いて歌いたいと思ったわけです。

 今までは、キング先生の教えを守って、仏頂面というか能面のような表情で歌っていたわけですが、それはやめて、目を見開いて、目力を強めて、圧のある表情で歌っていきたいと思いました。

 それが原因で、他人から「歌っている時の顔が変」と思われても仕方ないと考えます。だって、そもそも、人前で大きな声で歌っているという行為そのものが変でしょ? 変な事をしているのだから、変な顔をしていても仕方ないのですよ。

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コメント

  1. tetsu より:

    お久しぶりです。

    > 目を見開いて

    ここのコメントで元師匠に再レッスン受けたいようなことを書いたのはいつだったか、10数年振りに先月2回レッスン受けました。
    某アマオケの本番直前で、ネタは音出しとオケスタだけです。
    短期留学みたいで、方向性は伝えた、答えあわせはそちらで、みたいになりました。
    そのときの話で、
    音程はヴァイオリンでは弦、フルートでは菅、
    何十億もするヴァイオリンと練習用楽器のヴァイオリン本体の違い、フルートでは?

    答えは体でした。
    体の響きを作るためにハミングの練習もありました。
    鼻腔あたりまでは響くのですが、もっと上で響かせると頭声がだせる、らしいです。
    元師匠は「目を見開いて」吹くとフルートの響きが変わりました。
    または「目を見開いて」奥様に愛してると言える関係にあれば言ってみたら、とも。
    某合唱団の練習で指導者からいろいろ教わったとのことです。
    「目を見開いて」といっても、イメージだけで、響きを上にあげるための、普段使うことのない筋肉を鍛える筋トレ、らしいです。
    来週生まれて初めての声楽レッスンを受けます。
    ここのブログのおかげです。楽しみです。

    ありがとうございます。

  2. すとん より:

    tetsuさん

     声楽とフルートは意外と共通点カがあるようですよ。

     ソプラノ歌手はたいてい、学生時代に声楽かピアノをやっているものですが、実は少なからぬ数のソプラノさんはフルート経験者だったりします。他の管楽器をやっていたという話はあまり聞きません。ソプラノとフルートには、何か共通点があるのでしょう。

     私は、フルートを習っていた時分、音色だけはいつも褒められました。他の点も褒めてもらいたかったなあと思うものの、その他はなかなか褒めてもらえませんでした。音色を褒められていたのは、おそらく声楽をやっていたので、腹式呼吸と、自分のカラダを使って響きを作るのが得意だ(ってか無意識でできた)からだろうと思ってます。

    >来週生まれて初めての声楽レッスンを受けます。

     頑張ってください、きっと楽しいですよ。

  3. tetsu より:

    こんばんは。

    >生まれて初めての声楽レッスン

    スケールと、母音での讃美歌のレッスンでした。
    音域はバリトンとテノールの中間のハイバリトン、とのことです。
    新しい楽器(曰く体でパイプオルガン、口の開きでトランペット)で音楽する、みたいで楽しかったです。
    顎と口を意識して縦に開けたことがなかったので、メチャ疲れました。
    呼吸は腹胸式呼吸で、ってこの言葉を初めて聞きました。詳細は次に。
    歯で抵抗作りながらスッスッと吸うのを1分100回程度から。この練習は生まれて初めてです。
    曰く毎朝3,000回とのことで、注意としては過呼吸で苦しくならないように、らしいです。
    フルートのブレスはテキトーだったので発見です。
    技術的なことばかり書きましたが、それ以外の話題も多すぎて、今まで何だったんだろうという感じです。

    失礼しました。

  4. すとん より:

    tetsuさん

     視点が変わると世界の見え方が変わる…って感じなのでしょうね。同じ音楽の演奏なのに、楽器が変わるだけで別世界が広がるわけです。とは言え、共通点も多いのですよ。最初は違いばかりを感じるでしょうが、共通点も少しずつ見えるようになると思います。

     それにしても、ちょっぴりうらやましいです。新しいことを学べるって、本当に楽しいですよね。

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